株式会社プランシードのブログ

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その75.監督の恋愛論

2012-12-03 08:03:04 | 制作会社社長の憂い漫遊記
監督は情熱家でありロマンチストである。
監督の恋愛に浮気はない。いつでも本気である。
監督とは職業ではない。しいていうなら監督とは情熱家の一ジャンルであり、
仮に職業としてついても長続きしない。
映画の監督なら数十人から数百人のスタッフがつく。
この個性的な人々を職業というだけで引きつけることは不可能だ。
「情熱家という職業はない!」というなら
宗教家に属する監督科か監督目ではないか。
私はPR映像の監督として30数年生きてきた。
いまだに現役でやっている。それだけでも表彰されるべき情熱家だ。
作品づくりに入ると、私は社外スタッフと組む。
私は社長も兼ねているのでスタッフからすると金ヅルである。
言われたことをやってさえいれば月末に必ず入金してくれる。
しかし、わかっちゃいても「はい、そうですか」という輩はいない。
彼らもまた個々に教祖様なのだ。


(和歌山のイベントで出会った地元のプロ演歌歌手のみなさんと)

監督の恋愛とは?常に本気である。
世間でいう不倫であっても監督は本気で突っ走る。
相手側はあまりの勢いに押されてついてくるしかない。
うまくかわす女性もいるが、たいてい巻き込まれてしまう。
この辺りはプロデューサーの恋愛観とは格が違うというか、
プロデューサーの方が、金勘定にたけているので、数段大人である。
スマートである。不倫の場合は引き際も見定めてお付き合いする。
別れる時もゴタゴタしない。それがプロデューサーというものだ。
でも監督は猪突猛進、自分の気持ちに従って前に進む。
がしかし、相手の気持ちを察知する能力も人一倍あるので、
相手が仕事欲しさに近づいてきただけだと気づくと、撤収は素早い。
設営に3年かけたのに撤収は1分で済ます。
でも相手も本気なら例え不倫だろうが、大統領の娘だろうが、突っ走る。
監督をする情熱の延長線上にしか恋愛はなく、
監督をする情熱と恋愛は別モノではない。
監督の恋愛とはそういうものだ。
と私は思っている。

人間には誰しも2つの面がある。
例えば「多田さんはいつもニコニコして明るく情熱的だ」と言われても、
多田さんはいつもニコニコしている訳ではない。
心に深い闇を必ず持っており、その淵に立つ恐怖に怯えることもある。
一人でいることが堪えられず布団の中から這い出せず、
一日中震えていることもある。
ニコニコしていて情熱的であっても闇は必ず同居している。皆同じなのだ。
しかし情熱家と言っても、その闇と格闘しているわけではない。
落ち込む時は「仕方ない」とあきらめて落ち込む。皆同じだ。

しかし、そんな闇を感じてくれる女性が現れると、監督は身震いする。
もし斧があったらその女性の頭をかち割ってでも
「何を感じ、どう考えているのか」を、
その目で確認せずにはおられなくなる。
無論、彼女の頭をかち割ったところでわかろうハズもない。
だから監督はいてもたってもいられず、躊躇なく突っ走る。
それを情熱家と表現するのはいかがなものかとは思うが、
動機は探求心か野次馬根性に近いにもかかわらず、
行動が猪突猛進なので、情熱家と見えるのだろう。

また監督の中にはさらに進化した種族がおり、心の闇の淵に立った時に、
なりふり構わずにエマージェンシー・コールを出せる種族がいる。
一般ピープルでここまで進化を遂げている人は稀であるが、
監督の中には相当数生息している。
私の知る監督も、ベッドで半身不随になりながらも愛を語る強者がいた。
しかもこのエマージェンシー・コールに応えてくれる
天使のような救急救命士もいる。もちろん女性である。
だから恋愛はやめられないと監督は自覚している。
人が好きで、人が大嫌いだから監督ができるのかもしれない。
自分が好きで、自分が大嫌いだから監督ができるのかもしれない。

だから!と断言すると抗議を受けるかもしれないが、
誤解なきように強調したい。監督の恋愛に浮気はない。
けっして仕事をもらうためとか、結婚に憧れて、などという
不純な気持ちで監督に近づくと、付き合い始めはよくても
最終的には監督の持つ闇に葬られてしまう危険がある。
しかも場合によっては一緒に闇に同行していただく場合もある。
しかし付き合うと楽しいことは請け合う。繰り返すが結果は保証しない。


(恋愛とは朝もやに煙る棚田のごとく…)

断っておかねばならないが、ここまで話したことは「私見」であり、
若干「監督の常識」であり、
「世間からみれば大いに非常識」だとお断りしておく。
わかりきったように行っているが、
恋愛賛歌を見事に描く恋愛ドラマの巨匠や作家ですら、
自分自身の恋愛の本質や行方はわからない。
近づかなければどうってことないが、
入り込むと絶対に誰にもわからない。
わかったようなことを描いてはいるが
男と女なんていつどうなるかわらない…

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