YAMAHA GX750 ヘッドとシリンダーを抜く

2010年04月21日 | GX750
今まで作業をして、最大の難所の一つ(いくつもあるんかい・・・)が、ヘッドとシリンダーを抜く作業でした。

なんで大変だったかと言うと、とにかくスタッドボルトのサビ具合がハンパじゃないわけです。



わかります? 一番右の茶色いやつ。

このエンジンは、サイドカムチェーン方式を採用していて、エンジン腰上が非対称なんですね。

空気の流れにムラがあるんだと思います。

もちろん設計者は、その辺りのことは考慮して、オイルラインなどを考えているはずですが、

結果として、このような差が表れているということは、やはり熱分布が均一じゃないんでしょうね。

もちろん、長期間の放置も、サビの更なる進行を助けているわけで、とにかくそのまま使用することは出来ません。

写真と前後しますが、まずはヘッドを外しました。

と言っても、簡単には外れてくれません。



こんな感じに、鉄のプレートとボルト&ナットを駆使して、ネジの力でジリジリ抜いていきました。

まるで、開けてはいけない物を開けるような感じで、少しずつヘッドとシリンダーに、隙間が出来ていったのです。

お次はシリンダーですが、こいつを外すのにはホントに苦労しました。

1枚目の写真にあるように、手前の右端部分が、どうにも動かないわけです。

後でわかることですが、中でサビが膨らんで、シリンダーのボルト穴の内壁に、食い込んでいたんですね。

何とか少しの隙間が出来たところでギブアップしそうになったのですが

その時幼馴なじみが現れまして、コイツは困った時に、ひょこり現れてくれる、いい奴なんです。

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でも、もう居ないんです。
この数ヵ月後に、事故で逝ってしまいました・・・
だから、余計にやめるわけにはいかないわけです。
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奴は自動車整備が本業でした。

本職って、やはり何かが違うんですね。

自分がやっても、ちっとも動かなかったシリンダーが、徐々に動き始めたんです。

だんだん、その動く量が大きくなって、最後はヌルって感じで抜けてくれました。

後は、その残ったスタッドボルトを挟んで回そうとしたりしましたが、これがまた固い。

バイスクリップなどで挟むと、腐ってる部分が、グサッって感じで折れていきます。

どんどん短くなって、最後はここまでの長さに。



で、写真にあるように、ナットを溶接してみました。

当然ながら、溶接時にボルトの内部にも、かなりの熱が伝わってます。

コイツにレンチをかけると、ギリギリ・・・って手ごたえで、見事に外れてくれました。

今思い出しても、ホントに報われた一瞬です。

しか~し! この後に、また絶望の淵へ・・・

ヤマハの部品検索で調べると、このスタッドボルトが販売中止!

どうすりゃいいのさ~

まさに、笑っちゃうよ ですよ。

でも、諦めないもんねえ~ と、福島に住むバイク仲間がSR500に乗っていて、長さを計ってもらうと

1cmほど長いのですが、SR500のモノが使えそうじゃないですか(嬉)



とりあえず取り寄せて、きれいにしたブロックのネジ穴に差し込んで、シリンダーとヘッドを載せてみます。

確かにちょっと長いかなあ~

ホントに1cmくらい突き出る感じでしたが、旋盤で挽いたカラーを間にかましてみると

おお! ピッタリ。

苦闘2週間、スタッドボルトとの戦いに、終止符を打つことが出来たのでした。


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