モヴィエ日記

映画の感想とか、いろいろです。

邪魔は壁なり

2007-12-28 10:23:37 | 「ちりとてちん」口三味線
さて、このドラマのデータ放送のコンテンツのなかには、
このような登場人物紹介のコーナーがありまして、
上の写真のように役柄と、


そしてリモコンを操作するとこのように、
演じてる役者さんのプロフィールが表示されるんですね。
これがヒロイン以下十数名分見られるんですけど、
この一覧の右下に「注目」というところがありまして、
ここにはその週の注目のキャラクターが表示されまして、
例えば先週なら土佐屋尊建と、彼を演じた波岡一喜さんのプロフィールが紹介されてたんですけど、
今週はいったい誰かというと……


壁って!


しかも壁のプロフィールって!
いったいこの壁をどんな悲劇が襲うのか……って、
それはまあ、今週分の予告の映像でわかってはいたんですけども。

それにしても小草若、
まさか喜代美に同居をもちかけるとは。
ホンマのことを言うとローンが……と、ちょっとフェイントをかけたりしてたけど、
もちろん本心は見え見えなわけですけど、
しかし彼はホンマ、見た目はあんなでアホ丸出しとはいえ根はいいやつですよねえ。
何度か書いてるけどチャラチャラしてるようでいて礼儀はわきまえてるし、
以前、鞄持ちに喜代美をつれてテレビ局入りしたとき、
偶然清海に出会って立ち話してる喜代美に、
「喜代美ちゃん、先に荷物置こか」って言ってた、
あれなんか好感が持てましたねえ。
これが師匠や普通の兄弟子なら「何してんねん」って叱るところを、
そう強く言えないのはもちろん惚れてるからやろけど、
しかし口調は優しいとはいえ、これでキチンと注意してるわけで、
そして喜代美もそれをキチンと理解するキャラクターですからねえ。
そんな小草若、
喜代美の、そして草々の気持ちを知っていながらのこの同居のもちかけ。
彼はきっと、人気に乗ってちょこちょこと女遊びはしてたやろけど、
真剣な気持ちで付き合ったことなんてなかったんやないでしょうか。
そんな彼の一世一代のアプローチ。
しかしそれは咲の「男こそが修行や」とのわけのわからん哲学によって、
草々の気持ちを確かめる手段に使われることになって……
すると本心を言い出せないもどかしさが生来の落語バカさと結びついて、
「ええんちゃうか」とか言ってしまう草々。
そんな彼に不満を爆発させてしまい、
成り行きで小草若に同居をお願いしてしまう喜代美……
ああ、そんな小草若の幸せが糠喜びに終わってしまうとは。

大晦日、喜代美の内弟子最後の日であり、そして誕生日。
朝っぱらからあの座布団がゴミとして捨てられてるのを見てしまい、
どん底まで落ち込む喜代美。
そのせいでその夜の「寝床」での忘年会(?)で、
「落語家なんかならんかったらよかった」とまた爆発。
いっぱい我慢してやっと年季が明けたと思ったらもっと辛い思いしないといけないなんて……と、
そんな喜代美の想いをしかし落語の修業のこととしか理解できなかったのか、
怒鳴りつける草々。
すると喜代美の爆発は座布団のことにもおよび、
そこで草々が本心を明かしてしまい……
「見たくないからや!お前が出てってまうのにお前が縫うた座布団なんか見て暮らしたないからや!」
そう言ってしまって一瞬後悔はした様子、
しかしそこまで言ったらもうこの際ってところか、
「ええ加減にせえよ、あんな薄っぺらい壁の向こうでいそいそ引越しの準備なんかしやがって」
もう本心さらけ出したも同然のこの逆ギレ的発言。
「いそいそなんかしとらん……」
すると涙混じりに喜代美、
「私かて見えんかった、あの壁の向こうで草々兄さんが何考えとんのか。
 あの壁が邪魔でなんも見えんのです……」
そんな喜代美にようやく思いを打ち明けようとする草々、
しかし彼の言葉を阻むのは除夜の鐘の音。
同じく、喜代美の言葉を阻むのも除夜の鐘の音。
ああ、邪魔は鐘なり。
……そんな2人の姿に、何やかやと理由をつけて去っていく周囲の人たち。
そしてひとり何も言わずに席を立つ小草若……
一度はOKしてもらったのになあ。
その上でそれがダメになるって余計に辛いよなあ。
でももうジタバタしても仕方なく、
そんな彼を賭けの勝ちを返上して慰めてやる四草。
みんないい奴やなあ。
で、そうやってお互いの想いがわかりあえてるはずやのに、
それなのに無言でそれぞれの部屋に戻る喜代美と草々。
いったいどうしたらいいのかわからない2人に、
小浜の糸子が口ずさむ「ふるさと」が届いたのか……
ああ、ついに壁を悲劇が襲う!
力任せに壁をぶち破って部屋を跨ぎ、
喜代美を抱きしめる草々。
「今日からお前が俺のふるさとや」
そして幼い日、梅丈岳で糸子に額と額をくっつけてもらった、
あのときと同じポーズをとられ、
そしてもう一度、抱きしめられる喜代美。
やっと取り払われた2人の間の壁。
しかし本当の壁は人の心のなかにあるもんやろなあ。
えー、まあそんなわけで、
僕は例の彼女の心の壁を取り除くことはできなかったけど、
でも夕べはいっぱいお喋りができてとても楽しかったよ。
何事もなかったかのように一緒にいて、
そして帰りの電車で、
この一ヶ月、短い間やったけどありがとうって言い合って、
それでお別れ。
いやあ、何とか醜態をさらさずに済んだだけでも自分としては上出来ですわ。
まあ唯一悔いが残るのは、
最後は「さよなら」とか言いたかったけど、
結局いつものように「お疲れさん」って言ってしまったことですかねえ。
最後に交わした会話がこれって……
あーあ……
でもそういう運命なんやろなあ。
喜代美は小浜に来ておじいちゃんと一緒に落語を聴いたときから、
草若師匠と、そして草々と出会い、
それでこうなる運命やったんやろなあ。
小草若はああなる運命やったんやろなあ。
可哀想な小草若。
可哀想な壁。
可哀想な僕。
いやいや、でも僕は幸せやったよ、ホンマに。
小草若にもそのうち幸せが来るやろなあ。
まあ壁は壊されたまんまやろけど、
そんなこんなでこのドラマもあっという間に3ヶ月が過ぎて折り返し地点、
しかしこんな急展開を見せてくれるとはねえ。
思いもしませんでしたわ。
こりゃこれからもませます目が離せませんわ、
というわけで年明けからはホンマに前みたいにしっかりとブログを書いていきますんで、
来年もどうかよろしくお願いいたしますです……しかし、
この一ヶ月の出来事はすべてブログを盛り上げるためのネタでしたよ~ん!
とか言うてみたりなんかして。
あーあ……。
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トイレは共同なり

