絵じゃないかおじさん

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ピカ輪世代です。
(傘;傘;)←かさかさ、しわしわ、よれよれまーくです。

仮想はてな物語 「万葉おおみわ異聞」  21/34

2015-12-16 07:32:26 | 仮想はてな物語 

  copyright (c)ち ふ



 (また別れの刻がやってくる。
  いつまでも一緒に居たいのだが、
  いつ催眠術が切れるのか心配でならない。
  けれども、一息の間でもそばに居てやりたい。
  雪香の笑顔を見続けていたい)


 あの人とは、雨の降る日にしか会えないのかしら。
 晴れた日に、山の中に山菜摘みに連れて行っては
 くれないのかしら。
 お仕事の邪魔になるわね、きっと。


 でもいい。
 雨の日が待遠しい。
 早く梅雨の季節にならないかしら。
 そうすれば毎日でも会うことが出来る。

 それにしても、夕方になるとあの人のことが恋しくなるの。
 ああ、恋忘貝になりたい。
 でも、これはぜいたくな望みね。

 (ああ、いつまでこういう生活が続けられるのだろう。
  あの子も年を取る。
  結婚したいが、オレは蛇。
  いつかは正体もバレてしまうだろう。
  雪香を失うことを考えると気が狂ってしまいそうだ。


                              つづく



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