モヴィエ日記

映画の感想とか、いろいろです。

大さむ小さむのニューオータニ

2013-02-26 23:51:28 | Weblog
というわけでやって来たのはこちら。
この建物、かつては大里化学という企業のビルでして、
秘密結社スペクターへ宇宙ロケットの燃料の液体酸素を納入したりしてましたけど、
1967年、イギリスの諜報員によって九州にあったロケット基地が壊滅、
それとともに大里化学も廃業に追い込まれ、
現在はホテルニューオータニとして営業してるといういわくつきの建物でして、



裏に回るとちょっとした日本庭園みたいなのもあったりして、
コネリーさんも撮影の合間にこの辺を散策したんだかどうなんだか。
さて、このニューオータニには美術館もあるというので、
せっかくなので入ってみることに……と思ったけど、
これが館内のどこにあるのかよくわからん。
あちこちに館内図は掲げられてあるけど、
これが宴会場の場所を案内するためのものばかりで、美術館の場所はさっぱりわからん。
わからなかったら従業員に訊けばええやんってもんやけど、
しかしこのときは土曜日の午後、
どの宴会場も披露宴の真っ最中。
正装のお客さんがひしめき合ってて、
ウェディングドレス姿の花嫁さんもうろうろしたりしてるなか、
ひとり汚いジャンパーにジーパン姿の僕が非常に場違いに思えてしまって、
なんか訊くのが憚られてしまったりなんかしてねえ。
でも事前にサイトで調べてて、たぶんあの辺やろなあってところを目指してずんずん歩いていって、
やっとなんとかたどり着いたニューオータニ美術館。



美術館とはいっても小ぢんまりとしたフロアで、
20点あまり展示されてるだけでしたかねえ。
それも僕の知ってる画家といえばビュフェぐらいで、
あとはまったく知らん人の絵がずらり。
そして別室みたいなところがあって、
そこは掛け軸や焼き物など和のコーナーになってて、
でもいちばん強烈なのは創業者の大谷さんの剥製……じゃなかった、
あれは蝋人形なんですかね、
これがどの美術品よりも印象に残るという美術館でした。
ところでニューオータニへ行くにあたって、
最寄り駅はJR四ッ谷駅やってのは事前に調べてあって、
でも泊まったホテルが東京メトロ沿線のところやったもんで、
この日はメトロの1日乗車券であちこちうろうろしてたんですよ。
でもって、その1日券を見せるとニューオータニ美術館の入館料も100円引きというサービスがあったんですけど、
それで、メトロの四ッ谷駅からニューオータニまで歩く道すがらの寒いこと寒いこと。
気温が低いだけでなくものすごい強風が吹いてて、
もう上智大学の正門前で凍死してしまうんやないかと思うぐらいでしたよ。
それが帰宅してから改めてよく見てみたら、



こんな配置になってたんですね。
実はこの日、ニューオータニに行く前に銀座にいてて、
銀座一丁目駅から有楽町線に乗って、
永田町駅で南北線に乗り換えて、
それで四ッ谷駅からニューオータニへ向かったんですけど、
なーんや、永田町駅から行ったらよかったんかいなって、
あの寒い目に合ったのはまったくの無駄やったんかと思うともうアホらしいのアホらしないのって、
アホらしいんですけどね。
でも四ッ谷駅の近くでは、



「四谷見附橋」なんでしょうけど、
初めて見た瞬間「早く見つけよ」って言われてるみたいやったりして、
いやもう寒さのせいで判断力もすっかり麻痺してしまったりなんかして、
それでもメトロの1日乗車券であっちゃこっちゃ観光してまいりまして、
なかでは銀座線で渋谷駅に行くときのあの光景、
あれはすごかったですねえ。
「ブラタモリ」でもちょっと紹介されてて興味があったんですけど、
それまで普通に地下を走ってたのがいきなり高架に出てくるというあの衝撃、
それも僕が行ったときは夜でしたからねえ、
トンネルを抜けるとそこは光の洪水だった……って、
川端康成に劣るとも勝らない名文なんかこしらえちゃったりなんかして、
まあそんなこんなの1日でしたけど、
今回の旅の目的、メインイヴェントはこの翌日、
それは何かというと……と次回へ続く。
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何やってんどん

