浅はかだった日本サッカー界、そして無責任なＡＦＡ

サッカー南米、日本が参加辞退…海外組参加困難(読売新聞) - goo ニュース

これは当事者である協会はもちろんですが、マスメディア、そして先月の出場再決定に諸手を挙げて歓迎したサポーターも反省しなければならないでしょう

本来は東日本大震災でＪリーグが中断、南米選手権期間中にリーグ戦を開催しなければならなくなったために代表編成が困難となり、一度は出場辞退しました。
しかし南米選手権の開催国であるアルゼンチンのサッカー協会（ＡＦＡ）の会長グロンドーナが「南米選手権をＦＩＦＡのＡマッチと同じ扱いにして、協会に選手の招集権を持たせるように、ＦＩＦＡに働きかける」と発言し、それをきっかけに一転して再出場を決めたというのが今までの経過です。

個人的にはＡＦＡ会長のコメントを信じてしまったのが大変浅はかだったと思っていますが、それは会長の説得に（結果的に）騙された小倉会長や協会幹部はより浅はかだったとしか言いようがありません。
しかしＡＦＡ会長のグロンドーナは、サッカージャーナリストの後藤健生さんのコラムによると「エスキモーに氷を売ることができる男」と呼ばれるほどの商売上手だとか商売上手ということは弁が立つということですから、小倉会長がＡＦＡ会長の説得を信じ込んでしまったということでしょう。（マスメディアもＡＦＡ会長の実態を取り上げるべきでした）
ですが、ＦＩＦＡは内規を変更することを呑まず、結果論で言うとグロンドーナの約束は破られたわけですが、ＡＦＡ（グロンドーナ）がこの件で最大の努力をしたのかどうかが怪しく感じます。
この一件で、個人的には「ＡＦＡは信用できない組織」という認識を持つことになりました。

ところで、朝日新聞で指摘していますが、この「再辞退」でザックが協会にどのように感じているのか、心配になります。
朝日ではザックは南米選手権に最低でも（ザックがセレクトした）15名が揃うことを条件としていましたが、15名の招集は困難だからという理由で「再辞退」に及んだと指摘しています。
これが事実だとすれば、出場辞退の最大の理由はザックになってしまうのですが、ザックとすればたまらないでしょうし、ザックが協会に対して不信感を抱くのではないかと心配してしまいます。
個人的にはＮＨＫが地上波を生中継するので莫大な放送権料が入ってくることが予想されますし、協会幹部が４月に再出場を決定した背景に「莫大なマネー」があったことは容易に想像できます。

東日本大震災ではプロ野球とは異なり迅速で適切な対応をしたサッカー界は株を上げましたが、この一件でその株を下げてしまったことは否めません

しかし日本代表の強化の源泉となるのはやはりＪリーグ。
リーグのレベルアップは避けては通れませんし、地道な過程かもしれませんが、サポーターもＪリーグも盛り上げていきましょう