けいいちの日記

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Jが欧州の草刈り場になってたまるか【J特】

2011-02-19 | 国内サッカー
岡崎、出場OK!!FIFAが暫定裁定(サンケイスポーツ) - goo ニュース

ヨーロッパリーグに岡崎はフル出場を果たしましたが、清水とシュツットガルト間の問題の解決は長引きそうな気配です。
自分には何だかよく理解できない問題ですがこの問題はJのクラブと海外クラブの関係を表している一端ではないかと思います。(つまりJリーグが欧州クラブになめられているということです)

昨年のワールドカップ後に長友や川島などが海外クラブへ移籍しましたが、その中でも日本人選手の欧州クラブへの移籍先として突出しているのがブンデスリーガです。
ブンデスリーガ自身が「前半戦のMVP」と称賛した香川を筆頭に、シャルケの内田篤人、夏の移籍市場締切ギリギリで移籍した貴章、そして年が明けて浦和の細貝、広島の槙野が移籍しました。ブンデスリーガには日本代表の主将である長谷部もおり、日本人にとっては最も身近な海外リーグになりました。
日本人選手が海外クラブ、しかもチャンピオンズリーグを見据えられるクラブに移籍するのは日本代表にとってはプラス以外の何物でもありませんが、それが日本サッカー界にとってもプラスなのかとなると諸手を上げて歓迎するわけにはいきません。
それは今月2日の産経新聞や(土曜はいつも妻を職場へ送迎するのですが、その行く途中でラジオでの)「日本全国8時です」でスポーツライターの生島淳さん(生島ヒロシの弟さんだそうです)が、それぞれ触れていましたが、Jの各クラブに対してブンデスリーガの移籍先が「移籍金0円」で獲得しているからです。

産経新聞では移籍金額が掲載されていますが、まともに獲得したのはシャルケが鹿島に支払った1.5億円で(さすが鹿島、抜け目のなさがJのリーディングクラブである証です)、ドルトムントは移籍金0円(しかし育成費で4千万円をセレッソに支払っていますが、今の香川の価値を考えれば4千万円なんてあってないようなものでしょう)、槙野も細貝も0円、貴章に至っては契約期間が残されているにもかかわらず違約金が派生しないという契約で結局アルビに支払われる金額は0円でした。
今朝のラジオで生島さんは「クラブが選手に対して親心があって、海外に移籍する際には移籍金が派生しない契約がある」と語っていましたが、貴章の場合はまさにそれ。
一昨年の夏に欧州挑戦が取りざたされていましたが、結局は残留。そういう経緯があってクラブとしても「親心」を見せたのでしょう。自分は貴章の海外挑戦は嬉しかったのですが、クラブ経営としては移籍金0円で移籍させたのは判断ミスだと思います(アルビの場合は財政が厳しいだけに余計にそう思います)
更に生島さんは「ブンデスリーガのクラブは日本人選手に移籍金が生じる場合は獲得しない」と語っていました。
そりゃそうでしょう。ワールドカップに出場できなかった香川が大ブレークを果たせば、ワールドカップメンバーを筆頭に日本人選手に関心が高まるのは当然の成り行きですが、欧州の選手よりは「リスク」が高い日本人選手に高額の移籍金を支払うのはためらいがありますし、タダで獲得できれば活躍できなかったとしてもクラブとしては深い傷は負わないわけです。

信毎でもこの話題が取り上げられていましたが、Jのクラブは有力選手を0円で移籍させることに危機感を募らせているようです。しかしJリーグの幹部は「海外クラブに有力選手が移籍するのは日本サッカー界にとっては良いこと」という趣旨のコメントが掲載されていました。
これを読んだ時に、新聞を見て久しぶりにカチンときましたし、「このJリーグ幹部はアホだな」と半ば呆れてしまいました。
確かに日本代表のレベルアップのことを考えれば良いのですが、この幹部はJリーグが欧州(特にブンデスリーガ)の草刈り場になりつつある現状を踏まえているのでしょうかね?
浦和や名古屋、Fマリノスや大宮等のように裕福なクラブならば移籍金0円でも痛くもかゆくもないことなのかもしれませんが、アルビのように財政的に厳しいクラブにとって有力選手が去る際に残してくれるであろう移籍金はクラブの強化につなげるためにも欠かせない金脈なのです。(アルビのことになりますが、貴章は仕方ないかもしれませんが、(代表クラスの)ヨンチョルや高徳が仮に海外クラブへ羽ばたく際には是非とも「置き土産」を残してもらいたいですし、アルビの経営陣は同じ轍を二度は踏まないでいただきたいと切に願います!)
話は脱線しましたが、移籍金は(財政が厳しい)クラブにとっては命綱でもありますし、欧州のように「育成し、選手を売ることで経営を成り立たせる」クラブがJにも現れてもよいと思います。(ガンバは育成に成功し、育成選手を上手に「売却」することで今の隆盛を築いたのだと思います)

Jリーグを発展する上でもこの問題を看過するわけにはいきませんし、各クラブの努力は求められますが、それ以上にJリーグとして危機感を覚え、対策を講じるべきではないでしょうか。


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3 コメント

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同感 (なんちゃて○○)
2011-02-20 01:52:23
日本人選手が海外でプレーするということは喜ばしいことですが、
主力選手が何も落とさずにチームを出るという事態は重く考えるべきですね。

そもそも、「移籍金もゼロなら獲ってもいい」くらいのオファーで
あることは選手にとっても相当のリスクです。
若い選手は「それでも頑張れば・・・」なんて夢を見るのも分かりますが、

ほぼ機会すら与えられずに帰ってきている選手も多くいるではないですか。

最低でもそれなりの金額が付いたレンタル→完全移籍のオプションは
必要でしょう。

また、チームの運営としても、主力選手の複数年契約は必要でしょう。

もちろん財政的に不安定なのは分かりますが・・・。
単年契約がメインということ自体が引き起こしている状況でも
あるのでね。

まずは若い有力選手には海外オファーが来たら
レンタル(完全移籍オプション)
で出してもいいという条件をつけての複数年契約。
主力には当然複数年契約。

ってのでやって欲しいですね。
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Unknown (::)
2011-02-20 19:18:21
同感。流れを変えるには今しかない。なぜなら、香川などの活躍で日本人も使えるという認識が広まれば、金を払ってでも日本人を獲りたいと考えるクラブも出てくるだろうからだ。

特に、宇佐美のいるガンバはヘマしないで欲しい。移籍させるなら、きちにと移籍金を獲得するべきだ。
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コメント、ありがとうございます (けいいち)
2011-02-22 22:01:24
なんちゃて○○さん
最も良いのは複数年契約で、そうすれば選手を獲得する際には違約金が派生するわけですから、効果的な手段ですね。
問題はクラブにそれだけの経済力があるのかどうかという点です。
レンタルする際に、完全移籍という条件を付けるのも良い方法ですね。

::さん
ガンバは(宇佐美移籍となれば)妥協しないでほしいですね。
もし宇佐美をタダで放出したら、欧州全体に「Jリーグの選手はタダで獲れる」という認識を持たれてしまいますから。
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