2013-02-21 23:07:42 | Weblog
2月15日から17日まで、東京に旅行に行ってきました。
「また東京かい!?」って声が聞こえてきそうですけど、
仕方ないですやん、行きたいイベントがあるんやもん。
そんなわけで、15日はまあとくに書くほどのこともなく、
ホテルで夜に「タモリ倶楽部」、



そして翌16日の朝は「王様のブランチ」と、
もうおなじみのパターンですな。
ちなみに去年の秋から週に2本ずつ放送してタイムラグ解消に努めた「タモリ倶楽部」、
今月からはまた週1本ずつに戻ったけど、
この日の放送分は大阪ではいつ放送になるんでしょうねえ?
EPGによると来週は別内容みたいやから、その翌週でしょうか。
ということは現在2週間ほどの時差があるわけで、
いまの編成のままやとプロ野球が開幕したらまたタイムラグが広がっていくことになりそうで、
この辺、ABCには抜本的な改革をお願いしたいところですけども、
それでも見られるだけマシな「タモリ倶楽部」で、
関西ではまったく見ることのできない「ブランチ」はもう涙ナミダのご対面。
ああ久しぶり、以前とまったく変わらない各コーナー、
そして愛しい愛しいユイカ様。
これをネットせずにトミーズ司会の番組を放送するMBSは頭がどうかしてるとしか言い様がないですなあ。
ああ毎週見たいよう「王様のブランチ」。



映画紹介コーナーのユイカ様の見事すぎるリアクションを毎週見たいよう。
でもこの日「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」のアン・リー監督のインタヴューが放送されてたけど、
そのなかで彼が、なぜ3Dで撮ったかって訊かれて、
「漂流シーンを70分も2Dで見るのは退屈だろう」って答えてたけど、
僕は2Dで見たけど充分楽しんだよ~。
いや、案外あっさりしてたなあって感はあったけど、
それは邦題の副題で漂流が227日間やってバラしてるし、
それがなくてもそもそも回想で語られてるんやから、
パイさんがいずれは無事生還するのはわかってるわけで、
でもアドヴェンチャー的な面白さよりも、
漂流やその後日談を通してパイが悟った人生観、
そっちのほうが面白かったりしましたからねえ。
だからアン・リーの言い草はちょっと単細胞過ぎるんちゃうんって感じで、
あんりー?って首を傾げさせられたりもしたけど、
それはさておきこの日ユイカ様が語ってた、ついてないエピソード、
電車に乗ろうとして線路に500円玉をいっぱい落としたっての、
なんてカワイイついてなさでしょうか。
それに比べて僕のついてない日は……そう、
この前日、15日の金曜日がむっちゃついてなかったんですよ~。
さっきは書くほどのことはないって書きましたけど、
やっぱり書いてしまおかいな。
もともとこの日は朝からエライ雨で、幸先悪いなあって思ってたけど、
それに加えて在来線のダイヤが少し乱れてて無事に新幹線に乗れるかどうかハラハラさせられたりして、
まあなんとか東京へはやって来られましたけど、
やっぱり雨で、しかも寒いこと寒いこと。
あまりに寒いので、温かいものが食べたいなあって思って、
目に付いた天丼屋さんに入ったんですよ。
「野菜天丼」なるものを注文したんですけどね。
で、待っててもお茶が出てこないんですよね。
それで周りを見渡すと、壁際にポットと湯飲みが置いてあって、
ここはセルフ式かと思ってそっちのほうに行きかけると、
「あ、こちらでやりますから」って店員さんが飛んできて入れてくれて、
それやったら早く出せよって思ったりしてると、
しばらくして2人連れの客が入ってきて、彼らが注文したのが「上天丼」。
と、やがて店員が「野菜天丼のお客様、もうしばらくお待ちください~」って言って、
先に上天丼を出しやがるんですよ。
ええ、確かに野菜天丼はメニューのなかでいちばん安いものでしたけどね。
だからって上のほうを先に出すんかい?
いやまあ、上天丼は海老が2匹乗ってるみたいで、
それに比べて野菜天丼はナス、カボチャ、レンコン、サツマイモ、シメジの掻き揚げ……他にもあったっけ?
とにかく具の種類では野菜天丼のほうが多いみたいやから、それで時間がかかったのかも知れんけど、
それにしても茶が出てこなかった件もあるし、
なんだかなあ~って感じで、
それでもまあ野菜天丼は美味しく頂きましたけども、
ところが食べ終わってしばらくするとムカムカしてきてねえ。
いや、後回しにされたのでムカムカしたんじゃなくって、
なんか胸焼けでムカムカしてきたんですわ。
油が合わなかったんかなあ?
それで寒いわ気分悪いわで、もう夕方のうちにホテルにチェックインして、
するとちょうどそのころからお腹のほうが大変なことになりだして、
トイレに頻繁に行く羽目になったりなんかして、
そんなわけでぐったりとベッドに横になってて、
夜のだいぶ遅い時間になってやっとマシになってきたんで、
でも刺激の強いものを食べるのは危険やなあってんで、
シャケ弁当なんか買ってきてホテルの部屋で食べたりなんかして、
いったい何をしに東京まで来たんやろ?って、感じで、
ホンマついてない日やったわあ~、2月15日。
でも翌16日にはすっかり回復して、
「ブランチ」を見た後お出かけ。
向かった先は……次回に続く。
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「スカイフォール」を根掘ぉーり葉掘ぉーり

