ORGANIC STONE

私達は地球を構成する生命を持った石に過ぎないのですから。

衣食足りて犬猫もベジタリアンとなる:菜食主義と動物愛護

2007-10-10 20:05:11 | 雑記:odds & bits
本日はベジタリアンについて少し。国際ベジタリアン連合によりますと、菜食主義と言ってもたくさんの種類が有ります。またその理由も宗教的理由や、健康的理由、思想的理由と様々です。日本で言うベジタリアンとは単純に「肉」を食べない人、と思われがちですが、厳密には魚介類も食べません。日本に来てベジタリアンの方が大変困るのはダシです。料理に鰹だしを使用しているかどうかなんて気にしたことが有りますか?私は無いですよ?2年前に日本に来て遊んで帰ったマンチェスター出身のベジタリアンご夫婦は、何か一番困ったってこの鰹だしだ、と即答してました。何にでも使用しているから困るそうです。

ベジタリアンに関して、私の周りを観察するかぎり、動物愛護&環境への配慮から行っている人が多いようです。マクロビオティックに興味を持つ方も今では増えてきていますが、こちらも地球の環境に配慮し、自然の摂理に従って衣食住を整えるという点では、環境的観点からの菜食主義と呼んで間違いは無いと思います。ちなみにマクロビオティックでは肉も魚介類も卵&乳製品も取りません。

ベジタリアンの中でもVEGANと呼ばれる人々は、動物愛護&環境への配慮から生き物を食べない、と選択した徹底したベジタリアン。いっさいの動物由来の製品(動物を搾取して得るあらゆる製品)を避けます。卵や蜂蜜、乳製品、ウールやシルクといったものまで。まさに「虫も殺さない」人々。VEGANの人はペットフードもVEGAN仕様で、動物由来成分の入っていないドッグフードやキャットフードとか売ってます(爆)。猫は肉食動物じゃないのかなぁ・・・食べ物以外にも飲み物、化粧品や衣服、薬など、動物の命を奪ったり動物から奪ったりされたもの全てを避けます。
英国&アイルランドでは、彼らベジタリアンは信念を全うする環境が整っているように感じられました。ベジタリアン・レストランはそこいらのレストランよりよっぽど美味しいし。化粧品類には「動物実験をしていません」マークと「動物由来の原料を使用していません(VEGANマーク)」がついているものを選べますし、チーズには「動物由来の酵素は使用していません」とかかれているベジタリアン仕様があります。「動物由来成分の入っていない」VEGAN仕様とは、宗教的理由でに豚や牛を避けたい人々にとっても安心して食べられる食品でもあります。
余談では有りますが、英国&アイルランドではベジタリアンではない方でも化粧品やシャンプー、洗剤など「動物実験をしていません」マークのついているものを選ぶという人は多いですね。シーチキンの缶にには「ドルフィン・フレンドリー:私たちはこの缶づめを生産するにあたって、イルカにいかなる危害も加えておりません」なんて表示も。(なんだそりゃ!と思いましたです・・)

「私たちが生きていく上で、また、文明的な快適さを求める上で、もし他の生物の命を奪わずに済む方法が有るのならそちらを選択すべきではないか」「牛肉1キロを生産するために、穀物10キロが必要である事実は環境のためには矛盾していないだろうか」というのが動物愛護&環境への配慮から肉を食べるのを止めた人々の主張の一部です。肉を食べる、食べないの選択は別として、彼らの言うことにも一理あります。私たちは肉を食べなくても生きていけるのですから。文明社会で生きる私たちは、自分で殺せないものを、良心の呵責なしに食べることが出来る。それがいいことなのか、悪いことなのか。自分の庭を走り回っている鶏を絞め殺して食べる「途上国」の人と、手を汚さず、直接生命を奪うことも無く肉を食べることの出来る「先進国」の私たちと、どちらがより「他の生命を貰って生きている」ことに敏感なのでしょうか。私が言いたいのは、私たちのために殺される動物を可愛そうとか哀れに思えとか言うことではなく、「それが本当に必要か」と自分に問い掛けてみる機会をもって欲しいということ。あなたが必要だと思えばそれでいいと思いますし。

