というわけで今年も開催されました、
every.*action!「取材5か月、震災報道のウラ側」
いずみ様をナマで拝見できる数少ないチャンス!ってんで、
ぜひとも馳せ参じたいのはヤマヤマですけども、
なんかこの猛暑で遠出する気力が乏しくなってしまってることと、
そしてなけなしの蓄えを外貨に換えたところさらに円高が進行したため手持ちのお金が……って、
確か去年もこれとまったく同じ理由をここに書いたような記憶が。
ああ、なんて進歩のないワタクシなんでしょうか。
こんなやる気のない僕と比べて、トークライブの会場を埋め尽くす若者たちのなんと真剣なあのまなざし。
本当に真剣にいずみ様他3名の話に耳を傾けてはりますねえ。
自慢じゃないけど僕は1時間も他人の話をじーっと聴いてられる自信はないですわ。
それを皆さん、メモまで取りながら本当に真剣に聴いてはって、すごいですねえ。
いったい何をメモしてはるんやろ?
初っ端からタコ彦くんが「震災から5ヶ月」と言うべきところを「取材から5ヶ月」って言ってしまったのとか、
そんなのをいちいちメモしてるんやろか?
うわあ、そんな重箱の隅をつつくようなことを……って、
それは僕ですか、はあ。
というわけでそんな真面目な若者たちの見つめるなか始まるトークライブ、
去年のテーマは政治でしたか、それと比べるとやはり今回は、
対象があまりにも膨大なこと……自然災害と原発事故で、なかなか話題が絞りきれてない感があったこと、
そして現在も被害を被り続けてる人がたくさんいること、などなどの理由でか、
ちょっと漠然としすぎてたのは否めないですかねえ。
語られていることひとつひとつはとても興味深かったんですよ、
いずみ様の体験談はもちろん、
水素爆発の撮影の件とか、廣瀬さんが避難所を訪れたときのエピソードとか、
それぞれのエピソードは興味深かったけど、
全体としてはちょっとまとまりきれてないと言うか……でもまあ、
これだけ大きな規模の、それも現在進行形の面も持つ災害をテーマにすれば、
誰が喋ってもこうなってしまうのかもしれませんけどねえ。
そんななか、客席からの質問が実にいいものやったんですよねえ。
関西出身という女性が、阪神大震災のときのエピソードを踏まえて、
取材の現場で記者としての立場と人間としての立場の違いはあるのか?と問いかけ、
それに対しての4者4様の答えがまたよかったですねえ。
僕としてはいずみ様のおっしゃったような、仕事よりもまず人としてやるべきことを優先するという、
これがまず大前提としてあるべき、なければならないと思うけど、
それがあった上でタコ彦くんの言う、その映像を報道することの意義のようなものに強く共感しましたかねえ。
というのはですねえ、
これはちょっと話はそれてしまいますけども、
阪神大震災の際、避難所になってる体育館かどこかでおばあちゃんにインタビューしているのを見てて、
そしたらそのおばあちゃんが「食事をとるとトイレに行きたくなるから食べたくない」なんて言ってるんですね。
それを見てて、何言うてんねんなこのおばあちゃん、って思ったんですよね。
そりゃ断水もしてるやろし、避難所のトイレが汚くなってるやろうことは想像がつくけど、
だからって食べなかったら身体がもたんやろが、食べなアカンやろって、
そう思ったんですよね。
でも震災から丸1年経った、1996年1月16日深夜に放送されたドキュメンタリー番組のなかで、
やはり避難所になってる体育館かどこかのトイレの映像を流してたんですよ。
それは深夜ということで放送することにしたんでしょうねえ、
普通ならとても公共の電波で流すことの出来ない光景でしたよ。
和式の便器からこぼれんばかりの、こんもり山盛りのベン・アフレック状態。
で、それを見てやっとあのおばあちゃんの気持ちが本当に理解できたんですよね。
あれじゃあ物を食いたくなくなるよなあって。
人間には想像力があるから、そりゃ被災された方々の窮状に想いをはせることはできますよ。
でもやっぱり想像するには限界ってもんがあるんですよねえ。
だから、とくに大きな災害の際にはどんな映像でも撮る価値がある、
撮って放送する意義があると思いますわ。
バケツリレーでも何でも、見る者に何かしら訴えるものがある以上、
それを撮ることは決して間違ってはいない……といってもまあ、
TPOと言うか、周りの状況とかで違ってくるんでしょうけどねえ。
だから俗に言う空気を読むとか、その場その場で判断できる人間になることがいちばん大事なんやないでしょうかねえ。
いやあ、あの女性は本当にいい質問をしてくれましたねえ。
そして立ち上がってマイクを受け取る際、屈んだときに本当にいい物を見せてくれましたねえ。
えーっと、いやいや、
しかしそんな彼女に比べて、その次に質問したむさ苦しい野郎は、
静岡出身やから浜岡原発のことが気になるんやろうってのはわかるけど、
そんな仮定の質問されたって答えられへんやろうことぐらい想像がつかんのかなあ?
これこそまさに記者として以前の、人としての問題ですわなあ。
もっとマシな質問してくれよなあ。
例えば、福島中央テレビの松川さんに、
原発の取材で被曝して丸坊主になってしまったんですか?とか……って、
え? 人としていちばんアカンのはお前やってですか?
ええ、そうですよねえ、確かに。
反省しますです、はい。
これから1年間、深く深く反省して、
来年には人間として恥ずかしくない者になってトークライブにぜひとも駆けつけたいと思います、
……猛暑でなかったら。