2007-12-26 23:26:25 | 「ちりとてちん」口三味線
そりゃしゃあないですがな、大阪市内で月2万以下じゃあ。
というわけで年季明けと共に草若宅から出て行かないといけない喜代美、
「寝床」で聞かされた兄弟子たちの苦労話に大いにビビリつつ、
草々についてもらって物件めぐり。
ところがその草々、訪れたとあるアパートで、
本当なら部屋の奥の窓を開けて外の景色を確かめるはずのところを、
どういうわけだか入り口の横の小窓を開けて、
いま通ってきたばかりのはずの廊下の様子を確かめてみたりなんかして、
よっぽど動転してるんでしょうか、喜代美が出て行くことに。
そう、例の座布団繕い以来ずーっと彼女のことが気になって仕方がない様子の草々、
たった10円のイカ串を美味しそうに、幸せそうに食べる喜代美の横顔ですら、
もう愛おしくってたまらないようで……
そんな自分の気持ちを彼ははっきりと自覚してるんでしょうかねえ。
それともまだ戸惑ってる最中なんでしょうか。
一方の喜代美は喜代美で相変わらず、
2LDKの物件に草々との甘い生活を妄想したりなんかして、
ああしかしなんか久しぶりですかねえ、彼女の妄想が見られたのは。
やっぱりこれがないとこのドラマらしくないですねえ。
オマケにもうひとつ妄想というか、いやあれは悪夢ですねえ、
しかもその悪夢のなかで幻想が描かれたりなんかして、
そんなサービス満点のなかでひしひしと伝わってくる喜代美と草々の想い。
ああ、お互いがお互いを想いあってるってことにお互い気付かないんでしょうか。
傍から見てるともうもどかしくってもどかしくって……って、
でもそこで勘違いしてしまうととてもみっともないことになってしまいますからねえ。
ええ、そういう事例に最近えらい身につまされてしまったもんで。
いやあ、てっきり僕に気があるもんやと思い込んでたんですけどねえ。
ちょっと自惚れが激しすぎましたかねえ。
でもね、前にも書いたように、
先週辺りは彼女が僕のことを避けたがってる気配を感じたもんで、
だからもうあまりみっともないことはしないでおこうと、
昨夜は約1週間ぶりに会えたんですけど、始業時にはもう目を合わさないようにして、
仕事も別のフロアのほうに行って、休憩時間も彼女とずれるようにしたんですよ。
いや、気まずい思いをするぐらいならかえってそのほうがこっちも楽かなあ、って。
どうです、この大人な態度。
そうやって仕事も終わって、じゃあ帰ろうというときになって、
まあ最後に挨拶ぐらいはしてもいいよなあなんて思って、彼女に声をかけたら、
「ああー、どこに行ってたんですかあ?」なんて訊くもんやから、
「いや、今日はちょっと3階のほうに」とか答えたら、
「ええー、そうやったんですかあ、それでいなかったんですかあ」とか言われて、
それから彼女のほうから息せき切ったようにいろいろ話しかけてきてくれて、
そうなるともう、また前のように一緒に電車で帰りながらまたお喋りしてですねえ。
それでもう一緒になるのはあと1日、木曜日の夜だけってなって、
その日の休憩時間は一緒に過ごそうなって、今から約束なんかしてしまったりして。
でも彼女も即座にOKしてくれましたよ。
ああ、あんなことがあったのに。
って言うか、ホンマはやっぱり僕に気があるんやないかってまた勘違いしてしまいそうになったけど、
そういうんじゃなくって、彼女のほうも少しはもう会えなくなることを惜しんでくれてるんでしょうかねえ。
まあそんなところでしょうねえ。
いや、それだけで幸せですよ。
この歳になってそんな10円のイカ串にも劣るとも勝らないようなことで幸せを感じてていいのかってところですけど、
ああ、またつい長々と書いてしまいましたけど、
だから僕のことはおいといて草々、
別に二度と喜代美と会えなくなるわけやないのにあの悶々っぷり。
貧乏なひとり暮らしを始めなければならない境遇を思い遣る兄弟子としての態度と、
そしてそれ以上の想いが頭のなかでぐるぐるぐるぐる渦巻いてるんやろうなあ。
もう胸がきゅーって内側に吸い込まれそうな気分なんやろうなあ。
ああ、お互い辛いよなあ。
でもええやん、お前と喜代美にはまだ未来があるから。
それに比べて僕の未来は明日で終わりやがな……あーあ。
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喜代美この夜

