フリーから会社を作るまでの約5年間、
私は円熟味を増し、秀作を連発した。
この時期に私に仕事を依頼したプロデューサーは
本当にラッキーだったと思う。 . . . 本文を読む
その頃、町場のビデオプロデューサーに中には、
「言うだけで予算なし!」か、
「予算がないので何も言わない!」という輩が乱立し、
しかも経験不足の『なんちゃってプロデューサー』が多くなっていた。
そんな中で伊東プロデューサーはお金と人の管理だけでなく、作品についても
様々な提案をするプロデューサーだった。しかも資金を持っているので
言うだけでなく、お金も出してくれたので監督としては非常にやり易かった。
以降衰退の一途をたどるビデオプロダクションの中で
私が出会った最後のプロデューサーといってもよい。 . . . 本文を読む
『三つ子の魂論』を否定する意見も多いが、
私は体験者として『三つ子の魂論』を肯定する。
両親どちらか一方が働かなくても生活が成り立つのであれば、
少なくとも3歳までは両親のどちらかが子供に付いているべきだと断言する。
そんなことから、20年経った今でも社員には『三つ子の魂論』を説いている。 . . . 本文を読む
1994年8月、オフィスキネティックは解散した。
大渡 繁夫、牧 逸郎、中川 幸俊、大沢 佳子、そして私の5人は
それぞれの道を歩むことになった。
解散の理由は、これ以上フリー集団を組んでいてもなんら発展はない。
もう一度、原点に返る、というものだが、大渡と牧が下した決断で
私も中川も一瞬「えっ?」という感じだった。
ただこの解散がなければ、今の私はないし、
会社も存在していなかったのかもしれない。 . . . 本文を読む
フリー時代に多くのスタッフと出会い、多くのスポンサーと対峙したことが
現在の私の礎になっている事は言うまでもない。
が、とりもなおさず私に大きな影響を与えたのは、
取材を通じて出逢った多くの方々である。
「乱作の多田」と言われるのは、多くの人々と出会った証である。
いまでは少なくなったが、フリー時代は
社長インタビューや財界人インタビューがあるというだけで
作品内容はともかくも監督としてよく声がかかった。
これからもこの仕事は続けていく所存である。 . . . 本文を読む
久しぶりにM取締役に喜んでいただけるネタです。
漢字では閘門と書きます。ちょっと難しいですね。
かといってひらがなで、しかもデカデカと書かなくても
よさそうですが…。小学生が大喜びしそうです。
閘門は淀川と大川の水位差で困難となる船の通過を
スムーズにするための大切な設備だそうです。
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己でドキュメンタリーだと言い張ってみたところで
所詮は己のフィルターで都合のよい所だけを切り取っているにすぎない。
カメラマンは自分の感じた範囲でフレームを決め、
監督は編集で都合のよいように切り刻んで貼り付けていく。
悪意を持って編集すれば悪意になる。
本人の実像以上にデフォルメすることもできる。
だからこそ我々はいつも自分に厳しく
被写体に向かい合わなければならない。
まちがっても面白半分にバラェティー感覚で人を撮ってはならない。 . . . 本文を読む
私はいまでもレポーター不要論者で、
東京で元NHKアナウンサーの宮崎 緑さんと建築家の黒川 紀章氏の対談を
撮った時も、宮崎さんの「ありがとうございました」でカットにはせず
私なりのインタビューを続行した。
収録後「きっつい監督さんですね」と
緑さんはニッコリ笑っていたが目は怖かった。
役者は緑さんの方が何枚も上なので「すみません」と笑いながら謝ったが
素材はしっかり握りしめ私は帰阪した。 . . . 本文を読む
ここらで盟友・牧 逸郎カメラマンのことに触れておく。
牧さんは1987年6月、映像業界で活動するフリーが4名で作った
「オフィス キネティック」の盟友である。
牧さんは4名の中では最年長だったが、
大渡 繁夫監督を立ててNo2のポジショニングだった。
まぁカメラマンの性なのか、本来控えめな方だったのかは
ついぞ私は聞けないままだった。 . . . 本文を読む
いまから20年ほど前のPR映像の世界はまさに下剋上の時代に突入し、
価格競争に負けた古い体質の老舗フィルム会社は次々と撤退し、
増えすぎた新生プロダクションも行き詰まりを見せ始めていた。
そんな中で新たな活路として「出販ビデオ」に賭けるプロダクションも出てきた。
そんな中でも成功事例はある。
日本映画新社・大阪支社次長の米虫 進氏が、
退社後立ち上げた㈱アドボックで制作した「警備員教育ビデオ全5巻」。
売価は記憶にないが十万円は超えていたと思う。
不景気が始まりだし、タクシーの乗務員か、警備員に転職する人が増え、
警備会社も増えていたが、採用した人をしっかりと教育して
優秀な警備員として企業に出さないと信用が勝ち取れなくなっていた。
そこをついて「警備員教育ビデオ全5巻」を警備業界という限定市場に
出そうという企画である。
ビデオは石丸 博也氏(ジャッキーチェンの声優)が
進行役を務めるドラマ仕立てになっている。 . . . 本文を読む