株式会社プランシードのブログ

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その74.台本消失から4日目、快調です

2012-11-29 07:09:40 | 制作会社社長の憂い漫遊記
台本消失した岡山の入社案内。わずか4日で挽回。
ガッハハッハ。もう消さんぞ。
28日を終えて、7つにブロックに分けて編集を積み重ねてきたが、
先ほど一つにまとめて助監督試写を行った。
今から25年前、私がフィルムで助監督したときは、
監督につきっきりで編集をしたが、今では監督自らコツコツ独りで行う。
今では助監督とは名ばかりで、撮影時の雑用と運転手だ。
どんな風に編集が進んでいるかも知らない。
とりあえずラッシュ試写を助監督と二人で行ったが、
傍観者からはさしたる意見も出ず残念。
もう少し自己表現が言葉で出来ればよいのだが、
デザイナーを目指して4大卒業後、専門学校に入学しただけあり、
出来上がったモノで自己主張しようとする(しかないと思っている節がある)。
まだまだ甘いな。


(消えないようバックアップで紙出力)

監督やプロデューサーは、できあがる前にスポンサーにイメージを描かせ
スタッフに何をしたいか伝える力を持たねばならない。
彼がもう少し腕を上げたら粗編集をさせるつもりだが…
まぁ今回は録音スタジオでナレーターへのQ出しをさせてみようと思う。
Q出しするには編集したものを何度も見直し、
Q出しのポイントを熟知しなければならない。
これで私の編集テクニックが盗める。
特にエディウスという編集ソフトは、音のつなぎ目や絵のつなぎ目、
効果も全て画面上で見れるので、監督のテクニックを丸々盗める。
もう30年早くこのソフトがあれば、私も監督からどやされることなく
編集が楽しめたと思う。
まあ、今回はナレーターや録音マンへの助監督君の話しぶりを観察しつつ、
私は客観的に上がりを見つめたい。

さて話を編集に戻そう。
今回は昨年沖縄での大作以来の自ら編集になる。
沖縄編はナレーターなしで、音楽もなし。
補足は文字(テロップ)と間のみ。編集は間だ。
音楽やナレーションなしなら間を有効に使うしかない。
間は無音の状態だが、これがけっこう効く。
今回はナレーションも音楽もある。
あるからといってガンガンやると効果は激ヤセする。


(携帯に走り書きをしていたので、台本消失も比較的短時間で復旧できた)

編集とは音楽やナレーションをあらかじめ想定して行うものだ。
台本通りにトレースする編集であれば簡単に上がる。しかし味はない。
台本なしで取った素材で編集するなら、
一旦作り上げたモノを再度編集し直す、つまり壊す勇気を持たねばならない。
私はよほどのことがない限り、このかた台本なしで作品を作ってきた。
だから現場の状況で柔軟に対応したり、
強引に食いつくテクニックを身につけている。今回も食いついて撮影をした。
もし現場でスポンサーの撮影段取りに「こりゃダメだ」と感じたら、
五感を働かせ、不足があれば担当者に瞬時に食いつかねば、
少しでも時間をおくと「手配、めんどくせ~」となってしまう。
撮らなければ素材はなし!
編集しながら「あのカットが欲しかった」なんて
無い物ねだりをしてもないものはない。
撮影を円滑にするために台本を事前に書くのは、整理の意味ではよいが、
書いた台本に縛られてしまうことにもなる。
現場は生きている。台本通りに進むことはないし、
無理に台本に合わそうとしても意味をなさない。
台本を書いても書かなくても、
いつ何時起こるかわからない撮影変更に臨機応変に瞬時に対応し、
頭の中で瞬時に台本を書き換えられる力がなければプロとは言えない。
今回も私は何度となく撮影現場であらたな発見をして撮影追加をしたが、
そのたびに台本を頭の中で書き換えた。
だから仮に私が事前に台本を書いていたとしても、
影もカタチもなかっただろう。

クランクアップ後、私は撮影した素材を、
7つのブロックに分けて編集を始めた。
オープニングとエンディング、4人の登場人物と、
その他の項目の計7つだ。
その中で柱になる4人の登場人物のブロックをまず作る。
完成時間を20分~25分としたら、
一人5分をメドに編集することになる。
登場人物の4人はみな営業だ。同じテーマで撮れば、顔が違うだけだ。
4人を比較するならそれでよいが、今回は入社案内だ。
それぞれテーマを決めて、撮影しなければ意味がない。
撮影時点で想定してインタビューや活動を撮るが、
取材すると机上のイメージと違うことが多々ある。
しかし仮に同じ質問をしてしまうと編集でダブってしまう。
そうなると一人5分間も見ていられない。
私の場合は撮影しながらテーマを決めていくが、
一人3テーマぐらいに広げておき撮影し、編集で振り分ける。
転ばぬ先の杖=危険回避の手だてだ。

こうして撮影した素材の中から一人3テーマから1テーマに絞り込む。
4人4色が出ているのか?
4人完成したところでもう一度見直し、
それぞれ人物毎にテーマが主張できているか検討し、
ブロックを差し替えたり、インタビューを差し替えてテーマの違いを出す。

こうして完成したブロックをただくっつけるだけだと、
4人の男達の群像で終わってしまう。
入社案内なので、研修の流れや会社の目指す方向性も出さねばならない。
それを整理し、登場人物と絡めてブリッジを作る。
ブリッジは、緊迫感のある人物ドキュメントを緩和して、
次の人物ドキュメントに進める緩和材の役割も担う。
この緩和が、便秘を改善しスッキリ出して、
快調に次の人物ドキュメントへと進めるてくれる。
わかっちゃいてもこれがなかなか難しい。

人物ドキュメントに続き、
バイパスの編集が出来たところで一旦全てをつなげてみる。
お~23分か。いいね。と、なったので今日は助監督試写をしたのだ。
試写後、感想を聞いたら「いいですね」。それじゃ答えになんないよ。
「(23分は)長くないか?」
「いえ長さは感じません」
「言いたいことはわかったか?」
「入社案内だけでなく新人研修としても使えますね」
まぁいいか。もうちょっと具体的な意見がほしかったが…
明日からはもう少し尺を縮める方向で練り直し、
さらに磨き直して、オマケにエンディングをブローアップして、
スポンサー試写となる。

本日、試写は12月11日と決定した。
まだ2週間ある。他の仕事をしながら、
忘れた頃間を見計らって編集したものを独り試写して、
さらに磨きをかけていく。
一旦忘れて再度編集すると岡目八目が見えてくる。
お陰様でなんとか試写を迎えられそうだ。
後は何が起こってもいい方向に進む。
私の長年やって来た感がそう囁く。
これマジ。

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