2013-02-03 21:55:50 | Weblog
それで去年のうちに3回見た「007 スカイフォール」ですけど、
今年に入ってからさらに2回見てきましたよ。
合計IMAX版3回、通常版2回見たことになりますわ。
通常版のほうは2月に入ってからも一部の劇場で細々と上映が続くみたいなんで、
できたらもう1回ぐらい行きたいもんですけども、
しかしIMAX版はもう生涯見ることができないんやろなあって、
そう思うとスクリーンに頬ずりしたくなったりもしますけども、
で、今回は奈良ではなくって大阪の岸和田というところのシアターへ。
岸和田カンカンベイサイドモールというアウトレットモールのなかのシネコンなんですけど、
カンカンってなんやねん?と思って調べてみたら、だんじり祭りに由来してるそうで、
そう、岸和田と言えばだんじりの町、そして「カーネーション」の町。
あちこちにドラマのポスターやらがまだ貼ってありまして、
そんな駅前商店街を抜けてしばらく行くとモールにたどり着きまして、



「ベイサイド」というだけあって海には面してますけど、
そんなに眺めがいいわけでもなくって、ちょっとガッカリ。
それよりも南海地震が起きたらモロに津波に襲われるんやろなあ、
映画見てる最中にそんなもん来られたら逃げられへんやろなあって、
そっちのほうが心配になったりしますけども、
でも奈良は奈良で、活断層による地震の起きる確率が近畿地方でいちばん高かったりしますからねえ、
ホンマIMAX見るのも命がけやなあって感じですけども、
しかしこの岸和田のシアター、面白いのは客席の列の表示が後ろからABC順になってるんですよ。
だから今回、前から3列目の席で見たのにL列やて。
ヘンなの~。
その点を除けば場内の設備や映写環境などなどは、奈良のIMAXと大差なかったですかねえ。
ところでIMAXと言えば前に「スカイフォール」の字幕について、
IMAX版と通常版とで異なってるんやないか?ってなことを書きましたけど、
あれはまったくの僕の勘違いでしたわ。
ホンマ何を寝ぼけてたんやろってなもんですけども、
でも記憶だけに基づいて書くとなるといろいろと至らぬ点も出てくるのはまあご容赦いただきたいということで、
しかしそれよりもサントラの曲順、
前にも書きましたっけ、サントラ盤がどういうわけだか劇中で使用されてる順とはバラバラに収録されてたりしてまして、
これを何とかキチンと並べ替えたいと、その点にも注意しながら繰り返し見たりしてまして、
で、記憶に基づいてのことなので間違ってるところもあろうかとは思いますけど、
一応これまでの成果をば。