2007-12-25 09:53:05 | 「ちりとてちん」口三味線
さて、徒然亭一門会は滞りなく続いておりまして、
四草の「崇徳院」、小草若の「鴻池の犬」、草々の「辻占茶屋」と、
それぞれに思い入れのある噺が続きまして、
その草々は例の座布団を使ってくれて、
さすが、座布団繕い女の効果覿面……じゃなくって、
喜代美の嬉しさもひとしお。
そして草原は「蛸芝居」を熱演し、
客席の嫁も笑いながら胸が熱くなり……と、
違いましたがな違いましたがな。
昨日、そうかなあと思ってた人と違いましたがな。
っていうかこの嫁、草原に収入があったときよりふくよかになってますがな。
いや、実は同じようにやつれててもそう見えるだけかもしれませんなあ、
夫が活き活きしてると嫁も元気に見えるという。
ってホンマかどうか知らんけど、
そしてトリの草若は3年前の一門会での欠席を詫び、
しかしそれを笑いにつなげて「愛宕山」。
……ああ、ホンマに見たかったですなあ、この一門会。
ヘタクソやったという小草若も含めて、全部通して見てみたいですわ。
何はともあれ、鞍馬会長も認める大成功の一門会。

そして打ち上げは「寝床」で、
12月25日ということもあってちょっとしたクリスマス・パーティ気分。
そこで草若から、喜代美の年季明けが正式に告げられるけど、
それがドサクサのうちやったことが大いに不満な喜代美。
また糸子に文句をつけるけど、
そこからまた喜代美の誕生日が大晦日ということが明かされ、
さらに僻み満点の思い出話に入る喜代美。
そこを糸子がまた話を横取りして出産時の思い出、
紅白の五木ひろしの「ふるさと」の話から、
ふるさととはただ生まれた場所のことではない、自分で作っていくものだ……と、
もう完全に糸子の独擅場。
しかしそのふるさと話は草々にも思うところがあったようで、
真剣な表情になる彼はついでに、
この人が義母になるのか……とまではまだ考えてないでしょうか、
とにかく糸子に見せ場をさらわれてムキになる喜代美。
なんか、彼女にとっての天災は清海よりもお母ちゃんやないかいな?
ともあれ喜代美にとっては最高のクリスマスの夜……やったのが、
草若師匠のひと言で、それも、
「出ていかなあっかーん」と例によって軽い口調のひと言で、
ガーン……としかし、
何でここで目線を交し合うのだ喜代美と草々。
あの離れが内弟子部屋と聞いて、
俺も出ていかなあっかーんのか……と思ったわけでもないだろう草々が、
喜代美を一瞬見つめ、そして目線を逸らすとは……
ああ、座布団繕いの効果はそこまで大きかったのか。
もうこうなったら早く行っちゃえ!……って、それは余計なお世話やけど、
しかし夕べはイヴの夜というのに仕事でしかも退屈な夜やったけど、
今夜、クリスマスの夜は久しぶりに会えるんだ。
いや、いまさら何をどうするわけでもないけど、
でもソーイングセットでも持っていこうかなあとか思ったりなんかして。
ああ、イエス様……。
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とき若狭なり

2007-12-24 13:53:25 | 「ちりとてちん」口三味線
さて、なんか私事ばっかりグダグダと書いたりしてしまって、
更新も不定期になってしまってますけど、
いつまでもそんなことじゃいけませんからねえ。
そろそろ以前のようなペースで再開していきましょうかねえ。
というわけでいよいよ天狗座での徒然亭一門会も間近に迫りまして、
と、拭き掃除してる喜代美のことをじっと見つめるのは草々。
先日のあの一件以来、彼もようやく喜代美のことを意識するようになったようで……
しかし単純な奴ですなあ。
弱ってるときにちょっと優しい言葉かけられたらそれだけで惚れてしまうんかいな。
いやしかし、男って皆そんなもんかもしれませんなあ。
そういえば例の彼女の件でも最初は、
おっ、なんと若い子がいるやんかぐらいにしか思ってなくて、
別にそれ以上の関心はなかったけど、
でも言葉を交わしてみたらとても惹かれるものがあったんですよねえ……って、
いや、その話題はもうおいといて、
その草々が捨てといてくれと置いていったゴミ袋の中身は、
犬に食いちぎられたあの座布団。
でもってそれを繕う喜代美を奈津子が訪ねてきて、
破門になってないと知ってガッカリしたり、ボタン付け女を罵ったりの展開。
なんや久しぶりの賑やかさって感じですなあ。
でも喜代美が草々とのことをいちいち奈津子に報告したり相談したりしてたの、
なんでそんなことベラベラ喋るんやろなあって思ってたけど……
いやあ、喋りたくなるもんなんですなあ。
もうしょうがないですなあ、これは。
あ、ちなみに僕も2回ほど、女の子にボタン付けてもらったことありますわ。
なんてのは大昔のいい思い出で、
今のワタクシは満身創痍んぐせっと持ち歩き。

などと言うてるうちにいよいよ一門会の当日。
ガチガチに緊張してる喜代美に、
草若がかける言葉がよかったですねえ。
でもって、小浜から出てきた家族一同も見守るなか、
堂々と「ちりとてちん」を語る喜代美の姿。
正典や糸子の脳裏をよぎる3年前の喜代美の姿と比べて、
なんと成長したことでしょうか。
いやしかし、先週はそれが成長しすぎとちゃうの?なんて思いが強かったけど、
今日のような高座でのこの成長っぷりはやっぱり嬉しいですねえ。
でも半年の長丁場のドラマなんやから、
もうちょっと成長するまでをたっぷり時間かけて描いてくれても……とかも思えたりして。
まあその辺は今後の展開が楽しみなところですけどもねえ。
もうあの座布団はいいと、実父への思いを断ち切ったかのような草々、
しかし喜代美が繕ってくれたその座布団を見つけて、
はてさてこれからどうなりますことやら。
……で、今日いちばん気になったのは実は草原の嫁。
久しぶりに彼女の名前がクレジットされてたのに、
たぶん客席にいたんやろけど見つけられませんでしたがな。
それで繰り返し見てみて……あれですかねえ、
正典の後ろに座ってた女性。
なんか、以前はちょうどええやつれっぷりやったけど、
さすがに夫の収入が途絶えたのが響いてるのか、
かなりこの……いや、
しかし我が夫の晴れ舞台を見られるとは最高のクリスマスでしょうねえ、嫁として。
それに比べてこのワタクシめはといえば。
せっかくよそ行きのコートをクリーニングに出したのに、
着る当てもなくそれを引き取りにいく虚しさよ。
あーあ。
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一門殴り合ってまた一門会

