ピアノ調律師(滋賀県、京都市)の独り言

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低音弦の響きが悪くなる「ボン」とい症状の修理

2011-08-14 21:06:24 | Weblog
年数が経つと低音部の弦は
汚れやサビが原因で響きが悪くなる場合がよくある

製造段階の巻き線の銅線の巻き方にも原因があるという話もあるが
それは定かではない

響きが悪いと持続音が短い
つまり音の減衰が早くなってしまう
また音の迫力も落ちている

これを直すには一番良いのは弦を新品と交換する事だけど
予算もかかるし、その後2年ぐらい新しい弦は伸び続けるので
度々の調律もやっかい

そこで、現状の弦を切れないように外し
ある程度回復させて戻してやる
何度もやってきたもんだから
こういう修理がやけに上手くなった
切らない確率がどんどん上がっている

写真にあるように巻き線部の一番下部から約16本が
綺麗なピンク色になってるのがわかると思いますが
一旦外して磨き直して取り付け直しています

(ただこれは縦型ピアノにだけ出来る技
グランドは1本1本独立した穴のようなものに
通してある為、切れないよう弦を外すことが困難)

半年ぐらいはそれでも狂いはややあるのですが
一度伸びきってる弦なので新品より
安定するのがかなり早い

低音の巻き線を全て外して磨きなおす事も多いのですが
全てを外すとやはり全体に張力を落としてやる方が安全
となると、その後の調律が大変になる

今回は悪いところが最低音部に集中してたので
悪い状態のあたりのみ修理を施しました

もう20年ぐらいの付き合いのお客さまなので
調律と別に800円だけ追加もらいました、笑
作業は2時に伺って弦を持ち帰って
近所なので3時半にもう一度行って張り直し
5時には完了と早く終わりました

ちゃんとピアノを大事にしてくれてるお客様には
こちらも最大限の努力をして行きたい
それはつまらぬ僕の意地、ただそれだけです


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