またまた余談になりますが、英国の著名な動物愛護運動家の女性がガンになり、治療に豚の成分由来のワクチンを使用したという事実が大変話題になったそうです。彼女(運動家)は全ての動物実験及び動物由来のものを排除するよう、主張していたのに、自分のことになったら手のひらを返すように信念を曲げやがった、と非難されているとのこと。その女性がどのくらい過激な主張をしていたのかは知りませんが、知人は「許せん!私だったら潔く死ぬ!」なんて怒っていましたけど・・・また脱線してしまった・・・

さてトップ画像はベジタリアンのバンドFall Out Boy。中でもメガネのドラマー、アンディはVEGANで有名ですが、バンドがPVにオランウータンやチンパンジーを演技させたことでVEGAN界の各団体から大ブーイングが起こりました。猿に人間の格好をさせて演技させることは動物を搾取する行為だという訳です。VEGANは大変ですねぇ。ほかにも小野ヨーコ、Morrissy、ポール・マッカートニー、マドンナ等VEGANだったと思いますが・・・

注:日本で言う「動物愛護」という言葉は、実質的には英語ではAnimal rights(動物の権利)と置き換えてもいいかと思います。ただ「愛護」の響きは「かわいがる」「保護する」等のイメージを連想させ、動物の「動物として生きる権利」を考えようというAnimal rightsにくらべ、なんとなく曖昧でソフトな印象を受けます。しかしここでは一般的に使われる「動物愛護」を使用させていただきます。
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6 コメント

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ベジタリアンだった私。 (redpill)
2007-10-12 00:08:57
 こんにちは。

 そういえば、昔、私はベジタリアンでした。
 10年間くらいそうだったような。
 今は違いますけどね。

 宗教的なものは一切関係ないですが、イギリス系アーティストの言動による影響が無かったとは言い切れないかな。

 最初、卵と乳製品は食べてましたが、肉類と魚類は避けてました。(しかし、動物由来のもの、スープなどまでは排除してなかったですけど。)

 でも、そのうち、魚類は、日本的生活をするのに排除するのは面倒くさくなって自然と食べるようになっちゃいました。はは。

 そもそも、私がベジタリアンになったのは、「自分で殺せない(残酷に思って自分では殺せない) ものを、パック詰め肉になってれば平気で食べるのは不自然だ! 」という思いからきた行動です。

 ベジタリアン生活は体調的には問題なかったんですが、やはり、普段の食生活においてちょっと大変でした。
 身の回りからも大不評。家族からも不評。
 外食も結構限られるし。上司がおごってくれるといった時なども、説明が大変だったし。

-------------

 ほんと、海外でのベジタリアン生活は日本よりも快適そうだと思います。
 外食も、おいしい専用メニューが見つけやすい気がするし。
 バンクーバーの街角だったか、スタンドで、ホットドックと並んでベジタリアン用バーガーが普通に売られてたのも思い出しました。
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ネコたんにはお肉を! (nbm)
2007-10-12 10:57:42
ネコはタウリンという成分を体内で合成できないので、食べることで摂取しないといけなくて、だからキャットフードには必ずタウリンが入っていると聞いたことがあります。タウリンは動物由来の物質。ちなみにネズミ肉にはタウリンが豊富らしいですよ。タウリンが欠乏すると、目が見えなくなったり、心疾患を引き起こしたりするそうです。ただのビタミンくらいの扱いかと思ってたら、けっこう深刻ね。というわけで、ネコを巻き込むのはかわいそうな気がします(笑)

ところで、語学に疎い私には「Suburbia」という単語がわからず、調べてみたら郊外住宅地とかラテン語の理想郷とかわけがわからんのですが、彼らはどんな意味で使っているのでしょうかねぇ。
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Unknown (c.mama)
2007-10-12 14:04:57
そうなんですよね。医薬品には動物由来にものが多いんですよね。それにしても、「潔く死ね!」とは(苦笑)・・・そういう風に狂信的になっていくから近づきたくないっー側面があります。
娘がアトピーでして、3歳くらいまでは肉類全般アレルギーがあり、気にかけていましたけど、化学成分を使っていないことをうたった洗剤や非ステロイドの消炎剤は基剤に「牛脂」が使われていて、ビビッたことがあります。
牛脂って、殺さないと取れませんよね~。

