毛唐もすなるブログといふものを

日本男児もしてみむとてするなり

海洋国家

2005-05-26 00:00:00 | 日本男児
【正論】評論家 屋山太郎 日本外交を「海洋国家連合」に転換せよ《産経》

5/23付「西村眞悟の時事通信」

5月23日付産経正論の屋山太郎氏の小論は秀逸でした。西村眞悟議員の時事通信と合わせて読まれることをお勧めします。

戦前の我が国は、大陸と関わり、失敗しました。そもそも不得手な大陸との関わりを促した原因は、一つにロシア・ソ連の脅威、二つに、アメリカの脅威でした。すなわち、ロシア・ソ連の脅威から日本本土を防衛する為に、朝鮮・満州を勢力化に置かねばならず、また、海洋に進出しようにもアメリカが立ちはだかるといった具合だったからです。それでも我が先人は何とか日本の生存空間を確保してやっていきました。それが破綻したのは、アメリカが支那大陸に関与するようになったからです。

ユーラシアの両端における20世紀の戦争は、欧州にせよ、東アジアにせよ、アメリカの付いた方が勝ってきました。アメリカはユーラシアにおける勢力争いを、アメリカ大陸からコントロールしてきたわけです。そういう意味で、アメリカは巨大な海洋国家ということになります。大陸国家間の争いの帰趨は、多くの場合、海洋国家が握ることを歴史は証明しています。朝鮮を勢力下において大陸国家間の争いに否応なく関与することになった日本の命運は、当時海洋を支配する最大勢力のアメリカとの関係にかかっていることは自明のはずでした。

アメリカは支那大陸における利権を貪欲に求め、我が国は最後までアメリカとの協調の可能性を探りましたが、結局それは達成されませんでした。アメリカとの協調が難しくなった時期、我が国は仕方なく、ドイツやソ連と組む道を模索しましたが、これは日本に破滅をもたらしました。戦前の日英同盟、戦後の日米同盟が機能していた時期は我が国が国際的に安定していた時期と大きく重なります。逆に、大陸国家と深く関与した時期は、不安定な時期と重なる部分が多いのです。現在の日本は、暗黒の大陸国家との関与を深めるのか、海洋国家に属し続けるのかの境目の時期にあります。歴史に学ぶなら選択の余地はありません。

こういうと、必ず、我が国とアメリカとの国益が100%一致するわけではないなどと、阿呆なことを言うサヨクが出て来ます(例=姜・東大教授)。繰り返しますが阿呆です。アメリカに限らず、他国の利益と我が国の利益とが必ず一致するなどということはあり得ないからです。もっとも、大東亜戦争の時、我が国はアメリカとの協調が不可能という事態に立ち至りました。しかし、経済的な相互依存関係が進んだ現在において、そのような事態に立ち至る可能性は相当低いものになっているはずです。更に、我が国に、単独で国際社会を渡っていく力量が欠けている(例えば軍事力)以上、どこかと組むしかありません。支那と組むのか、アメリカと組むのか。答えは自明です。

確かに、アメリカは原爆や東京大空襲、沖縄戦などなど、我が国に対して残虐非道の限りを尽くした過去を持つ国です。しかし、残念ながら現在の日本にアメリカと組む以外の選択肢はないうえ、アメリカに己の非道を認めさせる力もありません。それどころか、戦後のウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム等の効果が浸透し、国家解体の危機にすら瀕しているといった惨状です。トヨタ会長の奥田の媚支発言もそういうことの表れなのでしょう。情けない。そして、全共闘世代は国家・社会の枢要な地位から草の根までに根を張り、各々の場所で「革命ごっこ(©江藤淳)」の続きをはじめいるようです。こういう獅子身中の虫を下さずして、何事も為せない、そういうことから西尾幹二先生は、小林よしのり氏を追い出したのです。致し方ない決断だったとおもいます。海洋国家として日本の存立基盤を守り、アメリカに己の非を認めさせる日を期する。それしかないとわたしはおもいます。

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