モヴィエ日記

映画の感想とか、いろいろです。

ビヨンドを見よんど

2016-10-22 02:36:34 | Weblog
前作「スター・トレック イントゥ・ダークネス」は本当に傑作でした。
3年前に公開された時にここでも大絶賛したことは、
まるで3年前のことのように鮮明に覚えてます。
そして待望の、新シリーズ3作目となる本作ですけども……。

冒頭は何やら凶暴そうな異星人相手に外交交渉に取り組んでるカーク艦長……そう、
前作のエピローグで、5年間の深宇宙探査へと乗り出したUSSエンタープライズ、
こういう地道な任務を積み重ねてカークも人間的に成長したかのように思えたけど、
内面にはいろいろと思うところがあるようで……と、
そんな折、巨大宇宙ステーション・ヨークタウンに寄港してしばしの休暇。
このヨークタウンというのが、天と地がごちゃごちゃに入り組んだような構造でして、
別にカンバーバッチが変わった能力を用いなくても造れるやんってなもんで、
しかも水も豊かに流れてて、川の底をエンタープライズが潜って行くような仕組みも面白く、
とにかく青空も広がる楽園のようなこのヨークタウン、
スールーは愛する娘と、そして同性のパートナーと久しぶりの再会を楽しんだりしてるなか、
カークはここへの転属を申し出たり、スポックはウフーラと別れたりスポックの死を知らされたり、
なんやかんやしてるところへ未知の異星人から救助の要請が。
早速向かうことになるエンタープライズはしかし猛攻撃を受けることになり……と、
この猛攻撃というのがまた凄まじくって、
カタクチイワシの群れみたいな小さな宇宙船の船団がばばばーっと襲いかかって来て、
これがエンタープライズの武器も防御も一切通用しないという手強さで、
船体にぼこぼこ傷つけられてもうあっけなく崩壊するわ、
そして異星人に侵入されて次々とクルーも犠牲になるわで、
艦を捨てて脱出、皆は散り散りに未知の惑星にたどり着き、
そしてそこへ墜落するエンタープライズの円盤部……と、
この新シリーズ、前作なんかは露骨に旧シリーズをなぞってましたけど、
今回はこれをなぞりましたか、それもかなり早い段階で。
って言うか円盤部だけがってのは「ジェネレーションズ」のエンタープライズDまでも思い起こさせるけど、
そして、大半は未知の敵の捕虜となったクルーたち、
それを逃れたカークたちはいかに彼らを救出するのか……と、
こういう調子で進んで行くお話がしかしそもそも巻き込まれ型で、
いったいどういう企みのなかに身を置かれてしまったのか、
それが見えてこないまま展開されるお話はやや単調に思えたりして、
やっぱり監督が交代したからかなあとか考えてると、
スコッティが知り合う、これまた未知の異星人……えーっと、
さっきから未知の未知のって繰り返してるけど、それぞれ別のものでして、
ここで知り合った異星人は言わば味方の側というわけで、
演じてるのが「キングスマン」の強烈な悪役の人やからちょっと肩すかし感もなきにしもあらずですけども、
なんや分身の術みたいなのを用いる宇宙忍者バルタン星人みたいなこのジェイラという女性、
住処にしてるのがやはり100年ほど前にここに墜落したというUSSフランクリン、
やがてここにカークとチェコフ、スポックにマッコイらも集結して、
どうにかこうにか捕らわれていたクルーたちの救出には成功するけど、
しかし敵のそもそもの目的やった、古代の兵器の鍵となるものを奪われてしまい、
それを手にした敵が向かうはあのヨークタウン、
それを追うためどうにかこうにかフランクリンを起動し……と、
まあなかなかにハードな展開のお話ですけども、
ユーモアもちょこちょこ交えてるし、
陽動作戦として、なぜかフランクリンにあったバイクを駆るカークのやんちゃな姿も微笑ましいけど、
しかしやっぱりなんかこの、コクのようなものには欠けるかなあなんて思いもチラホラしてるうちに、
今まさにヨークタウンを攻撃しようとするカタクチイワシの群れ、
それをどうにかこうにか撃退するうちにやがて明らかになる敵の正体……と、
ここからちょっとネタバレになりますんでご注意を。

