株式会社プランシードのブログ

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その135.台本は思いやりの結晶だ(3)録音編

2014-04-14 06:32:52 | 制作会社社長の憂い漫遊記
おはよういございます。
多田浩造、無事四国愛媛より帰還しました。

(つづき)企画・コンセプトというラブレターは、
撮影前に撮影台本へとやや前進し、
編集段階でナレーション原稿へとさらに進化する。
ナレーション原稿に合わせて、カットも細かく調節し、完成尺にする。
この段階ではナレーターも決定して
人選したナレーターの癖を台本に盛り込み、
尺を調節していかなければならない。
例えばワイワイワイの安富史郎氏がナレーターなら
テンポよく読んでくれるので、自分でまず読んでみて
さらに二拍あけておけば、
仮にナレーションが急に変更になってもたいてい収まる。
しかしフリーの林順子さんは間が味となっているので、
あらかじめ倍くらい尺をあけておかないとせっかくの味が死んでしまう。
同じくフリーの竹房敦司氏なら文章にこだわるので、
ムダな言葉を極力外した方が、爽やかな語り口が生きてくる。


  ナレーター:竹房敦司氏は私の作品の常連さんである

こうして原稿に合わせて尺合わせした編集作に、
私の声でナレーションを入れてスポンサー試写となる。
ここぞとばかりにスポンサーから様々な意見が出るが
めげている場合ではない。しっかり立ち向かい
意見を一つの方向に進めなければ、最終微調整はできない。
録音スタジオで変更できることは知れている。むしろほとんどない。
しかし最終の録音スタジオに入っても迷うのが
熱い思いを持つスポンサーであり、
熱い思いを汲み取った監督は限られた尺の中で
言い回しを巧みに変えて、その尺の中に収める。
中には録音を中止して編集やり直しを指示する
「予算は俺に任せろ!」的な豪快なスポンサーもいるが、
昨今は絶滅危惧種に指定され、めったに表には出てこない。
私もいまだに出会ったことはないが、いるらしい。

以上台本にはスタッフに対する強靭かつ優しい思いやりが
必要だというお話でした。
(つづく)

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