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絵じゃないかおじさんぐるーぷ
またまた、20世紀末のお粗末な知識が邪魔をするが、
信じる者は救われるだ。
この際、信じてしまおう。
サヤカに、クジクジを呼んでもらった。
いまデイトの最中なので、30分ぐらい待ってくれという。
(人の恋路を邪魔する奴は、
野犬に襲われて噛まれてしまえ!)
そんな言葉が浮かんでくる。
何とも心細い。
人っ子ひとり通らない。
そのうちに、クジクジがやってきた。
{ご厄介かけます}
{おう、オッさん、久しぶりじゃのう}
つづく
仮想はてな物語 浦島太郎に?! 9/18
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サヤカを通して話しかける。
訳を話すと気持よく、口をぱかーっと開けてくれた。
OKサインである。
{気をつけてね。鼻の下にもね}
サヤカの見送りのきつい一発が聞こえた、ような気がした。
そんな短い言葉でも純情な(?)私には堪える。
ビィーンと心に射い入るのだ。
海亀がのっそりと進み始める。
口の中は真っ暗だった。
ぷーんと魚の腐ったような匂いが押し寄せる。
心細いので懐中電灯を点けた。
クジクジはマッコウクジラだ。
最大時速、約36km。
ということは、10分では5~6kmも進む。
平地での1kmはたいしたことないが、
海底や山の高さとなってくると、
その桁は何万倍にも読み換えなければならない。
元来、気の小さい私は、不安に襲われていた。
クジクジの鼻の穴あたりがわずかに白い光を放っている。
私は尖った歯にしがみつき急降下に耐える。
ジェットコースター並みだ。
海亀のヤツ、
騙したりはしないだろうな、
ちゃんといい所へ案内してくれるのだろうな、
そんな事を思いながら身を任せていた。
しまった!!!
つづく
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