未知の異星人と思われた敵の正体は実は、USSフランクリンの艦長エディソンでして、
宇宙連邦に対するあれやこれやの恨みつらみから……という、
なんやジャミラを思い起こさせるような設定ですけど、
その動機の底に以前の、異星人との戦争が続いていた時代を懐かしみ、
それを復活させようとする意図を忍ばせ、
それにカークを敢然と対峙させる構図はやはりよかったですねえ。
まあ設定としてそう目新しいものではないけど、
常にその時代その時代の問題を浮き上がらせて来たこのシリーズの本領発揮と言えるでしょう、
平和を信じるカークの力強さに心打たれ、
ヨークタウンの大空を背景に繰り広げられる闘いも見応え満点で、
結局は大満足なのでした。
そしてエピローグ……艦での任務を続ける決意を固めたカーク、
そして彼やスポック、マッコイらが見上げるのは……と、
ここで早回しされてあっという間に完成し、航海に乗り出すエンタープライズA、
そこに流れるお馴染みのナレーションは、クルー全員によるものやったんでしょうか……そう、
今作ではクルーそれぞれのドラマも結構描かれてて嬉しかったけど、
しかし……やっぱり主役はエンタープライズその人ならぬその艦ではないでしょうか。
旧シリーズでジェネシスに墜落する姿にはさほど感慨も覚えなかったエンタープライズ、
しかし今作でのその最期には相当こみ上げて来るものがあって、
それでいて、ダメ押しで円盤部をひっくり返してしまうカークのやんちゃっぷりにも楽しませてもらい、
前作、前々作での見所やったエンタープライズの浮上シーン、
今作のフランクリンはその点、見せ方がちょっと軽かったようには思うけど、
でもそれを埋め合わせてくれるのはエンタープライズAの勇姿……ああ、
やっぱり今回も大傑作の「スター・トレック BEYOND」でした……いや、
しかし重大な欠点がひとつ、
アリス・イヴちゃんはなんで出てへんの?
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行けだに来ばやし

2016-10-21 02:43:20 | 「てるてる家族」が歌ってる
さて、てるてるを巡る池田の旅の締め括りは小林一三特集、
まずは逸翁美術館。
小林一三氏の収集品を中心に展示されてるそうで、
この日は「近代絵画サロン 情熱と創造のコンチェルト」と題された企画展をやってまして、
と言ってもえらいざっくりしたテーマやから、何を展示しても当てはまるがなってなもんですけど、
東郷青児や小磯良平からユトリロ、ピカソまで幅広くいろいろ見られて面白かったですけど、
しかし興味深かったのは四季を題材にした連作がいくつか展示されてたことで、
なかでも池田満寿夫のは四季それぞれの女性を描いたものでして、
これはやはりてるてる再放送に因んでのものでしょうねえ。
ええ、そうに決まってますわ。
でもって次に訪れたのは、



こちら、小林一三記念館。
彼の旧宅に、遺品やらなんやらかんやらが展示してあるわけですけども、
このお屋敷、ひょっとして佐藤のおじ様の邸宅として撮影されたのでは……と思ったけど、
これも見比べてみると違うようで、でも展示物よりもこのお屋敷自体がなんか興味深いところでした。
その他「白梅館」という施設もあって、
ここでは一三翁の功績を中心に、阪急グループのあれやこれやを紹介されてまして、
昔の映画・演劇関係の資料も多くて、僕としてはここがいちばん楽しめましたわ。
1955年ごろの「東宝かるた」なるものが展示されてて、
「ほ」の札は「ほんに池部はいい男」で池部良のイラストが描いてあったりとか、
なんか全体にゆるくって面白かったですねえ。
あと鉄道関係の展示も多くて、
そのなかに、東海道線との切り離し作業を見守る小林一三の写真なんてのがあったんですけど、
なんですか、昔はいまのJR東海道線と阪急が接続してたんですか?
ようわからんけど、なんやいろいろ楽しめました。
この辺の一三翁エリアまでは以前は足を伸ばしてなかったんですけど、
まあてるてるとは直接関係ないですけど、やっぱり関西人にとってはいろいろお世話になってる方ですからねえ、
来てみてよかったですわ。
と、他にもいくつか行ってみたいところはあったんですけど、
そろそろ帰ろうかというわけで池田駅に向かって栄町商店街を歩いていると……