2007-12-22 09:51:19 | 「ちりとてちん」口三味線
というわけで草々の破門も取り消されて徒然亭一門勢揃い、
メデタシメデタシ……という今週でしたけど、
う~ん。
なんかこれまでとはちょっと肌触りが違う印象を受けたというか。
まず違和感を感じたのは、草々が尊建を殴ったと知ったときの喜代美の態度。
仮にも想いを寄せる相手ならもうちょっと考えてやれよって感じてしまったんですわ。
それはその想いを封印してこの2年間内弟子修行に励み、
落語家として、徒然亭一門の一員としての自覚を持ったから、
それだけ喜代美が成長したからってことなんでしょうけど、
そう筋道は通っても、なんかやっぱりしっくり来ないんですよねえ。
なぜなら喜代美のアホ度がグンと下がってしまってるから。
彼女のアホっぷりが見られない上に小浜の糸子たちのエピソードもうんと少なく、
いつもと比べて笑いが少なかったのが物足りないですねえ、やっぱり。
まあそんな喜代美が草々を責めたのは間違いやったとすぐにわかるわけで、
そういう意味ではまだまだ成長が足らん、アホも残ってるといえなくもないけど、
しかしかつての徒然亭一門復活の際には喜代美や糸子の大いなる尽力、
アホならではの引っ掻き回しによって誰もが思わぬ復活となったわけですけど、
今回は小次郎が偶然草々を見つけて喜代美がそこへ行っただけ……と言えなくもないですからねえ。
とはいえそこで草々がうわ言でもらした本音、
子供のころからずっと抱き続けていた不安。
それを聞いた喜代美が膝枕で優しく見守ってやる場面はよかったですけどね。
よかったけどやっぱりしっかりしすぎかなあ、とか思ったりして。
しかしこの草々と小草若のいがみ合いの背景にこんなドラマがあったとはねえ。
お互いそれぞれに相手を羨み、そして寂しさを感じてたんですねえ。
だいたいこのドラマは悪人が出てきませんからねえ。
清海にしろ秀臣にしろ、ヒロインとその家族にとって頭の痛い存在ではあるけど、
しかし相手を悪役に仕立ててこちらが善玉になろうってな、そんな単純なお話ではない、
そこにこそこのドラマの魅力があるわけで、
とはいえあの鼻毛までもが実はいい奴になろうとは。
っていうか、最初っから鼻毛伸びてなかったやんか。
とまあそんなわけで、笑いは少なかったものの見応えのある今週ではありましたけども、
そのなかで僕の心にいちばん響いてきた部分は……ああ。
喜代美の想いは草々に向けられてると知りながら、
自分にはないとわかっていながらいきなり彼女を抱きしめてしまう小草若。
そして強く拒絶されてもなお諦められないその往生際の悪さよ。
さらに喜代美を「寝床」に誘う、これは兄弟子という立場を利用すればこそのものなのか、
そこで草々への確執を語り同情を惹いてみたり、
さらにストレートに切り出してみたり、
その上そんな一部始終を「寝床」のメンバーたちに解説されたり、
そんなことをしてどうなるもんでもないってことぐらいわかりそうなもんやのに、
そうせざるをえない小草若……ああ。
でも男にはそうしたくなる夜があるもんやねんなあ。
うん、よくわかるよ。
っていうか、考えてみれば僕が例の彼女と会ってるのは夜だけやねんなあ。
いっぺんでええから昼間に会いたいんやけどなあ……あ、
いや、いつまでもこの話題でいい加減ウンザリされてることでしょうけど、
でもねえ、この前はああやってダメになった後も仲良くしてもらってるって、
そんな風に書きましたけど、でもその後、
やっぱりぎこちないというか、
いや、明らかに避けたがってますわ、僕のことを。
それはそうでしょう、もちろん。
それぐらい僕もわかるから、決して必要以上に近づいたりしないようにはするけど、
でも仕事上、どうしても一緒になることがちょくちょくあって、
そんなときにはやっぱり、ちょこちょこと会話を交わすうちに彼女も笑顔を見せてくれて、
そうなると打ち解けた会話になってしまって、
また帰りしなにお喋りしたりして……と、
そんなことになるからこちらも未練が残ってしまって、
でも次に会ったときはまた避けたがってる雰囲気から始まって……と、
そんなことの繰り返しで、なんか余計に尾を引いてしまいそうでねえ、
いやはや。
まあそんなこと言うてるうちに、彼女と会えるのも後2回のはずですわ。
最後の日には……いややっぱり、
何事もなかったかのようにあっさりとサヨナラせな、ねえ。
でもさあ、彼女の携帯の番号は残ってるわけでさあ、
これを発信したくなる衝動を抑えないとアカンのはよぉ~くわかってるけど、
でも思い切って削除する勇気はないわけで、
ああ、こんなことで悩んでしまうのもグラハム・ベルが電話を発明して以来シャ・グレイやなあって、
しかしだんだんとストーカー日記の様相を呈してきてはいないでしょうか……?
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恋の相手の居ぬ

