お遍路を始めて6日目、写真は日和佐城の日和佐城の歴史解説文。

朝のコーヒーを頂いた。
僕の方はもたもた片付けてて少し遅くなってしまったが、Kさんに別れを告げて、8時くらいにキャンプ場を出た。
Kさんは、別に急いでないし、太陽がもう少し出るのを待って、夜露に濡れたテントを乾かしてからキャンプ場を発つ、との事だった。
海岸沿いに走り、日和佐の町に着いた。
コンビニでおにぎりを買って、道の駅「日和佐」で食べた。道の駅では朝から露店の設置やら何やらで忙しそうな雰囲気。地元のテレビ局の中継があるのか、TVクルーらしき人達が忙しそうに働いていた。何か地元のお祭りでもあるんだろうか。
港町はいい。潮風のざわざわした触感、潮風と共に運ばれる潮と魚の匂い、かすかに聞こえる波の音、ガヤガヤと騒がしい朝の風景、直接肌を差す日光。全ての体感が刺激に溢れている。
そんな刺激に影響されて、昨日、観光案内所で見て気になっていた日和佐城に行くことにした。多少、時間をロスすることになるが、楽しそうな方向性にベクトルが向いていたので、行きたいんだから行くべきと思い、日和佐城に向けて出発した。
岬の上にある日和佐城までは、思ったより時間が掛かった。やめるか?と自問自答したくらい。
山道を上りきり、日和佐城内に入ると、天守閣はまだ開館前で入れなかった。ちょうど管理の人がドア越しにいたので、声を掛けたら、中に入れてくれた。天守閣の中は鎧や槍が展示してあり、外見とは異なる近代的な建物で、日和佐の歴史資料を紹介してあったりして、それなりに楽しめた。
戦国時代の長宗我部の事にも触れていた。

当初、国道55号沿いに室戸を目指す予定でいたが、道路沿いの風景は重要なので、そのルートで海沿いに南下する事にした。
南阿波サンラインに入ってから、失敗した、と思った。道のアップダウンが激しい。いきなり急な坂道を何百メートルも上る事になった。
国道を走っていれば、これほど急な坂道はまず無い。

しかし、走っていると、その景観は最高!車もほとんどいなかったし、路面も整っていて走りやすい。
広い駐車場付きのビュースポットでは軽食店が営業していた。もちろん軽く休憩。
そして、海岸沿いに朝の太陽を浴びながら、痛む膝をさらに酷使して、3時間近く掛けて、やっとこさ南阿波サンラインを抜けた。
ちょうどお昼の時間帯、南阿波サンライン終点の町、その町の国道沿いにお弁当屋さんを発見。
そこでお弁当を買って、その隣の遍路小屋で食べた。お遍路さんはここでお昼を食べてね、と言わんばかりの親切さ。
遍路小屋ではいつもお世話になった。トイレもあるし、お茶を置いてあったりする。山道の途中には必ずあるし、地元のお遍路経験のある個人や団体有志が作ってくれてたりする。多くの場合、お遍路ノートが置いてあって、そこには感謝の言葉が書かれている。
お遍路さんが感謝の意をこめて手を合わしたり頭を下げる行為が、廻りまわって、こういう所にまで心遣いが入って、それがお遍路文化として成長していったのかと思うと心から頭が下がる。この遍路小屋もそのお遍路精神の現れの一つだと思う。

14時半くらいに道の駅「宍喰温泉」に到着。とりあえず休憩。
その日出来れば室戸岬まで行きたかった。
ただ、この日の宿はどうしようか悩んでいた。
この後は、恐らく室戸までは山が海まで接近した地形で町などないはず。
しかも、このまま走りつづけても夜遅くなるし、その室戸までは30km近くある。海と山に囲まれた夜を走り続ける自信は無かった。
どうしようかと思い悩んだ。
友達とメールでやり取りして、その途中にあるだろう民宿を探してもらったが、どの民宿も値段がわからないし、ここからどれだけ距離があるかも不透明。宍喰の町にある民宿は、道の駅の人に調べてもらった結果、どこもだいたい同じくらいの値段。
結局、まだ宿に着くには早い時間帯だったが、ここ道の駅「宍喰温泉」の宿泊施設に泊まる事に決めた。決め手は温泉!
決断すると早い、素泊まりでチェックインし、懐かしい80年代の雰囲気を感じさせる施設の畳敷きの部屋に案内してもらった。意外と広い。
荷物を置いて、早速、温泉に入りに行った。
まだ15時くらいだったが、風呂場には先客が数人いた。宍喰は港町で、地元の真っ黒なおじいさんばっかり。その中に一際真っ黒なおにいさんがいる、しかもプロレスラーか?と思わせるくらい筋肉隆々、サーファーだ、本格的なサーファーだ。
よそ者が珍しいのか、地元の黒い人たちに声を掛けられた。
「お遍路か?たいへんやろ?」「ほー自転車で??」「最近は若いお遍路さんも良く見かけるな、ついさっき若い女のお遍路さんを見かけたけど、若いのにえらいよなぁー」等とフランクに話し掛けてくれた。
サーファーさんに限らず、おじいちゃん連中までたくましくて、海の荒波がそうさせるのか、顔つきとかすべてが豪快だった。
お風呂自体はまあまあでした。
それと海側の一面がガラス張りで、日光が沢山入って気持ち良かった。
風呂から上がった後、溜まった洗濯物を洗うため、コインランドリーを探しに宍喰の町に出かけた。
町並みは、山に囲まれた港町らしくこじんまりとした風情。車一台通れるような小さい路地が山の合間に律儀に張り巡らされているといった感じ。
街の人に聞いたりして、ようやくコインランドリーを見つけた。値段が高かったが、まあしょうがないか、と思い洗濯機に入れた。そして薬局に行き徳島から抱えていた膝痛用に関節痛の塗り薬を買う。
コインランドリーに戻り、洗濯物を乾燥して、スーパーでお弁当(予算緊縮のため)を買って、道の駅「宍喰温泉」に戻った。
宍喰温泉の宿泊施設は全体的に大きめに作られてて、国民宿舎のような感じの建物。部屋は和室でそこそこ広かった。テントや寝袋を干して、お弁当を食べた後、また温泉に入りに行った。
次は僕が泊まっている隣にある「ホテルリビエラししくい」の温泉施設。
宍喰温泉の宿泊者はタダで入れる!というおいしい特典が付いていたので。
こちらの入浴施設は新しくて大きい。湯船も大浴場・ひのき風呂・薬湯・サウナと各種様々あったし、お客さんも少なく、じっくり入れた。
サーフィンを楽しんだ後に、ゆ~っくりお湯に浸かって身体をほぐして下さい、といった、施設のアピールポイントを十分に楽しんだ。
結局、2時間程度いろんなお風呂・サウナを満喫した後、部屋に戻る。
お遍路をスタートしてからこれまで、満足に夜の時間を過ごした事は少なかったけど、ここでは最高に贅沢な雰囲気を味わって、寝た。
続きは>>お遍路を自転車で・・・50で。
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