スーザンのひとり歌謡ショー

ボイストレーナーSUZANのつれづれぼやき日記。食う・寝る・歌う(~▽~@)♪♪ハワイを愛し今日もALOHA☆彡

コラム「R君の軌跡」

2018年04月01日 19時54分47秒 | Weblog
今日はボイトレレッスンで心震える素晴らしい歌声を聴かせていただいたので、備忘録のためにも彼を紹介する記事を載せさせていただきたいと思います(長くなりますので、興味ある方だけお読みください)

✍コラム✍

R君の軌跡(20代後半男性:音楽キャリアなし、カラオケ歴5~6年)
2016.10月入校 初めて彼の声を聴いた時の衝撃は今も覚えております
「未来へ/Kiroro」さんを唄われました。(kiroroさんか、、、男性ならいくつキー調整しようかな?)
と思った私の予想を超えて、原曲キーで歌われました。そう、彼はボーイソプラノのようなファルセット(裏声)ボイスで常に歌われていたのです♪
その天使のような歌声に、驚きつつも、これも個性であり、素晴らしい才能なので、これでいいのでは?という気にもなりました
しかし、不都合なのは、やはり歌える曲が女性のハイトーンのものに限定されることと、やはり成年男性としての声の魅力がだせないこと、音色が薄いので独唱にはあまり向かない歌唱法だということ、、、など
そこでご本人さんに、本来は男性らしい低音の声やミドルの声も出せますけど、これにはトレーニングが必要になりますし、今の歌い方と変わってしまいますがどうしますか?とお尋ねしたところ、「やってみたい!!」というお返事。

ただ、本校では12月の第1日曜に発表会があり、実質一か月の今からでは声を変えてしまうのはリスクが大きいため、現状のハイトーンボイスを生かせるような選曲「I want you back/Folder5」を練習していただきました。
元々洋楽もお聞きになってたR君は見事に歌いこなされ、マイケルの少年時代を彷彿とさせるような素晴らしい歌声をご披露されました♪その場で私は皆さんに「次回のR君の歌声を楽しみにしててくださいね」とお話ししました(これからの彼の変身ぶりを確信していましたから^―^)

2017.1月 年明けすぐからまずは声という楽器の仕組みから説明し、地声と裏声の使い分けを練習しました。
エッジの効いたハイトーンが出せるようになり、難曲「Youre the only/小野正利」を濃いハイトーンで歌えるようになられました!
これは、一般の方がボイトレで一番求められる強くて濃いハイトーンボイスなので、これは最終的に一番の彼の強みになることは間違いありませんでした。

4~5月あたりの春には、全体的に細かった声を徹底的に太くすること、ふくよかな響きのある音を作ることに留意しました.
そして声に太さが増してきたころ、夏にはいよいよ低音ボイス強化にはいりました。
課題曲は「卒業/尾崎豊」見事なまでにふくよかな男性らしい太い力強い低音ボイスを手に入れられました。
最初にお会いした時の少年はどこへやら??という位変わってしまわれました。
ただ、ここからが本当の難関になります。低音の太い力強い音が出られるようになると、全体にキーが低くなったり、そこからのハイトーンがまた難しくなったり、裏声にくるっと返ったような印象になり、一般男性が抱える
お悩みにまたぶつかることになります。。。

秋からはミドルからハイにかけての鼻腔共鳴に重点を置きました。本来ファルセットは強かった彼なので、抜けない鼻濁音のようなエッジのかかったミドル~ハイトーンを強化したり、そこからミックスしていく抜け感のあるハイトーンを強化していきながら、いろんな曲にチャレンジしていきました♪

2018.1月 どの曲も男性らしい声でしかも明るいブライトな声でいろんな曲が歌えるようになってる・・・すごい!
鼻腔共鳴した声が往年の郷ひろみさんにそっくりだったので、リクエストして「言えないよ/郷ひろみ」を唄っていただくと、これは天下一品!!!アメージング!!

2018.4月 先月お休みだった彼に、久々色々歌ってみましょう♪とやってみると、明らかに声のノリが以前と変わっていました。まさに翼を手に入れた!という位、自由自在にどの曲も楽々と原曲キーでしかも低音~高音までスムーズな行き来で、聴いてるこちらが心地よい笑顔になるようなハッピーボイスになってらっしゃいました。
そしてついに2オクターブある難曲「粉雪/レミオロメン」を原曲キーで楽々とそして心が震えるような素晴らしい歌い方で歌われました!!もうこれにはこちらが脱帽です。。。。

この1年半を長いとみるか?短いとみるか?は個人差があると思いますが、レッスンにして14~5回の月日で、彼の声は別人のような幅の広い懐の深い声に変られました
彼に感想を聞くと「歌うことが楽しくなった!!いろんな歌が歌えてうれしい!まだまだこれからもっと上達したい!!」と意気込んでらっしゃいます。

声を磨くためのトレーニングにおいて歌が上手くなることは、目標でありでも通過点だと思っています。
わたしの目標は『QOL(生活の質:クオリティ・オブ・ライフ(英: quality of life、QOL))をあげること。
声が変われば、人生が変わる☆彡
R君に実践をもって私も教えて頂いた者の一人です。ここまでこれたのは、ひとえに彼の努力の賜物です!
彼の努力に敬意を払いつつ、今後の益々の飛躍に期待しています☆

※声帯は一人一人違う楽器です!元の楽器が違いますので音色も違いますし、そこに使い方のクセ、キャリア、経験値、トラブルがあるかないかいろんな要素が組み合わさって、トレーニング内容はもちろん異なりますし、かかる時間やスピードも異なります。ただ、こうしてやる気があれば声は磨いていくことができる☆まだまだ可能性のあるジャンルです!ということの一例として参照していただけると幸いです。
いつでも、いつからでも、いつまでも・・・いい声で健やかな明るい毎日を♪

                     筆者:スザキジュンコ(リップレコードボイストレーニング教室代表)








長文お読みいただきありがとうございました。
「歌がうまい」という概念は、聴き手の好みや色々あり、一概に何が上手いか?といわれると、お答えしかねる場合もあります。

但し、R君の場合は、ご本人様の努力と向上心により、明らかに音域が拡張されたこと、音質が格段に上がったこと、音色がバリエーション豊かになったことは紛れもない事実です♪そのことによって歌える曲にバリエーションが増え、ラクに楽しく歌えるようになったこと、他の方から「上手くなったね~」とお褒めの言葉が増えたことなどから、やはり『歌が上手くなった♪』と評価できると思います。
ますます輝く未来へと☆次のステージへと駆け上がっていただきたいです♪とても嬉しい新年度のスタートでした(*^▽^*)ありがとう!

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