2007-12-18 10:05:12 | 「ちりとてちん」口三味線
さてさて、しばらく更新をサボッてる間に2年の月日が流れてしまいましたよ。
感動的な別れを交わした清海は東京へ行き、
しかしその後はあまり恵まれてなさそうなのが気になるけど、
でも草若一門は着実に人気を伸ばしていって寝床寄席も大盛況、
ついには天狗芸能への復帰も叶おうかというところでしかし、
この2年の間に急速に人気が落ちぶれていったらしいのが小草若。
彼は見た目や芸風はああでも、キチンと礼儀正しく挨拶できるところが好感が持てて、
鞍馬会長にもちゃんと挨拶しに行ったのにあの仕打ち。
それに草々から説教され続けたりやらが重なってグレてしまうのもわかりますわ。
なんか自暴自棄になってしまって何もかも放り出してしまいたい彼の心境を思うと……
そう、僕ももうこのブログなんかやめたろかいなって思ったりなんかして、ねえ。
というのも……はい、察しのいい方ならもうおわかりでしょうけど、
例のクリスマスの約束ねえ。
あれ、キャンセルされてしまいました。
いやあ、まったく。
単なる同じ職場の話し相手としての好意をそんな風に勘違いしてしまうとは。
しかもこの歳になって、15歳も下の相手に対して。
ああ、なんて情けない。
その上そんなことをこういう公の場に書いてしまうこの浮かれ様。
さらにその彼女に気を遣われる始末……そう、
そんなことがあってムチャクチャ気まずいのに、
相変わらず休憩時間とか帰りの電車とかでお喋りしてるという……
いや、これは無視しあうほうがかえって気まずいからそうしてるだけなんでしょうけど、
でも夕べはお菓子ももらったりなんかして、
ああ、なんか僕って幸せなんやなあってつくづく思えてきて。
いえ、お菓子もらえるのが幸せなんやなくって、
そうやって気まずくならないように、傷つかないようにと配慮してもらえる、
それだけでとても幸せやなあって思えてしまいますわ。
いや、ホンマは僕がうんと年長なんやからしっかりせなアカンのですけど、
とにかくそんな気遣いがとても胸に染みる今日この頃。
そんな日にあの「鴻池の犬」のイメージ映像……
もう涙が溢れてたまりませんでしたわ。

先週の話になるけど「話のできる天災」と向き合って、
本当に清海と心からわかり合えた喜代美。
そんな彼女はこの2年間、草々への想いを封印し、
落語の稽古に精を出してネタの数も増やし、
さらに三味線まで上達して草々に褒められて……
この2年で大きく成長した喜代美。
それもこれも人との関係、話のできる他者との関係のなかでの成長なんですよね。
そもそも落語の稽古の根本をわかってなかった四草も、
高座での失敗という苦い経験を経て、草若師匠から懇々と諭されて……
そうやって人間は成長していくもんなんですね。
清海も小草若もいまは不遇のようやけどそれを糧としてやがては成長していくことでしょう。
そしてこれから草々も何やら騒動に巻き込まれてしまうみたいやけど、
そんななかであの座布団にまつわる謎、
彼と、草原の「鴻池の犬」との因縁なども描かれていって、
そんなエピソードを通して彼もまた成長することでしょう。
そういうのが描けるのも喜代美が落語家としてある程度成長したから、
ヒロインの苦労話が一段落ついたからなんですよね。
2年が経った喜代美の高座姿のなんと堂々としてることか。
そうやっていろんな人たちが成長していく姿を綴っていくこのドラマ、
やっぱり最高のドラマですわ。
まああの鼻毛は成長するのかどうか知らんけど。
って言うか、成長した鼻毛は切られるだけやん……とかいうたりして、
あ、そうそう、今頃になってようやく僕のダジャレで笑ってくれるようになったんですよねえ、彼女は。
これも気を遣われてるのかなあ……?
いやまあそれはともかく、
今はまだブログを書くのに集中できる精神状態やないんですけど、
でも必ずまた以前のように書いていきたいと思いますんで、
そのときはどうかまた読んでやってくださいませ。
お願いいたします。
今はこんな情けない状態ですけど、
僕もこの経験を活かしてきっと成長してみせますんで。
……ったって、もうそんな歳やないんですけどねえ、ホンマは。
既に成長しきってやなアカンのに、ああ。
まあこんな僕でも40歳になったら小次郎みたいな出会いがあるかなあ……?
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クリスマスは覚えてるころにやってくる