Grand Bazaar,Istanbul(サントラの1曲目)
The Bloody Shot(14)
まずは冒頭のアクションの2曲。
bloodyという語が単に強調の意味で用いられるというのは、これも前に書きましたけど、
本作と「砂漠でサーモン・フィッシング」で覚えたことなんですけど、
あれから注意してると結構いろいろなところで使われてるのを耳にしたりしまして、
本作でもこの冒頭の場面で、負傷した同僚の救護を無線で要請するボンドが、
「それでは遅すぎる!」とか言うところ、
「イッツ・ブラッディ・トゥ・レイト!」やったかな、そんな感じで言ってて、
あれは文字通りのブラッディやなあ、なんて思ったりしましたけど、
それよりもイスタンブールのグランドバザール、
前に、ボンドがアパートの外に出るとそこはバザール……なんて書きましたけど、
調べてみたら、イスタンブールのグランドバザールとは屋根つき市場のことなんだそうで、
だからボンドの動きをモニターしてるロンドンで、
「いまグランドバザールの屋根の上です」と言うのは、
イスタンブールのグランドバザールの特徴に基づいたセリフなわけなんですね。
まあそれよりも関西で僕ぐらいの年代の者で「グランドバザール」と聞くと、
あれは阪急ファイブやったか三番街やったかのバーゲンのCMを思い出しますよねえ、
♪ぐらんばざーる、ぐらんばざーあーあーーーーる!……っていう。
昔はバーゲンのCMも各店でいろいろと特徴があったけど、
最近はそういうのが少なくなってしまってちょっと寂しいようなねえ。
僕が好きやったのは京阪モールの、
「噂でモチキリ! 噂でモチキリ!」って連呼しながら餅を切るやつとか、
「トコトンお得! トコトンお得!」って連呼しながら小太鼓をトコトンと叩くやつとか、
あのシリーズ大好きやったんですけどねえ、また復活してくれへんかなあ……って、
スイマセン、話が脱線しすぎですね。
で、その冒頭のアクションが終わってアデルの主題歌があって、

Voluntary Retirement(2)
レイフ・ファインズ演ずるマロリーがMに辞職を促す場面。
そんなに辞職してもらいたかったら、来月から退職金引き下げるよって言えばいいのに……って、
いやだから話はもう脱線させませんけども、
その後のMI6本部爆破、
このとき、まずその近くで交通規制がされてて、
Mの乗った車も止められて、降りた彼女が警官に文句を言いかけたところでドッカーン……てなったけど、
あれ、あの交通規制はいったい何のために行われてたんでしょうねえ?

Enjoying Death(15)
この曲は印象に残ってないんですけど、
日本盤のタイトルの「”死”の世界へ」から、
そんなセリフがあった、ボンドがMの家で彼女と対面する場面の曲かなあ……と思うんですけど、
さてどうなんでしょうか。

New Digs(3)
日本盤のタイトルは「新居」で、MI6の新オフィスの場面。
そういえば「ディグ・ア・ホール」なんて歌があったっけ……と思って調べてみると、
digという語には地面などを掘る、穴やトンネルなどを掘って作るという意味がある他に、
とくにイギリスでは住む、居住するという意味でも使われるそうで、
だからチャーチルの地下塹壕に引っ越すMI6は二重のdigなんですね。

Day Wasted(10)
復帰するに当たって精神分析を受けるボンドがそれを打ち切り、
そして肩の下の辺りに残ってた銃弾の破片をナイフで抉り出す場面。
後でそれが劣化ウラン弾のものやったってわかるけど、
そんな物騒なものを2ヶ月以上も体内に宿したままで大丈夫なんでしょうかねえ?

