絵じゃないかおじさん

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仮想はてな・ストーリィ 下北山村の土の子!(2/3)

2015-08-15 07:37:02 | 仮想はてな物語 
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絵じゃないかおじさんぐるーぷ
                       




 * 下北山村の土の子! (002)


 私は、土の子に会った。(槌の子ではありません)
 その日は、わが愛車さやか(サヤカ)で、169号を太平洋に向けて
走っていた。
 場所は下北山村のあたり。

 季節は初夏。
 時刻は昼前。

 数時間走り詰めだったので休むことにした。
 169号沿いの小道に入り、少し見晴らしのいい場所を求めた。
 Sサヤカを道端に止め、小便をし、麦茶を飲んだ。


 山の緑が目に沁みる。
 煙草を吸った。
 煙を吐くと、その煙は谷底にスーッと吸いこまれるように
 流れ落ちて ゆく。

 それが、妙に新鮮だったので、煙草を吸うというよりも
 煙を吐いていた。
 そうこうしているうちに、早く太平洋を見て引き返さないと夜にまた
 この曲がりくねった169号を走らなければならないと焦りの心が
 湧き起こり、出発することにした。


 その時である。
 ナ・・・ナント。黒ヘルメットが2つもあるではないか!!

 道端の草叢にそっと置いた黒ヘルメットが、2つある。
 あれはどうしたことだ。私は気味悪くなった。
 その距離20m。
 近眼の私は、とくに目が疲れるので目薬をさしながら、
 バイクに乗る。
 休むときはメガネを外している。
 サヤカの荷台に置いたままだ。
 よく見ると2つのヘルメットのうち一つの方は
 小さくて動いているようだ。
 キラリと目のようなものが光っている。

 あれは、土の子に違いない!

 写真! 写真!!
 カメラ!!
 しまった!
 カメラも、サヤカの荷台だ。
 土の子の奴め、私に気がついたのか、パッと横になって
 転がるように路を横切って山側に消えてしまった。
 ヘルメットには、白い粘っこい唾液のようなものが着いていた。


                         つづく



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