2007-12-14 09:25:09 | 「ちりとてちん」口三味線
ああ、喜代美はなんて幸せ者なんやろ。
草若師匠に向かって、自分は性根の腐った最低で最悪の人間やなんて言ったりして、
こういうのって穿った見方をすれば、それを否定してもらいたくて言ってるようなもんですよねえ。
やはりそう思ったからかどうかはわからんけど、そんな喜代美のことを厳しく叱り飛ばし、
それから優しく、温かい言葉で諭してやる師匠。
そんな師匠の勧めもあって、寝床寄席を休んで天災と向かい合う喜代美。
清海に対して、子供のころからの想いのすべてを明かし、
「草々さんの傍におったげて」と頼み……
そう言われた清海の返事は描かれてないけど、恐らく相当に当惑したことでしょう。
そして、どういう理由でか小草若から喜代美の想いを教えられた草々も……
まるで喜代美がふっ切れた分、重いものを背負わされたかのようなこの2人。
しかしそれは喜代美から押し付けられただけには留まらず、
そのことによって清海も草々も成長することでしょう。
そう、寝床寄席の草原の高座が成功したように……サゲを除いて。
昨日の回で稽古に身が入らない喜代美を叱責した草原。
今日の回ではその他の弟弟子たちも軒並み叱り付け、
しかしそのことによって兄弟子としての責任感が増し、
見事に「天災」を語り通す草原……サゲを除いて。
そんな兄弟子や師匠に導いてもらえる喜代美はなんて幸せ者なんやろ。
そんな喜代美の未熟さによって、清海も草々もきっと変わっていくことでしょう。
その果てに3人の関係がどうなるのかはわからないけど、
でもきっと、それぞれに大きく成長していくことでしょう。
そんな関係を落語という芸、落語家という職業を通して描いていくこのドラマ……
ああしかし、それに引き換えこの僕はというと、
この素晴らしいドラマの感想を毎日綴るという他では味わえない素晴らしい機会を得ているというのに、
自分のことにうつつを抜かしてそれを疎かにしてしまうとは、なんてもったいない、
なんて失礼なことをしてしまってるんでしょう。
本当に恥ずかしい話です。
いつまでもこんなことじゃいけない、そろそろ身を入れて本格的に再開しないと……ねえ。
でももうちょっと、もうちょっと待ってくださいな。
これが目出度くうまく行くとか、きっぱりダメになるとか、
どっちかはっきりすればこちらも気持ちを切り替えられるところでしょうけど、
その辺がまだなんとも……というのもですねえ。
夕べの休憩時間、お互いの勤務と休日の日程を照らし合わせてですねえ、
するとクリスマス前に共に休日になるのはたった1日。
その日に一緒にどこかに出かけようって、思い切って誘ってみたところ……
さあ、そこは準備万端、
OKがもらえても、断られても、どっちでも大丈夫なようにシミュレーションはしておいたんですけどね。
ところが返事は……
「う~ん……考えさせてください」
やて。
ええええええええええ~~~~~っ。
これはいわゆる婉曲表現なのか、それとも本当に考えたいのか、
どっち何やろと思いをめぐらせ、
ともあれここであっさり引き下がるわけにも、しつこく食い下がるわけにもいかず、
でもなんやかんやでとりあえずは携帯の番号を交換し合うことに成功し、
そしていつものように一緒に電車で帰りしな、
彼女の降りる駅に着く直前に、もう一度誘ってみたところ、
何とかOKしてもらえましたよ~~~~~ん。
いやあ、一時はどうなることかと思ったけど、
いやしかし、これは実は彼女も奥手のほうやないかと思うわけですわ。
だから本当に迷ってたのでは、と。
これが都合のよすぎる解釈かどうかは今はひとまずおいといて、
さあ、どこに行こうかなあ~っと。
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なんかしてけつかんねん、うちは神経が繊細で悩んでんねん

2007-12-13 19:02:00 | 「ちりとてちん」口三味線
いやしかしここ数日の喜代美は見てて辛いですなあ。
って、浮かれてる僕が言うのもなんですけど、
でも僕もこれまでの人生の大半がいまの喜代美のような立場やったですからねえ。
だから喜代美の気持ちはよくわかって、
辛くて仕方なく、しかしそれと同時に羨ましくもありますわ。
清海を東京へ行かせて草々と引き離そうとする彼女の姿は、傍からはとても見苦しいもんですわ。
ええ、僕はああいうことはできません。
あそこまでやると自分が惨めになってしまうから、おとなしく身を引いてしまいますわ。
彼女自身もそのことは自覚してて、だから自己嫌悪に陥ってるけど、
それでもああいう行動をとらざるをえない、
その想いの強さが羨ましくもありますわ。
とは言うもののやっぱり、草々があそこまで清海のことを想ってるわけですから、
喜代美の想いは強ければ強いほど、やはり見てて辛くて……
というわけで師匠に破門してくれと申し出てしまう喜代美。
そんな彼女の行動がどんな波紋を巻き起こすことやら……って、
やっぱりちょっと身が入ってないのでオチがいまひとつですねえ。
え? いつもと同じやってですか?

いやしかし、先日は調子に乗って本当に恥ずかしいことを書いてしまいまして、
ほんであんなことを書いてしまったらその後の経過も報告せなならんかも知れんけど、
いちいちそんなことしませんからね。
そんなプライベートなことを何でこんなところで逐一。
まあでも、僕も本当は草々のような奥手な男でして、
だからこういうことには時間がかかる性質なんですけど、
でも今回は期間限定というか、タイムリミットがあるわけですからねえ。
今月中に何とかしないと連絡取るのも難しくなってしまうと思われるわけで、
でもイベントを控えたこのシーズンにどこかへ誘うのはやはり相当気恥ずかしかったりして、
しかし今夜は3日ぶりに彼女と会える日で、
そろそろここらで思い切って、
とりあえずはクリスマスのころのお互いの勤務の日程を照らし合わせて、
休日が重なった日に一緒にどこかに出かけませんかって誘ってみようかなあ……なーんて、
さて、どう切り出そうかなあ……。
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恋愛も忘れたころにやってきた?

