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音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」

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◆一ヶ月以上ブログ更新できず、これは「スランプ」!?・・・でもベートーヴェンはもっと・・・

2009年07月09日 | ベートーヴェン Beethoven
ついに一ヶ月以上ものあいだ、
ブログを更新することができませんでした・・・

楽しみにしていただいている方もいらっしゃるとのこと伺い、
とても嬉しくも、同時に大変申し訳ございません・・・


「スランプ」なぞという言葉を
容易く使ってよいものか、心苦しいものですが、
多少なりとも、こちらのブログにおける「スランプ」
なのかもしれません・・・

ふと、
この「スランプ」といわれるものについて思いを馳せてみましたら、
顔を出したのはベートーヴェンでした。



ベートーヴェンに限らず、
世の芸術家、クリエイターには
スランプと言われる、創作低迷の時期が
少なからずあるのではないでしょうか。

ベートーヴェンの生涯における最も重いスランプの時期は、
「危機的状況」であったとすらロマン・ロランによって言われる
1817年の前後にあったそうです。


その間の彼に何があったのか・・・


1812年の時点で、
「のだめカンタービレ」が火付け役となって今なお人気のある名曲
《交響曲7番》、それに並んで《交響曲8番》が完成しています。

それ以前には、ロマン・ロランにより「傑作の森」と名づけられた時期があり、
《ヴァイオリンソナタ“クロイツェル”》を皮切りに、
《ピアノソナタ“ワルトシュタイン"》《“熱情”》
《交響曲》においては、
《第3番“エロイカ”》《第5番“運命”》《第6番“田園”》
といった至極の名作が軒を連ねます。


その後・・・
ナポレオンによるフランス軍のウィーン陥落という時期があり、
ベートーヴェン自身も戦中の生活苦を味わったウィーン市民の一人として
生活面でも精神面でも苦しい状況にあったそうです・・・


・・・戦争はやはり惨い・・・


しかし、戦争だけでなく、
その時期のベートーヴェンには様々なスランプとなる要因があったようです。

◆健康面の悪化、
回復することのない難聴の障害に加え、
胃腸も弱くなり、時折体調をひどく崩すことも出てきたそうです。

◆執拗なまでに執着した甥の後見人問題、
40代を過ぎていよいよ自身の結婚願望は満たされそうになく、
自分の子供もいない状況に、突如亡くなった実の弟、
その一人息子カールをベートーヴェンが手元に置きたいと
裁判沙汰で非情な手段を使って母親の身元から引き離したという
異常なまでの行為・・・多忙な家族問題に(←自ら招いた)
作曲どころではなかったのかもしれません。

◆音楽上での行き詰まり・・・
1809年にウィーンを占領したフランス軍、その後
1813年にイギリス軍がこれを破った記念にベートーヴェンに作曲が依頼された
《ウェリントンの勝利》という曲があるらしいのですが
この曲は、
ベートーヴェンの生前において、最ももてはやされ、
世俗的な意味での「大成功」を博した音楽であったそうなのです。
今日、演奏される機会も少なく、人々の記憶からは遠のいている存在です・・・
(私自身まだ聴いたことがない・・・)
そして、
ウィーンでの流行の最先端においては、
ロッシーニ等のイタリア・オペラがもてはやされ、
ベートーヴェンの音楽は徐々に時代遅れの堅物というレッテルを貼られ
人々の興味の範ちゅうから外れていったといいます・・・


ついには、曲をほとんど書くことができなかった時期をむかえ、
この「危機的状況」と言われる1817年となるそうなのです・・・

その前後合わせると数年になるのでしょうか・・・


数年間のスランプ状態・・・
一人間として、その苦境を想像しますと、
なんとも心苦しさを覚えませんでしょうか?


いやはや、
自分が一ヶ月ブログを書けなかったと嘆いてみても、
こんなのは序の口と、我ながら情けなくなります。

とはいえ、
差はあれど、苦しむことがあるのは、どの人間にとっても同じこと。

「スランプ」をキーワードに久しぶりに筆を進めてみて、
ベートーヴェンも人、
私も人、
時代と国境を越えて、
「スランプ」というバイオリズムの低い時期があるという
人間の普遍性をここに少しでも見出すことができるとしたら、
少しは意味もありましょうか・・・

さぁ、がんばろ。

スランプを超えて、さらなる広い世界と可能性が拓けることだって
きっとあるのでしょうから!!

ベートーヴェンの音楽において一段と天上的な輝きを放つ後期作品があるように・・・

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