中国人のお葬式に、出張中の夫の代理で参列するという、ちょっと緊張するお葬式でした。
まず心配したのは服装、そしてお香典。
中国人の知人に電話で聞いてみると、日本のような厳密なしきたりは一切ないとのことでした。
服装は派手な色でなければ良いというので、黒を基調にしてベージュのジャケットで行ったのですが、それで問題なかったようです。
日本では猫も杓子もしてくる真珠のネックレスはこちらでは浮いてたかも。
香典も白い封筒の方がいいという他には決まりはなく、額は500~1000元(約7500~15000円)くらいと夫が聞いたそうなのですが、これは会社としての相場なのかどうか、わかりません。
会場は北京郊外の公共斎場でした。外観は工事(修理)中でしたが、中国独特の美しい装飾(伝統的高級中華料理店のような、と言ったらわかりやすいでしょうか?)を施した建物になるようでした。
広い敷地に葬儀から火葬までの施設が全部揃ってるようです。墓地は別の場所の宣伝が目に付きましたのでこの敷地にはないのでしょう。
会場に着くとまず夫の名前と会社名入りの花輪を手配しました。
花輪は日本のと同じような造花に名札をつけるだけのもので、でも室内に飾るので高さは2mほど、日本のような円形ではなく逆ハート型(蓮の花びら型?)に花を並べてあるものです。
すでに並んでいる他の花輪に合わせて120元(約1800円)の大きさのにしました。会場でなく市内の花屋に頼むと倍くらい高いそうです。
すでに一同葬儀の部屋に集まっていましたが、夫が世話になっている喪主(?)とその家族が出て来て挨拶してくれました。地味な色ではありますが平服でした。
友人知人は部屋の外で待機していたようですが私は親族と一緒に部屋の中に入れてもらい、式が始まりました。合図があると式場の司会者が高らかに開会の口上を述べ、続いて4人の棺係に押されて棺が入場、棺係は手押し車から部屋前部の壇上に棺を移し、ふたをはずします。故人はきれいに死化粧を施され、壇上に横たわった姿が現れます。
その一連の動作はきっちり決まっており、まるで衛兵交代の儀式のように4人揃って手先つま先まで見事に動きを合わせていました。
つづいて司会者に促されて外で待機していた人たちが入場、5人が横一列に並び、司会者の声に合わせて棺に向かって三顧の礼をしてからぐるりと棺の周りを回って遺族にお悔やみを述べて部屋の外に出ます。
我々会社関係の人もその列に入って三顧の礼をし、棺を回って遺族に挨拶をして出てきました。
そのあとの式次第はわかりません。
ですがすぐに喪主の人が出てきて参列のお礼を言ってくれました。
お香典はこのときに直接手渡ししました。
式が始まってから30分くらいでしたでしょうか。参列者にとっては日本のお通夜のようなものでした。
儀式としての荘重さはありましたが、宗教色がいっさいない分あっさりとしたものでした。