2007-12-12 00:17:22 | 「ちりとてちん」口三味線
さて、2日分まとめての更新となってしまいましたけど、
この2回分の動きとしては簡単にまとめると、
清海から喜代美への、そして秀臣から正典への、
両和田家の親同士、子同士の関係が描かれてるわけですけどね。
しかしこの秀臣は、大量注文を発注したことを黙ってられへんのかいなって思ったけど、
でもこれが単なる好意からの行いではなかったんですね。
自分の利益を考え、そして正典の利益にもなると判断した、
彼なりの合理的な考えによる行いなんですね。
そこには決して悪意はないでしょう。
しかしあまりにも相手の気持ちを無視した行いは反感を買わないわけがない、
その辺の判断が出来なかったんでしょうか。
いや、出来てはいるけどそれでもああすることが理にかなってると判断したんでしょうか。
でも実際、彼の言い分が間違ってるとは言い切れないところがあるから、
また難しいんですねえ。
現に伝統を受け継ぐってのは大変なことで、
例えば伝統芸能といったって、落語はまあ別にしても、
能や狂言や文楽といった辺りは公的な援助がないと続けていくのが難しいみたいですし、
その辺を割り切って考えられる秀臣には、
正典が言うところの竹谷の後ろめたさのようなものはまったくないんでしょう。
そして清海にも喜代美に対しての後ろめたさはあるはずがないですよねえ。
だって喜代美の草々に対する気持ちになんかまったく気付いてないんですから。
我々は視聴者として喜代美の立場に立ってこのドラマを見ているから、
清海のことはヒロインにとっての障害物の役割として見てしまうけど、
でもやはり悪意のない清海のことを責める筋合いではない、
ないけどしかし、じゃあこれでええんかいなってわけでもなく……。
今日の回で清海が鈍いってことに順子が気付くという場面があったけど、
そう、この2人がそんなに親しくしてる場面はなかったと思うけど、
それでも小学校からずっと知り合いやったのに、
性格のそんな根本的なところに気付かれてなかった清海。
これは恐らく彼女が常に受け身やったからでしょうねえ。
社長令嬢やからかどうかは知らんけど、幼いころから周りに人が寄ってくるような彼女は、
恐らく自分から誰かに働きかけたりするようなことはなかったんでしょうねえ。
それの恋愛面における表れは、今日の回の冒頭の喜代美とのやり取りのなかで面白く描かれてたけど、
相手からの働きかけに反応してさえいればよかった清海。
しかし大人の階段を上りつつあるお年頃ともなればいつまでもそれでやっていけるわけもなく、
そんなときに草々と出会って彼女も変わりつつある。
そしてそんな彼女に喜代美もやはり、
今までやったら最初っから諦めてたところかも知れんけど、
いろいろ揺れ動きつつはあっても決して諦めはしない。
それは往生際が悪いとかいうのではなく、
むしろ清海への対抗心すら見せつつある。
そして草々の気を惹くために清海の言葉を引用するといった、
いわば卑怯な手まで使ってみせて……
喜代美も清海も今までとは変わりつつある、
その成長は、ひょっとしたら子供らしい純さが失われていくことになるのかもしれないけど、
でも今はそんなドラマをとても興味深く見守りたい、
喜代美の恋の行く末を、結果がどうであれとにかく温かく見守りたい、
そんな気持ちでこれからも見続けていきますけど……

しかしねえ、
正直言って、今は自分のことで頭がいっぱいなんですわ。
というのもですねえ……あ、
ここから先はドラマとまったく関係ない私事になるんで、
興味のない方は読み飛ばしてくださって結構ですけどね、
えー、今年いっぱい泊まり勤務の仕事に就いてるってことは何回か書きましたけど、
ホンマはものすごく嫌やったんですよね、そんな部署に行くの。
それでも仕方なく行ってみたところですねえ……
なんとなんと、そこでひとりの女性と知り合いまして。
ええ、まったく思いがけないことに若い女性がひとりいまして。
それでですねえ、なんか喋ったりしてるうちに仲良くなりましてねえ。
休憩時間に一緒にお茶飲んだりとか、帰りも電車でずーっと一緒に話してたりとか、
なんかまるで高校生みたいな爽やかなことやったりなんかして。
いや、これは仕方ないですよ。
普通の昼間の仕事なら、終わった後に食事しましょうとか飲みに行きましょうとか誘ったりも出来るけど、
夜勤明けの早朝ではそういう雰囲気やないですからね。
だからなかなかこの、どうしたもんかいなってところなんですけど、
でも夜勤は休日が不規則やったりするんですよね、
すると彼女のほうから、
今度はいつ出勤ですか?私はいついつですから、じゃあ次は○日に会えますね……なーんて、
そんなことを言ってくれるんですよ。
これって……やっぱり、そうなんでしょうかねえ?
いや、他にもそう思われる節がいくつかあって、
これが僕の思い過ごしではないことを願うばかりなんですけど、
まあそうこう言うてるうちにクリスマスなんか来たりしますよねえ。
ここはそろそろ一歩踏み出さなアカンところなんですけどねえ……
いやしかし、先にも書いたように彼女は若いんですよねえ。
まだ20代前半ですよ。
僕とは15歳も離れてるんですよ。
そんなんまったく経験がないんで、ちょっとこの、
ものすごーく悩んでるわけですわ。
でも、自分で言うのもなんですけど僕は若く見えるほうなんで、
現に彼女も20代後半やと思ってたって言ってたし、
だから彼女も僕のことをそういう対象として見てくれてるんやろなあって、
そして15歳差があるってことがわかった後も仲良くしてくれてるし、
これはやっぱり……OKなんでしょうかねえ?
まあそんなわけで、正直言って今はブログの更新に集中できないんですわ。
今後は毎日はとても書けないと思いますけど、いやまあ、そういうことで。
……あ、それともうひとつ気がかりなことが。
彼女ねえ、僕のダジャレにあまり笑ってくれないんですよねえ。
これはやっぱり、アカンのですかねえ……?
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雷鳴のある落語会

2007-12-08 11:36:57 | 「ちりとてちん」口三味線
というわけでいよいよ喜代美の2回目の高座の当日。
本日の寝床寄席の演目は……

若狭「ちりとてちん」
四草「七度狐」
小草若「寿限無」
草原「饅頭こわい」
草若「高津の富」

この「七度狐」というのはキツネに騙される2人連れの噺なんですけど、
それを四草が演じるというのがちょっと意外ですねえ。
あの算段の四草が騙されるアホをどんな風に演じるのか見てみたいんですけどねえ。
しかし小草若は……来年の3月までずっとそれかい。
まあそんなわけで準備のためか、師匠宅と「寝床」を行ったり来たりの喜代美、
ところがふと空を見上げると、どんよりとした黒雲がお陽ぃさんを覆い隠し、
何やら雲行きが怪しそうな。
やがて「寝床」の表で、これから天狗座に行くところの草々とばったり。
高座を聴いてやれないことをすまながりつつ、
稽古した分上手くなってるはずやと喜代美を励ます草々。
いやホンマに、落語に関しては申し分のない先輩なんですけどねえ。
いやホンマに。

一方、小浜でも雲行きの怪しいなか、
糸子がめでたく百日参りの満願達成。
「ちょっとでええさけお客さん笑わせたってください、
 ほしたら喜代美かて自信つきますやな、
 ほしていつか立派な落語家になれますやな」
場所は近くで済ませてはいても、真剣な糸子の願い。
さらに拍手を打って念仏まで唱えたりして……
すると雷鳴が轟くのはこれは天罰なのか。
そもそもお地蔵さんに拍手打つもんやったっけ?

