12月16日、原子炉は「冷温停止状態」に達し、事故そのものは「収束」に至ったと宣言した。
どこから、「収束」なんて言う方針がでてくるのか。
福島原発はいまだに炉心の状態さえつかめず、汚染水など放射性物質の放出もとまっていない。
避難した人は故郷に帰る目途さえ立っていない。
「冷温停止」とは本来正常に運転している原発が徐々に原子炉の温度を下げ停止することで、圧力容器底部の温度が100度以下などという勝手な条件を持ち出して「冷温停止状態」をめざすとしてきたこと自体ごまかしです。
圧力容器の底部の温度を外側から測って100度以下でも、内部がどうなっているかはわかりません。原子炉の中では高温で燃料棒が溶け、溶けた燃料は圧力容器から外側の格納容器まで落ちているとみられます。
汚染水がいまだに漏れる状態、海に流すとして、漁民に反対されて、撤回したばかり。
福島原発がなぜ重大な事故を起こしたのか、事故原因の調査も尽くされていません。
細野原発相が、18日、「野田首相が東京電力福島第一原子力発電所事故の収束に向けた工程表ステップ2の完了宣言に合わせて『事故そのものは収束に至った』と述べたことに福島県内から批判が出ていることについて、『収束』という言葉を使うことで事故全体が収まったかのような印象を持たれたとすれば、表現が至らなかったと思って反省している。(佐藤雄平)県知事にもおわび申し上げた」と発言したことが、報じられた。これも、ひどい話、政府の見解を担当大臣が否定している。