copyright (c)ち ふ
(また別れの刻がやってくる。
いつまでも一緒に居たいのだが、
いつ催眠術が切れるのか心配でならない。
けれども、一息の間でもそばに居てやりたい。
雪香の笑顔を見続けていたい)
あの人とは、雨の降る日にしか会えないのかしら。
晴れた日に、山の中に山菜摘みに連れて行っては
くれないのかしら。
お仕事の邪魔になるわね、きっと。
でもいい。
雨の日が待遠しい。
早く梅雨の季節にならないかしら。
そうすれば毎日でも会うことが出来る。
それにしても、夕方になるとあの人のことが恋しくなるの。
ああ、恋忘貝になりたい。
でも、これはぜいたくな望みね。
(ああ、いつまでこういう生活が続けられるのだろう。
あの子も年を取る。
結婚したいが、オレは蛇。
いつかは正体もバレてしまうだろう。
雪香を失うことを考えると気が狂ってしまいそうだ。
つづく
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