そして喜代美の落語を聴きにいこうと、
友晴の車で大阪へ行く途上の順子は、
しかしガス欠でどこかの山中で足止め。
ひょっとして喜代美と顔を合わすのが嫌でわざと……?との、
順子の勘ぐりは当たってるんだかどうだか。
っていうかそれ以前に、
何で御曹司の友晴があんな大衆的な魚屋食堂に来てたんでしょうかねえ。
まあともかく不穏な空気に包まれていよいよ開演……

前回のあの失態にもかかわらず満場の温かい拍手に包まれて、
高座に上がる喜代美はしかしまたガチガチに緊張していて、
「えー、今日が2回目の高座でございます」と語りだすその口調は見事にアホ声。
そして名前を名乗るまさにその瞬間、
轟く雷鳴、鋭い稲光。
それはいったいどれほど大きい雷雲なのか、
時を同じくして小浜にも大きな雷。
しかしその雷鳴と閃光に、今まさに糸子が包丁を入れようとしていたへしこの、
目を覆っていた糠が取り除かれ……!

雷が収まり、呆然とした様子の喜代美。
これには視聴者の誰もが不安を抱いたことでしょう。
そう、いまのショックですべて吹き飛んでしまったのでは……
「若狭……」
まるで無表情のままそうつぶやき、しかし次の瞬間、
「若狭というのは私の出身地からつけてもろた芸名でして……」
お客さんを見て、淀みなくすらすらと語りだす喜代美。
やがて糸子のへしこ丁稚羊羹のエピソードを面白おかしく語り、
お客たちはもちろん、袖の師匠も兄弟子たちも、
あの四草ですら吹き出しそうになるのを懸命にこらえる場内大爆笑。
やがて「まあ世の中にはケッタイな料理を発明する人がおるもんでして……」
ここで小拍子をポンと鳴らして本題に入る、
おお、このなんと見事なまくらよ!
「景清」の設定がここで喜代美の開眼に活かされるとは。
そしてへしこの糠がそれを象徴するとは。
さらに先日の、糠床があるから帰るという糸子の件までがここにつながるとは。
いやそもそも羊羹のエピソードがここで喜代美の役に立つとは……!
昨日の回の回想はあれは視聴者に思い出させるための親切であると同時に、
喜代美にそのことを思い出させて今日のまくらに自然とつなげるための伏線やったとは。
あのエピソード自体が今日の山場に対してのまくらになってたとは。
そして百日参りを欠かさなかった糸子、
喜代美の成功をお地蔵さんに祈っていた糸子、
しかしその糸子自身が今日の喜代美の成功の下地を作っていたとは……!
ついでに小次郎も手助けしていたとは!
もひとつついでに昨日書いた喜代美の語りで皆を笑わせるという件がズバリ的を射るとは!
などとドサクサにまぎれて自慢なんかしたりして、
いやとにかく、落語を題材にしたこのドラマ、
落語のエピソードを物語のなかに散りばめるばかりでなく、
それを劇中の落語にまで還元させるというこの巧妙さ!
その嬉しさと、
見事サゲまで語り終えて皆の笑いと拍手を浴びる喜代美の嬉しさとが一体となったような……

その夜、師匠にまくらの部分は褒めてもらったけど、
しかし肝心の噺の本題はまだまだやといわれて身が引き締まる喜代美。
キャラクターの演じ方についての難を指摘する師匠、
「おかしな人間がいっしょう懸命生きてる、あんたと同じや」
その言葉はかつてのおじいちゃんのものと重なり……
「あんたのそういうとこ大事にしいや、いつか必ず落語に活かされる時が来るさかい」
やっとわかった師匠の真意。
自分の資質を見抜いてくれていたことに満面の笑みで例を言う喜代美。

……と、メデタシメデタシで終わらないのがドラマというもんで。
ここは「たらちね」というお店。
表には草々と清海が見に行った天狗座の落語会のポスターが貼ってあるけど、
これは宣伝のために会場の近くのお店によく頼んで貼ってもらってる類いのもんでしょう、
しかしこの店はその草々と清海の席から中庭を望むショットだけ見ると高級料亭にも見えそうやけど、
それ以外のところはえらいリーズナブルなお店のようで。
そりゃ草々の収入ではねえ。
いや、それはどうでもいいけど、
尊徳師匠の「景清」に感服した様子の草々に、
「草々さんの「景清」かてなんや若々しくて、私は好きです」
その清海の言葉にまたまたドギマギの草々、
うちの落語会が気になるからと電話しに席を立つと、
そこへ鼻毛がやってきて清海を目にしてひと悶着。
そしてなんとも古典的なパターンで……
ナレーションに言わせるとベタベタなシチュエーションで……
そうか、3回目のデートでそうなりましたか。
まあ標準的な展開でしょうかねえって、いや、
そんなことよりもとにかく不安を掻き立てるこの成り行き……って、
しかしいくら不安やからって喜代美よ、
カレンダーを除けて草々の部屋を覗いたらアカンがな。
ホンマにヘンなことしてるとこ目撃したらどないすんねんな。
それもひとりでやなく、2人で……。
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