Brave New World(5)
Shanghai Drive(6)
Jellyfish(7)
Qと対面したボンド、上海へ赴き……の、3曲。
ちなみにQとボンドが鑑賞する絵はジョセフ・マロード・ウィリアム・ターナー-解体のため錨泊地に向かう戦艦テメレール号-というもので、
この場面の会話を象徴するものですね。
ちなみに今年から来年にかけて東京と神戸でターナー展が開催されるそうで、
僕もあの絵の前でボンドになりきってみたりなんかしちゃったりなんかして。
それはそうとジェリーフィッシュってクラゲのことですけど、
なぜこの曲のタイトルがクラゲなんでしょうねえ?
向かいのビルのネオンの光がゆらゆら~って見えてるのがクラゲみたいってことなんでしょうか。
それともひょっとしてエレベーターの下にぶら下がってるボンドがクラゲの足みたいとか……?
よくわからんけど、この場面でひとつ思い出したのが、
僕は子供のころ……というか今でもですけど、ぜんぜん体力とか運動神経とかがなくって、
懸垂なんか確か1回も出来なかったんやなかったかと思うんですけど、
ところがそんな僕がある日の体育の授業で、
どれだけ長く鉄棒にぶら下がってられるかというのを競ったところ、
なんとクラスでいちばんやったんですよ、それもダントツの。
他のみんながしんどい、痛いと早々に諦めるなか、
僕はどれだけ時間が経ってもまったく痛いとか感じることなくぶら下がってられたんですよねえ。
いえ、これは話が脱線してるんではなくって、
この僕でもそうやったんやから、
体力テストの懸垂でゼーゼー言ってたボンドがあれだけぶら下がってられたのも決して不自然なことではないんやでって、
それを言いたかったのでして、
決して僕にも諜報員の素質があるとか、ダニエル・クレイグの後を継いで7代目ボンドを演じるのは僕が適任やとか、
いやいや何をおっしゃいますやら。

Silhouette(8)
Modgliani(9)
そしてシルエット処理も効果的なアクションと、
モディリアニの絵の前で微笑を浮かべる謎の美女。
しかしこの場面、あの狙撃もシルヴァの復讐の一環、
この殺し屋を追ってMI6の人間が来ることを意図したものなんですかねえ?
って言うか、ここで殺されたあれは誰?
って言うか、何もわざわざ向かいのビルから狙撃せんでもええんちゃうん?
あんな派手に割れたガラス、修繕すんのにどんだけかかるねんな。

Close Shave(17)
お次はマカオに赴くボンド、
ナオミ・ハリス演ずる同僚に髭を剃ってもらう場面の音楽……ですよねえ?
ええ、それに間違いないと思うんですけど、
ただ、この場面の最後でナオミ・ハリス演ずる同僚が、
「古株の再スタートね」って言うけど、
まさにそれをタイトルとした曲が日本盤のボーナス・トラックとして収録されてますよね。
原題はOld Dog,New Tricksという……で、
この曲はいったい劇中のどこで流れてるんでしょう?
って言うか、僕は最初、輸入盤を買ったんですよ。
そしたら日本盤のみボーナス・トラックがついてるってんで、
少し迷ったけどそっちも買ったんですよね、わざわざ。
そしたらその曲がひょっとしたら本編で使用されてないものかも……?って、
なんだかなあ~。

Komodo Dragon(13)
和名はコモドオオトカゲ。
主にマカオのカジノに生息し、肉付きのいい用心棒を主食とする。
稀に踏み台として利用されることもあり。

Severine(4)
クルーザーのシャワー室で謎の美女セヴリンとごにょごにょごにょ。

The Chimera(16)
そのクルーザー・キマイラ号が向かう先は、
解体のため錨泊地に向かうこともなく放置された軍艦島。
ちなみに島内でシルヴァが流す歌はシャルル・トルネの「ブン」。
そしてちょっとしたアクションの後、ヘリコプターが駆けつけ……と、
この場面でジェイムズ・ボンドのテーマがカッコよく流れるけど、
どういうわけだかサントラ盤未収録。

Quartermaster(11)
めでたくオフィスを与えられたQ、シルヴァのPCの解析に挑むが……と、
ここで駆けていくボンド、通路の角を曲がるときに、
手を壁についてたのがなんかリアリティがあってよかったですわ。

