株式会社プランシードのブログ

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その67.睡眠学習で台本は練られていく

2012-11-11 11:28:03 | 制作会社社長の憂い漫遊記
すでに「その24.図面の通り作ると家は倒れる?」で書いたように、
撮影前に台本を書かない私は、ラブレターという名の
「撮影項目の羅列と撮影に対する想い」のみを書いたものでプレゼンするが
今でもそのスタンスは全く同じである。



従って撮影が終了したら、あわただしく台本作成に入る。
台本作成の第一段階は、まず一通り素材を見る。
そして睡眠学習に入る。
睡眠学習とはいえ爆睡するわけではない。
ひとり頭の中で素材を組み立てては潰し、潰しては組み立て、
形になるまで布団の中で転がす。
それを見た娘は「お父さんはよく寝るなぁ」と感心するが
オットドッコイである。寝ているようで寝ていない。
エウレカセブンAO風に言えば「覚醒」である。
しばらくすると少しずつ形が見えてくる。
見えた物は枕元に置いてあるメモ用紙に、思いつくまま書きとめていく。
構成の順に思い浮ぶわけではない。順不同だ。
時にはブロックでナレーションまで思い浮かび、形になることもあるが、
時にはキーワードだけしか思い浮かばないこともある。
そんなことは気にせず、とにかく思い浮かんだモノは片っ端からメモする。
たいてい寝起きの朝方、4時か5時頃にメモを書きたくるが、
夢に出るほど思い詰めるから、何やかや浮かんでくる。
実際シーンが夢となり現れる時もある。
しかしここでメモをしっかり取っていないと
万一眠りに入ったら完全に記憶から消えてしまう。
そうしてある程度出揃ったら、
風呂に入りながら風呂のフタにメモを並べてパズルを組み並べていく。
「お父さ~ん、まだ?お風呂が長すぎる(怒)」という娘の声にも耳をかさず
のぼせて心臓がバクバクするまで作業を続ける。
約1時間後、ふやけた足の裏で体を支えてメモを持ち風呂から上がる。
風呂上がりにビールをグイッと呑んで、再び布団の中に入って睡眠学習。
これを2~3日繰り返した頃には、ほぼ構成が固まってくる。
なんとなく「イケる」という青信号が頭の奥から出たら、
布団からやおら起き出して文章化する。これが第1稿となる。
今ではメモではなく携帯のeメールがメモ用紙になり、
一枚出来たらパソコンにメール送信し、会社でパズルし台本にしていく。
これに対しても「お父さん、メール好きやね」と
私の血の出るような作業を知る由もない娘は、ただ呆れかえるばかり。
いまや携帯のeメールは私の原稿用紙であり、ふと思いついたら、
入浴中であろうが、電車での移動中であろうが書き留める。
このブログもたいてい布団の中か、
電車やバス、飛行機での移動中に書き留めている。


(携帯の中で次第に形になっていく)

さてこうして出来た第1稿をもとに、やおら編集を始める。
まずインタビューを見直す。
そうすると構成がたいていガラリと変わる。
「ええっ、まだ続くの?」
当然です!これくらいで完成するなら、これほど楽なことはない。
インタビューを見ていくと「これはシーン8で使おう」と
スコッと収まるときもあるが、せっかくいいインタビューなのに
今の構成では入らないということもある。
また頭の中の構成では、シーンとして完成していても
映像的にイマイチな場合はカットしてしまうこともある。
そんな場合はインタビューを捨てて構成を維持する!?
んなワケない!!!!!構成を変えるのだ。
ただし、ひとつブロックを変えるとたいてい影響は全体におよんでくる。

うまくインタビューが取れていれば構成をガラリと変えるのも「ヨシ」だ。
ちなみに「うまくインタビューが取れていれば」と
自分でインタビューしながら、
インタビューをしたことさえ忘れたように語っているは、
睡眠学習の最初の段階で一旦インタビュー内容を
忘れるようにしているからだ。
というのもインタビューはインパクトがありすぎ、
あまり頼ってしまうとあらぬ方向に作品が転んでいく危険があるからだ。
インタビューを中心にして最初に構成を考えてしまうと、
本来のテーマから離れてしまうのだ。
それほどインタビューはインパクトがありすぎる。



私の場合は一旦構成案を作ってからインタビューを見直して構成にはめ込み
構成を練り直していく。
手間な作業だが、こうして編集と台本が同時進行していく。
「その64.とうとうクランクアップ!」で語った作品は
現在、睡眠学習で練っているところである。
現在、練り度合いは五分程か?先ほど1回目の座浴が終了したところだ。
なかなか、いいんじゃな~い!


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