前に来たときはまだ営業してたブティックフジヤ……そう、
照子さんのモデルの方が経営してたお店が見当たらず、
何やら工事でも行われそうな覆いが……



その覆いからはみ出しているこの看板、
「ヤ」の字はフジヤのヤでしょうか……まあ仕方ないですわなあ。
照子さんのモデル・石田久子さんは2010年にお亡くなりになられたそうで、
これが再放送までの13年の間のいちばん大きな出来事といってもいいでしょうか。
そんなわけでてるてるをに関するスポットももうほとんど見られなくなってしまってますけど、
それでも見所の多い池田の町、
また機会があれば訪れてみたいもんです……というところで、
半年にわたって書き続けて来たてるてるについての記事もこれでひとまず終了というわけで、
ああ、明日から僕は何を支えに生きて行けばいいのやら……。
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いぃ〜〜いぃ〜〜わぁ〜〜けぇ〜〜〜

2016-10-18 03:49:07 | 「てるてる家族」が歌ってる
ところで西川美和監督の「永い言い訳」を見て来たんですけど、
これがもうすごい映画でして、
どうすごいかと言うととにかくすごい、
派手さはないけど地味にすごい映画……って、どっかで聞いたフレーズですけど、
本当にすごいとしか言い様のないその映画のなかで、
主人公が料理の説明をしてやる場面があって、
「これはパテ・ド・カンパーニュ、カンパーニュってのは田舎って意味で…」って言ってて、
これはもちろん、てるてる最終回でパン・ド・カンパーニュ作りに意欲を示してた冬ちゃんに対するオマージュなんでしょう、
それ以外に考えられませんよねえ。
そんな風にすごい映画にも影響を及ぼしていたてるてるを巡る池田の旅、
続いてやって来たのは池田城跡公園。
で、この一画にあるのが、



これはドラマ「てるてる家族」ではなく原作の「てるてる坊主の照子さん」の記念碑ということで、
しかし本放送終了の直後くらいに設置されてて、実質的にはドラマの記念碑のようなもんでしょうか。
で、この写真を撮ってるとボランティアガイドのおじさんが話しかけてこられて、
「ドラマを見て来たんですか?」
「ええ、そうです」
「こないだまで再放送やってましたからねえ」
みたいな話から、やがてガイドさんらしい説明を始めてくれるんですけど、
歌手のいしだあゆみさんの一家の物語で、長女はフィギュアスケートの選手で……って、
もうとっくに知ってるがなってことを延々と話しはじめはって、
しかし断るのも失礼なんで、ええ、ええ、へえそうですか……みたいな受け答えしてたら、
「えーっと、いしだあゆみさんは誰と結婚してたんやったかなあ…」
って、ちょっとてるてる的にはタブーかも知れんことをつぶやき出したりなんかして、
「萩原健一でしょ」って教えてあげたら、
「そうそう、その人、あだ名がなんやいうんでしたなあ…」
「ショーケンでしょ」
「そうそう、ショーケン…せやけどなんでショーケン言うんですかなあ? ケンはわかるけどショーはどこから来てるんやろ?」
そこまで知らんがな。
って言うかなんで観光客がガイドさんに教えてあげやなならんねんな。
で、こっちからも質問することにして、
「この記念碑目当てに来る人は多いですか?」って訊いたら、
「ぜんぜんいません」やて。
ガイドさん曰く、そもそも記念碑があることなんか誰も知らない……って、
まあそうでしょうねえ。
池田市観光協会のサイトのこの城跡公園のところを見ても、記念碑のことなんか載ってませんもんねえ。
いやそもそも、公的なサイトからはもうすっかり消えてしまってますからねえ、てるてる関連記事は。
唯一「てるてる家族」関連情報ってのが残ってるというか、放置されてる程度という有り様で、
だからてるてるについて熱心に話してくださったこのガイドさんのことがやっぱり嬉しかったりして、
そしてこのガイドさんに、池田の観光マップをもらって別れたんですけど、
その後、もっと詳しいマップがあったと言って、追いかけて来てくれたりして、
そんなとても親切なおじさんからもらったマップ片手に、池田の旅はまだまだ続く……。
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転がるいしのようこ