Health & Safety(18)
「衛生安全委員だ」と偽って走行中の地下鉄の車掌室のドアを開けさせるボンド、
混み合う車内で乗客たちを掻き分け掻き分けシルヴァを探し……と、
しかし「ヘルス・アンド・セイフティ」と聞くとなんか、
ミュージカル「四十二番街」の「ヤング・アンド・ヘルシー」って歌を連想してしまいますわ。
しかしどーでもいいけど日本盤ではタイトル表記が「衛星安全委員」ってなってますよ。
そりゃ衛星が安全でなかったらWOWOWが見られなくって困るけど。
そういえば昔は衛星の「食」の期間ってのがあって、
夜中にNHKもWOWOWもBS放送を休まなければならなかった時代がありましたっけねえ。
あれは太陽電池の改善で解消されたんでしたっけ。
そういえばこれも昔、衛星のトラブルで3チャンネルある送信機のうちのひとつが使えなくなって、
NHKの2つのチャンネルとWOWOWとで時間帯を分け合ってやりくりして放送してたこともありましたっけねえ。
それを思うと、今はデジタル化もされてBS・CSで大量のチャンネルを無事に送信できてるのって、
すごい時代になったもんやなあ~って、スイマセン、また話が脱線してしまって。

Grandborough Road(19)
と思ったら地下鉄も脱線。
さっきQに「使われてない駅だ」と言って、シルヴァのPCのパスワードに使うように言ってたの、
ということはこの場所がグランボロー・ロードの跡地なんでしょうか。
ブラタモリで取材してくれへんかなあ。

Tennyson(20)
Enquiry(21)
審問会の席で生身の諜報員の必要性を述べるM、
最後に引用するテニスンの詩。
ロンドンの街を駆けるボンド。
そこに流れる荘重なこの曲。
なんと荘厳な場面でしょう。
そしてパニックとなる審問会の場、
駆けつけたボンドと、マロリーと、ナオミ・ハリス演ずる同僚との連係プレイ。
言葉を交わすことなくとも、アイコンタクトだけでこの調和の取れた見事な動き。
唯一シームレスで収録されてるこの2曲、サントラ盤のなかでも屈指の出来栄え、
本当に聴いているだけで感動に身が打ち震えてしまいますわ。

Breadcrumbs(22)
これも涙なくして聴けない曲……といっても、
「カジノ・ロワイヤル」でのデイヴィッド・アーノルドのアレンジによるものなんですけどもね。
って言うか、盤中で唯一マトモにジェイムズ・ボンドのテーマが流れる曲のタイトルが「パン屑」って……。

Skyfall(23)
このタイトルではアデルの主題歌のインストヴァージョンかと思ってしまうけど、
それが聴けるのは別の曲、
こちらはスコットランドの荒涼とした光景にマッチした、
この後の展開をも予期させるかのような厳かな曲。

Kill Them First(24)
気が付けばずーっとサントラの曲順が映画の展開と一致してるけど、
これはボンド、M、キンケイドの3人で敵を迎え撃つ準備をしてるところの曲……でしたかねえ。
Mやキンケイドの作業は「ホーム・アローン」のカルキン君と変わらへんやんって、
誰ですかそんな失礼なことを言ってるのは。
真剣なんですよ、ホンマに。

Welcome To Scotland(25)
そしてやってきたシルヴァの手下どもを倒して、
「スコットランドへようこそ」とキンケイド。
その後、満を持して現れるシルヴァが大音量で鳴らすのはアニマルズの「ブーン・ブーン」。
きっと彼の愛読書は井上ひさしの「ブンとフン」でしょう。
しかしシルヴァの擬音好き(?)は徹底してて、
上下の唇を引っ付けてから勢いを付けて離して音を出してみるような、
文字では表現できないような擬音をいっぱい使ってましたねえ。
ネズミのエピソードともども、悪役の語りの魅力としてはゴールドフィンガーに匹敵するものがありますねえ。
我らがユイカ様もラジオ番組で2回にわたって本作について語ってらっしゃって、
とくにハビエル・バルデムやジュディ・デンチの演技には感服されたご様子で、
「バルデムのあのシーンはどうやってたんでしょうねえ」とかおっしゃってたのは、
たぶんあのシーンのことやと思いますけど、
ホンマ、どうやってたんでしょうねえ?
「楢山節考」の坂本スミ子は役作りのために歯を抜いたってのは有名な逸話やけど。

