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絵じゃないかおじさんグループ
そうだわ。
もっと確実な方法、思いついた。
今度あの人が来たら、上衣に麻糸を
縫い付けておこう。
その後を辿れば、きっとあの人の
お家がわかるわ。
そうしたら、夜こっそりあの人のお部屋を
訪ねていって、
驚かしてあげよう。
いつもあの人ばかりに来てもらって悪いから。
あの人、どんな顔するかしら。
(もう夜が明けるのか?
このままずっと居られたら、
どんなに楽しいだろう。
結婚して毎日この子の手料理を食べて、
宝もののような子供が出来て。
ささやかな暮らし。
しかし、望むべくもない。
さあ、神杉のねぐらに帰るとするか。
白く生まれたお陰で、参拝者からは拝まれるし、
神社の関係者は下にも置かないもてなしを
してくれるし、
これでも結構忙しい生活を送っているのだ。
毎日顔を出すと有り難みも薄れるので、
頃合を計りながら、
出ていってやらねばならない。
それにしても、よく気も使うことよ)
あの人が帰っていった。
今夜もまた会えるわ。
あの人どんな顔をするかしら。
きっと喜んでくれるに違いないわ。
さあ、朝ご飯を食べて、麻糸の後をつけてみよう。
つづく
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