2016-10-14 00:54:31 | 「てるてる家族」が歌ってる
しかしボブ・ディランが今年のノーベル文学賞を受賞することになったのもやはり、
再放送されたてるてるのなかで「風に吹かれて」が歌われてたことが選考委員の心を動かしたからでしょうねえ。
そんな風に大いなる影響力を持ったてるてるを巡る池田の町歩き、
再び池田駅にやって来まして、駅前の「てるてる広場」から探訪再スタートですけども、
この広場の命名は本放送終了からだいぶ経ってからではなかったでしょうかねえ。
僕が行ったときにはこんな名前ではなかったと思いますけども、
とは言っても当時やたらと目についたてるてる坊主のキャラクターはどこにも見当たらず、
なんで「てるてる広場」なのか由来もわからなくなってしまってますけども、
そんな駅前からぶらぶら歩いて、



これは春男さんが勤めてた銀行の外観として用いられた建物……やと、
この13年思い込んでたんですけども、
今回、録画したのと見比べてみると、全然違うんですよねえ、これが。
この辺は「歴史的建造物集積エリア」と命名されてて、
他にもいくつかレトロな建物があるんですけど、どれも違うような……どういうことなんやろ?
と、謎を残してお次に向かったのは、



「伊居太」と書いて「いけだ」と読む伊居太神社。
ここは初詣の場面が撮影されたところということで、前にも訪れたんですけど、
なんか鄙びた神社で、ホンマにここであの賑やかな場面が撮影されたんかなあって半信半疑やったんですけど、
今回確認できましたわ。



このショット、先の写真のあれは拝殿っていうんでしょうか、
その建物のなかから撮ってるんですね。
で、奥に映ってるのが、



こちらの建物ですわ。
そして参拝を終えて急いで帰る場面、



これが撮られたのが、



ここなんですね……って、
スイマセン、なんかわかりにくい写真ばっかりで申し訳ないですけども、
でも録画したのと見比べてみると、ああ確かにここで撮影されたんやなあってはっきりわかって、
てるてるにとっては数少ないロケ地ではありますけども、ここは今後もこのまま残り続けることでしょうから、
機会があればまた訪れたいですわ。
そしてこの神社の近くには、



五月山動物園。
何年か前にアルパカが来たっていうんで、ここにも再訪したかったんですよねえ。
それで写真を撮りまくったんですけど、いざ帰宅して見てみたら、
首を伸ばしてるところを写したのがなくって、あまりアルパカらしく見えないのがこれまた申し訳ないですけども、



お馴染みウォンバットもいるし、



この日はポニーが広いところに放たれてたりと、
まあてるてるとは直接関係ないけど、楽しめた五月山動物園なのでした……と、



おお、トイレの入り口に絶滅危惧種のてるてる坊主たちが!
もう残ってるのはここだけかと思わず撮ったけど、
しかしここは女子用の入り口やがな。
よく通報されなかったこっちゃ。
で、ちなみに、



この告知は「池田のてるてる」を略した物ではなさそうで、
そしてこちらもまた、



てるてるとはなんの関係もなさそうですけども、
しかしてるてるを巡る旅はまだまだ続く……。
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池田再訪

2016-10-11 02:11:58 | 「てるてる家族」が歌ってる
そんなわけで再放送終了とともに腑抜け状態になってしまったワタクシなのですが、
すっかりやる気のなくなってしまった身体に鞭打って池田へと出かけて参りました……って、
これも12年前とまったく同じ行動パターンで、その間の成長がまったく感じられなかったりしますけども、
しかし本放送終了から12年が過ぎた現在ではもう名残のようなものもほとんどなくって、
でも見所はいっぱいある池田の町、
まず訪れたのは千吉博士ならぬ百福社長の銅像直々のお出迎えの、
インスタントラーメン発明記念館。
ここは以前は前を通っただけで中には入らなかったんですけど、
今回、初入館を果たしまして、
まあいろいろな展示物があるわけですがてるてる的見所としてはやっぱり、



これですわ、再現された研究小屋。

 

細かいところまで雰囲気たっぷりでして、
そして小屋の表には、

 

