絵じゃないかおじさん

言いたい放題、自由きまま、気楽など・・・
ピカ輪世代です。
(傘;傘;)←かさかさ、しわしわ、よれよれまーくです。

仮想はてな物語 香久やま姫 17/27

2016-01-31 07:57:19 | 仮想はてな物語 
      
copyright (c)ち ふ
絵じゃないかおじさんぐるーぷ


 会社の存続を最優先に置くと、
 すべてに牽制が働き動きが制約されてしまう。
 また、それを最優先に置かないと、
 会社制度が一日たりとも成り立たないのだから、
 致し方のないことなのだろう。

 そんな会社の寄せ集めが、この国の中身だ。

 5時になったので、そそくさと帰る。
 5時に帰社するには、相当勇気が入る。

 何か特別な用事でもない限り、
 40男には許されてない行為だ。

 会社員を20年近くも続けてやっていると、
 すっかり会社の見えない意志に
 身が縛られてしまっている。

 しかし、今日は人には言えないのだが、
 香久やの為という大義名分があるので
 疾しさは感じられない。

 香久やが来てから、22~3時間になっている。
 ということは、もう4~5才に成長しているはずだ。
 デパートの惣菜売場に寄り、
 ハンバーグ、コロッケ、カレー、アイスクリーム、
 プリンなどを買う。
 目茶苦茶な取り合せ。
 こんな組合せになったのも、買物に慣れていない所為である。

 夏の夕方の7時は、まだまだ明るかった。
 風が心地よくあたる。
 クーラーは、入れっぱなしにして出てきた。
 風邪を引いてはいないだろうかと心配になってくる。
 家について鍵を開けると、香久やが玄関口に立っていた。
 心細かったのだろうか。

 「ただいま」



つづく

コメントを投稿