She's Mine(26)
The Moors(27)
繰り広げられる死闘……しかし"The Moors"というタイトルの意味がわからんのですわ。
シルヴァの手下たちがムーア人やったとか?って、そうは見えなかったような。
まさか3代目ボンドと関係もあるまいに。

Deep Water(27)
体力テストの項目には、ひざの裏で敵の首を絞め殺せるかなんてのはなかったでしょうねえ。
マニュアルでははかり知れないボンドの諜報員としての適性。

Mother(29)
多大なる犠牲を払って闘いは終わり……そして、
Motherの後はother Mの登場。
ところで僕がよく聞いてる朝のラジオの英会話コーナーで先日放送されたこれ、
Lesson90|英語で考えTIME!
「さらにこんな言い方もあります」で紹介されてるほうがまさに本作のラストシーンやないですか。
朝から嬉しくなってしまいましたよ。
でもこのシーン、あの書類の表紙に" TOP SECRET"って書いてあったけど、
あれが"FOR YOUR EYES ONLY"やったらもう最高やったのになあ……と思う今日この頃。
とはいえ、僕にとってもこの上なきプレジャーなラストシーンでした。

Adrenaline(30)
エンド・クレジットで劇中の様々な曲がメドレーで流れるという趣向はシリーズ初かと思うけど、
そのトップの「シャンハイ・ドライヴ」のヴァリエイションだけがこのタイトルで収録されてますけど、
正直なところ、なんで?って感じですかねえ。
どうせならメドレーすべて収録して欲しかったなあ。
って言うかそれよりもどうしてラストの銃口のロゴのところの「ジェイムズ・ボンドのテーマ」を収録してくれへんかなあ。
そんなにボンドのテーマを使うのが嫌なんかいな?ってねえ。
これはプロデューサーの意向なのかなんなのか知らんけど、
シリーズ初登板のトーマス・ニューマンももっとバンバンとボンドのテーマを用いて、
アルバムをそれで彩りたかったろうになあ……と想像してみるけど、
それでもいい仕事してくれてますよ、彼は。
アクションシーンは派手ハデに盛り上げてくれて、
抑えるところはキッチリと抑える、
聴きこんでいくとあのフレーズがこっちでも……なんてのも見えてきたりして、
いや実によかったですよ。
バリーやアーノルドとはやや異なるアプローチながら、見事なボンド音楽を創り上げてくれてますわ。
そしておそらく彼を引っ張ってきたであろう、監督のサム・メンデス。
彼の功績は本当にとてつもないものがありますねえ。
'90年代以降、ほぼ毎回監督を交代させてきたこのシリーズ、
それぞれに実績のある監督で、アクションもそつなくこなしてくれてるけど、
しかしそれぞれの個性というものがまったく窺えないんですよね。
それやったら一生ジョン・グレンが撮ってりゃええやんってなもんで、
監督を替える意義がまったく見出せなかったんですけど、
そこへ抜擢されたサム・メンデス。
かつてMの旧友が事件にかかわったり、MI6の諜報員が敵方についたり、
そういう趣向は以前にも見られたことですけど、
それらはあくまでもストーリーの背景、
007シリーズの枠内にとどまるものでしかなかったけど、
本作ではあえてその枠を取っ払い、人間ドラマをどっかりと軸に据え、
キャラクターの内面にも、そのアイデンティティを崩壊させることをも厭わずにとことん掘り下げていく、
あえてシリーズらしさをも捨て去ってしまうかのように迫って迫って撮り上げた、
その結果がこの上なく007シリーズらしいというこの奇跡。
007の、ボンドの存在意義を高らかに謳い上げてくれているこの感動。
サム・メンデスだからこそ成しえたこの名作、
「007 スカイフォール」。
本当に50周年の節目を飾るに相応しい、素晴らしい作品でした。


……それでSomeone Usually Dies(12曲目)はどこで流れてたんやろ?




絶滅危惧種のガングロギャル、岸和田に生息。
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