そう言えば千吉博士も荷台に鍋やら括り付けて自転車こいでましたっけ。
なんてことのないショットでしたけど、ちゃんと史実に基づく忠実な再現やったんですなあ。
そして自転車の横には、



ニワトリ小屋が。
そう、幼い日の和ちゃんが盗もうと……いや、頂こうとしたニワトリ、
それがきっかけでああなってこうなって……と思い出されて感慨ひとしおですわホンマにもう。
さて、この記念館の目玉というのが「マイカップヌードルファクトリー」なる、
具とスープを選んでお好みのカップヌードルが作れるというコーナー。
ちなみにこの記念館自体は入館料無料で、タダであれこれ楽しめるわけですけども、
しかし1個300円必要なこのファクトリーにえらい長蛇の列が出来てまして、
僕もそこに並んだわけですけども、
しかし休日とあってほとんどが家族連れ、それからカップルがチラホラってな客層で、
おひとりさまなのは僕ぐらいやなあ、
さすがにちょっと寂しいなあ……などと思ったりしてると、
ふと気付けば僕の前に並んでる家族連れ、
えらい子沢山やなあと思ってたけど、そのなかの男の子がなんか様子がおかしくって、
やがてお姉さんの案内でその家族連れが移動しても、男の子だけ残ってて、
それで思わず、
「なんや、君はあの家族と一緒やなかったんや」
って声をかけたら、うんって返事されて、
そしたらお姉さんが今度は「お2人さまですね?」って、僕と男の子を案内するから、
「じゃあ一緒に行こうか?」って言ったらまた、うんって答えられて、
そんなわけで成り行きでその子と一緒にカップヌードルを作ることになりまして、
お姉さんからは「お父様」って呼びかけられたりなんかして、
ホンマに即席、インスタント父子やなあなんて思いながら、
まずはカップにお絵描き。
その子はポケモンの絵なんか描いたりして、子供染みてるなあなんて思ったりなんかして、
それで訊いてみたらまだ9歳、小4のその男の子、
兵庫県川西市から自転車で来たそうな……と言っても、
川西はここ大阪府池田市と隣接してて、
冬ちゃんが電車で宝塚まで行くときに通過することになる、そんな川西の家からここまで自転車で5分くらいやそうで、
最初は学校からこの記念館に来たけど、自分だけのカップヌードルが作りたくて、
今日が7回目の来館になるそうな。
よっぽど好きやねんなあ、普段から食べてんのかって訊くと、
しかし、親には買ってもらえないそうな。
インスタント物は食べさせない方針のご家庭なんやろか、そこまで立ち入っては訊かなかったけど、
どうやらここへ来るのが彼にとってはカップヌードルを食べる唯一の手段みたいで、
それでわざわざひとりで来てるのかと思うとなんやいじらしく思えたりなんかして、
そんなこんなでお絵描きを終えて、カップに麺を入れて、具とスープを入れてもらって、
蓋をして……というわけで完成した僕のオリジナルのカップヌードルはこちら。



あまり春ちゃんに似てないのは曲面に描くのが難しかったからで……とかなんとか言い訳したりなんかして、
でもって成り行きでその後もその男の子と行動を共にすることになりまして、
そしたらその子がなんかこんなノートをもらって来て、



ここに書いてある問題に、館内を回って答えを見つけて行くわけですけども、
それが全22問もあるんやて。
正直、付き合わされるのはウンザリやったけどでも仕方なく付き合ってると、



「真空凍結乾燥法」って書こうとして、「カタカナ7文字」ってヒントがあるのを見ると、
それを丁寧に消して「フリーズドライ」って書き直したりして、子供らしい律儀さが微笑ましかったりなんかして、
そしてこの問題のヒントとしては、



