絵じゃないかおじさん

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あ@仮想はてな物語(逸話) 石舞台の大岩・ソガーンを叩き起こせ! (1/3)

2019-02-04 13:14:11 | 仮想はてな物語 



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 * 石舞台の大岩・ソガーンを叩き起こせ!(050)


 ジョジィの張り切りようは凄まじい。
 動き回るのが楽しくて仕様がないらしい。
 瞬間接着剤での再合も何とかうまくいっているみたいだ。
 しかし、枯れたり継ぎ接ぎだらけになっても、オレ知らないぞ! 

 ジィさん、こんなに楽しい世の中が来ているのに、
 今だに眠り続けているヤツがいる。
 石舞台の大岩・ソガーンのことだ。
 何百年も眠り続けて勿体ない。 

 アイツは、オレの弟子筋に当たる。
 ふて寝をしているが、寺の鐘を撞きながら、呪文を唱えれば
 目を覚ますはずだから、
 悪いがオッさん起こして来てくれないか、と言ってきた。

 それにしても、40半ばのこの私は、
 ジョジィにまで、オッさん呼ばわりされてしまっている。

 畜生! (玄田牛一)


つづく



あ@仮想はてな物語 石舞台の大岩・ソガーンを叩き起こせ! (2/3)



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 悪いのはOさんだ。
 いつも口癖に呼んでいるものだから、コロのヤツが覚え、
 さらに腹立つことには、
 この私自身の口の奴が覚えてしまったことだ。

 「オッさんを、オッさんと呼んで何が悪いの?」と開き直られると
 返答のしようがない。

 40過ぎての自分の顔は自分で責任持て! と言われても、
 オッさんの顔にしたのは、私ではナイゾ! 
 と顔の奴のせいにしている。

 責任を顔に転化して奥底に潜む自分のエキスを
庇っているのだ。

 橘寺、岡寺、飛鳥寺の3寺の鐘を同時に撞きながら、
その鐘の響きが終わるまでに、
[ソガーン、テンガン、テンガン]と108回呪文を聞かせろと言う。
  12文字 X 108回 = 1,296 文字も!

 あの早口でしゃべる女優のKさんでさえも1分間300文字
前後だというのに!


 アッ、そうだ!
 娘のマイカが持っているラジカセで、
 テープを早送りすればいいのだ。
 ゆっくり吹き込んで早送り再生すれば何とかなりそうだ。
 人間の声には変りないのだから構わないだろう。


 Oさんを拝み倒し、長女のマイカと長男の休太郎を
小遣いで釣り4人で出掛けた。
 同時に3寺の鐘をつくと、どう聞こえるか聞いてみたいとか、
 何とか言って適当に誤魔化しておいた。

 嘘も方便、方便。
 この際仕方あるまい。

 時計を合わせて4人で散らばる。

 ゴォーン。ゴォーン。ゴォーン。

 それラジカセ、スイッチ・オン。
 回る回る、テープが回る。
 撞き終わって4人で家に帰り、
 私一人でサヤカとともに石舞台に引き返した。

 ヤツは、夕闇にひっそりと佇んでいる例によって、
 サヤカのガソリンの給油口に口を当てる。



つづく




あ@仮想はてな物語 石舞台の大岩・ソガーンを叩き起こせ! (3/3)




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 [ソガーンはん、起きたか?]
 [オオーツ、お前か!!!
  せっかく気持ちよく寝ているオレ様を起こしたのは!]
 と荒げた声が返ってくる。

 [屋久島の縄文杉のジィさんが、あなたを起こせと言った
ものですから]
 [大先生か!
  何でお前は知っている?]

 サヤカのこと、巳の神杉のこと、北山杉のことなど、
 かい摘んで話してやる。
 時代があまりにも離れ過ぎているので、
 よくは伝わらないみたいだ。
 眠り続けていたのだから致し方のないことだろう。
 しかし、ヤツは元々固い固い石頭のようだ。

 少し話をしていれば、その固さが伝わってくる。
 コイツにもコロを送って教育してやろう。
 コロのヤツ、早くジィさん返してくれないかな。

 それにしても、ソガーンめ、まだまだ眠り足りないみたいだ。
 まあ、コロが帰ってくるまで、うつらうつらしていろ! 

 五月の風 うっすらとそよぐ 奥明日香
  ぽつり石舞台 ひっそと眠りいる
                         ち ふ

                        
                          
 この項おわり



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