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絵じゃないかおじさんぐるーぷ
平成はじめのころです
{赤目に住むオオサンショウウオみたい。4人の人間に捕まって、杉の木に縛りつけられ荒縄でバチバチ叩かれているそうよ}
オオサンショウウオの肉は美味らしい。皮膚を覆う粘液やその下に毒脂があるから、ひっぱたく事によって、その毒を体外に出させ、食べる国もあるという事を何かの本で読んだことがある。きっとご馳走を食い飽きた一部の不心得ものが、天然記念物のオオサンショウウオを
捕まえて食べる気なのだろう。
{サヤカ、距離はどのくらいある?}
{ちょっと待ってね}
{2.5kmぐらい先の所かしら?}
相手は4人か。私の細腕では、どうしようもない。かといって、電話もないし、困った私とサヤカだけでは、ヤツを助けることは出来ない。毒を出し終わると、料理されてしまうだろう。だんだんと、現場に近づいてゆく。どうしよう!
{サヤカ、何とかならないか?}
{困ったわね。オッさんじゃ、4人も相手に立ち回りなど出来はしないだろうし・・・} 私は、今日拾ったプルトップのことを思い出した。そうだ、彼らに頼もう。革ジャンのポケットに20個ぐらい入っている。
サヤカを止め、すぐさまガソリンの給油口を開けて話しかける。
{プルアル、プルスチ、お願いがあるんだが・・・}
{オッさん言ってみな}
私は、手短に、説明した。彼らは、お安いご用だと簡単に引き受けてくれたので、すぐ発進する。
{サヤカっ}
返事はない。ということは、1km以内に人がいるのだろう。4人組に違いない。私は緊張した。サヤカから大体の場所は聞いている。道路の右側に黒っぽいワゴン車が止めてあった。私もサヤカを止めた。エンジンはかけっぱなしにしておく。すぐ逃げられる態勢だ。ペンライトを取り出し、こわごわ左手にある川原の方へと歩いていった。何やら話し声が聞こえてきた。
「腹減ったなぁ、まだ毒抜け切らんかのう?」
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