こんな展示があったりして、ホンマにいちいちドラマのことが思い出されて仕方なかったんですけども、
そんな僕の感傷にはお構いなしに答えを探すのに夢中な男の子、
回って行くうちに第21問のヒントがあるのを見つけて、それを教えてやると、
「待って、今20問めやってるとこやから」って後回しにされて、
そんなん順番どうでもええやろってのに、子供らしい律儀さがアホらしかったりなんかして、
でもそうやって全問答えたそのノートを僕にくれたりなんかして、なかなか可愛いお子でしたわ。
それから一緒にゲームコーナーで遊んだり、シアターでカップヌードル開発を描いたアニメを見たり、
楽しく過ごしましたけどしかし、見ず知らずの子供とそんなことしてて、
もしその子の友達の親とかに見られたりしたら、どえらい不審人物に思われたやろなあって、
もしその子が女の子やったりしたら「シベールの日曜日」みたいなことになったかも知れんなあって、
後になってちょっとヒヤッとさせられたりなんかしたけど、
なんとかそんな事態には陥らずに無事に記念館を後にして、
池田駅前でその子と別れて、
さあいよいよ池田再訪の本格的スタート……と、この先はまた後日。
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粗挽きってぼそぼそらしい

2016-10-01 14:49:21 | 「てるてる家族」が歌ってる
しかし……今は何から書き始めたらいいのかまったくわからないんで、
とりあえずここ数日ちょっと感じてたことを書きますと、
そりゃ昨日の「ラブ・ミー・テンダー」の場面とか、よかったですよ。
よかったですけどでも、そないに急いでハッキリさせたりせんでもええんちゃうん?って、
頭の隅っこではそうも思ってたんですよねえ。
まあ当時は結婚する年齢も現在よりだいぶ早かったやろし、
留学する前に、冬子が幸せになるのを見届けたいという秋子の気持ちもわからんではないですけども、
でも何と言っても冬子も和ちゃんもまだ若いんやから、
それに差し迫って何か障害となるものがあるわけでもないんやから、
もっと自然の成り行きに任せてもええんちゃうん?って、
それこそなるようになるのを待てばええんちゃうん?って、
そうも思ってたわけですけども……

さて、今日の冒頭は夜更けの物干し、
照子さんがてるてる坊主をぶら下げてるところに、やって来る冬子。
秋子が留学するまで毎日3つずつぶら下げるって言ってた照子さんはそれをちゃんと実行してるわけですけども、
「そやけどなんで3つやの?
 どうせやったら4つぶら下げたってええやんか、
 娘は4人いてんねんから…」と不思議がる冬子はやがて、
「秋ちゃん3番目やから3つなんか」とひとりで納得するけど、
すると「もうあんたの分はぶら下げへんことにしたからねー」と宣言する照子さん、
なんで?酷いわ……と抗議する冬子に、
「あんたは昔から、自分で自分のぶら下げる子やったやろ?」
そして冬子と向き合い、肩を撫でてやり、
「これからも、自分でぶら下げたらええねんや、
 …あんたはそういう子ぉや」
そう言って微笑む照子さんに、
笑みをこぼし2度しっかり頷く冬子。
どちらからともなく額を寄せ合い……、
そしてふと気付くと夜空に舞い散る雪。
「冬子の冬や…」
「あたしの季節や…」
身体を寄せ合い、いつまでも夜空を眺める2人。

そして寝室では久しぶりに、
「ねえ〜、あんたぁ〜、起きてるぅ〜〜〜?」と、
寝てる春男さんを無理矢理揺さぶり起こす照子さん、
みんなこの家からいなくなる、冬子もそのうちいなくなる気がする……と、
どこへ行くねん?と訊かれ、
フランスパンから単純にフランスを思いつき、
フランスやったら一緒に行ってもええ……と妄想は広がる広がる、
そんな照子さんに、早く寝てくれとそっぽ向く春男さん。
「あんたはホンマに、あかんたれやなあ…」
これまた久しぶりに、
番組の当初の頃のようにそう言う照子さんに、
「子供と一緒に自分も巣立とうとする親初めて見たわ」
と言い放ってまたそっぽ向く春男さん。

「じゃーん!」と場面変わって、
工場で冬子が得意気に持って来る、ボウルいっぱいの粉。
「粗挽きの全粒粉や、これでパン・ド・カンパーニュを作んねん」と、
今度はフランスパンのヴァリエーションに挑戦しようとする冬子、
最初は乗り気でなかった春男さんも、工場長が賛成すると渋々同意し、
和ちゃんはもちろん手伝ってくれて……
「今、目の前にある今、
 その今に挑戦することが、きっとあたしの夢なのです、
 この今の先に、新しい今が生まれるのです」
と、やはり番組当初に聞いたようなことをナレーションで語る冬子。

