絵じゃないかおじさん

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あ@仮想はてな物語  石舞台の石が ?!(2/3)

2018-04-29 06:29:01 | 仮想はてな物語 

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絵じゃないかおじさんぐるーぷ
                       




 初冬の夕暮。
 じっとしていると寒いが、その寒さに耐えてひとり座っていると
 [これが人生そのものだ]という実感がこみあげてくる。
 それがたまらなくいい。
 こころが酔っ払ってしまうのだ。
 あたりは薄暗い考えこむというよりも、ぼんやりとしていた。


 剥き出しになった大岩。
 古墳あとだと言われている。
 わざとそうされたのか、自然にそうなったのか、よくは知らない。
 いろいろ諸説もあるようだが、そういうことはあまり気にしない。
 故意にしては、何故か中途半端な壊し方だし、
 自然になったとすると、
 人工的なカバーが何故なされなかったのか、
 もう一つすっきりしない。


 しかしながら、そんなことは私にとってはどちらでもよい。
 今日は故意で、前回は自然。
 その時々の気分に合わせて勝手に解釈を施す。
 葬られた者が権力者であればあるほど、
 その剥き晒しの巨石が物語る虚しさが、
 よく伝わってくるのだ。


 Oさんは、まだ内職をしているだろう。
 啄木の「手をみる」の短歌が浮かんでくる。


 近くの寺で鐘が鳴り始めた。
 ゴオーン。
 ゴオォーン。
 撞き慣れた者の手による音が聞こえてくる。

 アアーッ!




つづく


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