現在の社会で暮らす以上は、食べないからと言って、「私たちは殺してません」とは胸を張ってはいられないですよね。「みんなで止めれば、生産されなくなる」と思っているのかな?でも、実際、それらの代用品は、環境にメチャメチャ厳しい化学物質だったりするもんですよね。そしたら、動物も植物にも迷惑な話です。実際に自然に近いところから順に被害を被りますからね。それじぁ~文明社会の恩恵に与るのを一切、止めて暮らせば良いか?というと、そうでもない。未だ、古来からの生活をしている人々は、自分たちの手で、動物を殺し、血、油の一滴も無駄にせず、弔いの儀式をしています。そういう風に自らの手を汚し、自分たちの糧になってくれた動植物を直視し続ける・・・
安定した農業も今の社会システムあればこそで、それを止めて、動物にも環境にもやさしいことを追求するのであれば、やっぱ人間は生きてちゃいけないかもしれませんね。あぁ~。ど~しましょ~。考えると眠れません。
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ラーメンのチャーシュー (ptd)
2007-10-12 21:55:04
redpillさまこんにちは。

そうですか、redpillさま元ベジタリアンでしたか。私はベジタリアンになったことは有りませんが、同居人全員全部ベジタリアンという状況下に置かれ仕方なくベジタリアンしていた時期が有ります。魚でも食おう物なら「よく顔のついている物を食えるな」とか「貝を生きたままゆでるなんて、残酷だ」とか言われてましたねぇえ・・

>私がベジタリアンになったのは、「自分で殺せない(残酷に思って自分では殺せない) ものを、パック詰め肉になってれば平気で食べるのは不自然だ! 」という思いからきた行動です。
それは私も思いました。例えば自分で鶏殺してまで食べたいか、っていうと、殺してまで食べたくないのに、唐揚げになってれば平気なんですよね。ほ乳類に関しては躊躇しますが、魚介類はあまり躊躇せず自分で殺してます。まあベジタリアンの方からすると矛盾しているのでしょうねぇぇ・・・

私は魚介類以外の肉はほとんど食べません。理由は食べなくても平気なのと、食べる必要を感じないからですか。肉は胃にもたれるし(年です、年。)。でもラーメンのチャーシューは・・・食べるかも・・残すのはいやです。

>上司がおごってくれるといった時なども、説明が大変だったし。
うそでも動物タンパクアレルギーです、って言っちゃえば、たぶんそれ以上説明不要なんでしょうね(笑)。
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無理矢理草食? (ptd)
2007-10-12 22:13:05
nbmさまこんばんは!

>タウリンが欠乏すると、目が見えなくなったり、心疾患を引き起こしたりするそうです。
そりゃいかんでしょ(笑)!猫にそういう代替食を与えるって、自然に反しているのでは?「ウチの猫はベジタリアンでも健康で全く問題ありませんことよ」なんて飼い主は思っていても、本猫の気持ちは判らないですからね。肉食動物を無理矢理草食にするって、どうなのよ・・

>語学に疎い私には「Suburbia」という単語がわからず、
調べてみましたーー!多分「郊外の住宅地」どちらかというと高級ではなく、建て売り住宅の一般家庭って感じでしょうかね?写真も何となく一般ピープルのちょっと豪華な夕食みたいな?奥でベースの人がかぶりついているのは何でしょうね?
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原始時代に戻ろう♪ (ptd)
2007-10-12 22:52:58
C.mamaさまこんばんは!

>「潔く死ね!」とは(苦笑)・・・
そう、キツいですね(笑)。でもその運動家もかなり過激な発言をしていた可能性があるんで、余計みんなむかついたのかも。あんなに他人を非難しておいて自分はそれかよ!みたいな。

>洗剤や非ステロイドの消炎剤は基剤に「牛脂」が使われていて、ビビッたことがあります。
化学物質か天然素材か?うむむむ・・牛や馬の脂ってなじみがいいらしいですが。そういう問題じゃないですね?

>食べないからと言って、「私たちは殺してません」とは胸を張ってはいられないですよね。
いっさい肉を食べず、動物由来の物を避けることが本当に環境にいいのかというと疑問です。自給自足の生活でもしているのだったらいいかもしれませんが、文化水準を保とうとすれば、無理がありますねぇ。

>やっぱ人間は生きてちゃいけないかもしれませんね。あぁ~。ど~しましょ~。考えると眠れません。
やっぱり最後は「人間がいなくなればいい」の世界?でも人間も動物ですし、人間に依存したり寄生したりして生きる生き物だっている訳で。そいつらの生きる権利はどうなる?なんて考えると、原始時代に戻るのが一番かな?
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