続いて「そして春がやって来ました」と語られる今日は、
いよいよ秋子の旅立つ日。
お店には親族近所のごいっとさん勢揃い。
佐藤のおじ様とローリーからの秋子への言葉に、
いちいち茶茶を入れる冬子と、
いちいちそれに突っ込む春男さん。
その後、ひとりひとり入れ替わり立ち替わり、
秋子の前に来て声をかけてやり、
照子さんとはしっかりと抱き合い、
そして春男さんが差し出す封筒は、
「お父ちゃんの最後のへそくりや」
それを取り上げ、中身を覗こうとする照子さんを制し、
秋子に握らせてやる春男さん。
ついに秋子の目から涙が溢れ……
そして最後には、泣きじゃくりながら抱き合う冬子と秋子。
「秋ちゃん…忘れたらアカンで、
 あたしらは、いつまでも、仲良しの天才やで!」
「わかってる!」
「忘れたらアカン!
 絶対、絶対忘れたらアカンで!」
そんな2人は春男さんに促されてやっと身を離し、
やがて秋子を見送る商店街は筆舌に尽くし難い大賑わい。
「こうして秋子姉ちゃんはアメリカへ旅立って行きました」

さらにナレーションは続き、
「そして、あたしたちにも新しい季節がやって来たのです」
工場で仕事に勤しむ5人。
焼き上がったフランスパンが山盛りのバスケットを2つ、
和ちゃんから渡されてお店に運んで行く冬子。
「大阪のある町に小さなパン屋がありました。
 あたしは毎日、そこで美味しいパンを焼いています」
冬子が運んで来たフランスパンに群がる大勢のお客さん。
「この先、どんなことが待ち受けていようと、
 パンの香りに包まれていれば、きっとあたしは大丈夫、
 なるようになる」
そして画面はフェイドアウトし……

この後繰り広げられる場面こそそれこそ筆舌に尽くし難く、
本当にどう書いたらいいのかわからないんですけど……
とりあえずここで歌われる歌詞だけでも採録しておきましょうか、
作曲は宮川泰大先生による、
「若いってすばらしい」

♪あなたが滑り出したら
 グルノーブルに行ってくる
 からだ しなやかでやわらかい
 春子ってすばらしい

 あなたが台所に立ったら
 歌声が聴こえてくる
 だから 涙さえすぐに乾く
 夏子ってすばらしい

 夢は頭にいっぱい
 研究もしたいの
 普通の芸術家になるの
 ああ マンボが秋子を呼んでいる

 あなたがいつか言われた
 希望もないのに明るい
 だから 明るさが希望になるの
 冬子ってすばらしい

 夢は画面にいっぱい
 歌も笑いも
 やさしい涙もあるの
 ああ 後から評判呼んでいる

 あなたはいつも言ってた
 来週も天気になーれ!
 だから てるてる家族を見るの
 未来ってすばらしい

 だから なるようになればいいの
 若いってすばらしい
 若いってすばらしい

……秋子は新しい土地で生活を送ることになり、
照子さんにもこれから新たな青春が待っていそうで、
春子には新しい家族が、
夏子にも新しい歌が、
そして冬子にも……そう、
昨日の「ラブ・ミー・テンダー」は冬子の新しい人生の始まり、
ここからスタートなんですよね。
冬子の未来は如何なるものか、
どんな風になるようになるのか、
それは……

……皆のなかから前に駆けて来た冬子が語りかけます、
「皆さんにお話しできる物語はこれでおしまいです、
 この先はあたしたちにもわからないので、
 だから、あたしは思うのです、
 未来もきっと…」
そして集った一同が声をあげます、
「天気になーれ!」
そこでシャッターを切るのは、画面には初お目見えの写真屋の石川さん、
「冬子ちゃん、今日ははっきり目ぇ開けてたな」
「おおきに!」
そして現在の岩田家の家族写真に「完」の文字が出て、
連続テレビ小説「てるてる家族」第150回は幕を閉じました。
……そして僕は第151回を、
お店にパン・ド・カンパーニュが並ぶ場面を心のなかでひそかに思い描くのでした。

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