凛太郎の徒然草

別に思い出だけに生きているわけじゃないですが

僕の旅 北海道1

2004年12月07日 | 都道府県見て歩き
 北海道にはよくお邪魔している。20回以上だと思うけど正確なところは記録引っ張りださないとよくわからない。

 初めて足を踏み入れたのは19歳。この時は、自転車で住んでいた京都から走って行った。長距離の自転車旅はこの時初めてだったので感覚も掴めず、いつになれば北海道に着けるのか全くの手探りだった。結局10日で函館に上陸したが、真面目に走れば一週間程度で行けるのではないか。自力で行くと結構充足感がある。
 その後大きな旅行は2年後にフェリーに自転車を積んでいって北海道だけをひと月間。また翌年の冬に約ひと月、また翌年の冬に約ひと月。社会人になってからは、わりに夏は休暇が取れたので10日ほどの日程で毎年北海道へ。自転車の時もあれば車の時も。冬もちょくちょく訪れ、結婚してからは妻の実家が青森ということもあり正月の帰省の前後には札幌くらいまではよく足を伸ばしている。

 なんせ北海道は広い。道内に飛行機路線があり夜行列車が走っているくらいで、一度の旅行では回りきれるわけがない。つい「北海道」として考えるのでひと括りにしがちだが、国土の約2割強、九州の2倍ある。
 だから、例えば一週間の休みが取れれば知床なら知床と地域限定して観光するのが良い。よく「今日登別温泉、明日摩周湖」などという予定で回っている人が居るが、移動ばかりとなり非常に疲れ、また非効率的なので避けたほうが無難。初めての旅行だと欲張りになりがちなのはわかるけれども、例えば九州の人が本州旅行だと言って、「今日は京都、明日日光」と日程を立てるようなもの。移動でヘトヘトになる。出来れば一点集中の方が良いし、それが出来なくてもせめて道央、道東などといった括りで計画した方がいい。旅の印象が薄くなってしまう。
 例えば、知床に足を踏み入れたと仮定する。ウトロ側から行ったとして、まず普通の観光客が訪れるポイント、オシンコシンの滝や知床五湖、カムイワッカの滝、乙女の涙などの景勝地めぐりで一日、知床岬をまわる観光船に乗って一日、さらに羅臼岳に登って国後島を眼下に見下ろして一日、まだ余裕があれば秘境「羅臼湖」に足を踏み入れて一日(この羅臼湖は最近とうとうガイドブックに載りだしたが、未だに入口に標識が立ってないらしい。いいことである。秋は熊が出るが絶景と言っていい)、そして知床峠を越えて羅臼側へ向かいヒカリゴケや間欠泉などの観光地を回って一日、さらにセセキや相泊などの温泉まで視野に入れると日数はもっとかかる。忙しく観光しても一週間の日程なら知床だけで終わってしまう。
 割り切って、集中した方が思い出は濃くなる。

 北海道は見どころが多い。
 函館や小樽での楽しい街歩き。摩周湖や屈斜路湖をはじめとする美しい湖沼群。知床の未だ残っている手付かずの自然。富良野や美瑛のパッチワークのような農地の広がり。釧路湿原の雄大に蛇行する川の流れ。大雪山系の広大な眺め。オホーツクに押し寄せる流氷の荘厳さ。どこまでも続く道と内地に居ては見られない地平線。咲き乱れる花々。吹き渡る風。
 その中でも僕は道北と呼ばれる北の風景が好きだ。旭川より北、美深や音威子府を過ぎると畑より牧草地が目立ち、どこまでも続くなだらかな丘陵の景色が意識を大きくさせてくれる。浜頓別や猿払あたりの丘に立つと、本当にいつまでも佇んで居たくなる。サロベツ原野の広がる大地も然り。荒涼としてはいるのだが生命の息吹きは強く、いつも僕は圧倒される。その先にある利尻、礼文の島。海抜ゼロメートルからそびえる利尻岳は本当に登る価値のある山だ。何度訪れてもこのあたりは素晴らしい。若いときからずいぶん通い、今も痛切な思い出とともに僕の心に在る。

 次回に続く。

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