夜明けの曳航

銀行総合職一期生、外交官配偶者等を経て大学の法学教員(ニューヨーク州弁護士でもある)に。古都の暮らしをエンジョイ中。

出前講座・ジェンダーと法

2005年01月21日 | profession
昨日は、市の男女共生課からの依頼で、市の女性センターで、市民や市の審議会委員を対象にした「ジェンダーと法を考える」という講演を行った。

63名の受講者のうち、男性は2名だけだった。
男性にこそ聞いてほしいので、大変残念だ。

共通教育の「ジェンダーと法」で話していることのダイジェストだったが、受講生の多くが質問や発言等を熱心にしてくださった。ジェンダー・フリー運動のバックラッシュ現象の一つとして、憲法24条(両性の平等)改正を自民党で検討していることについてどう思うか、などという、よく勉強されている方の発言もあった。24条のために日本の家庭が崩壊し、犯罪の低年齢化やニートが増えているなどとのたまう女性議員がいるのだから驚く。

松本テレビが取材に来ていた。

講座の後、男性受講生の一人が私のところに来て、「ここに来る前に、テレビのニュースで教授のセクハラのことをやっていたが、学生が病気になる前になんとかできなかったのか?」とおっしゃり、返す言葉もなかった(私自身は、学内のセクハラ関係の委員会等の仕事はしていないので、記者発表まで知らなかったが)。それにしても、同じ日だったというのは皮肉だ。

次回、「ジェンダーと法」の最終講義でいったいどうしようか、悩んでいる。
今、セクハラ裁判やレイプ裁判の資料を読んでいるところなので、この事件に触れないわけにはいかないだろう。
学生の小テストを見ると、当初よりずっと意識が高くなっており、ものすごく手ごたえを感じているのに。とくに理系の男子学生の意識の改革がめざましい。
シナリオ形式の資料を学生に朗読してもらっているのだが、加害者役の科白をお願いした男子学生が、講義の終わりに、「先生、僕、次の授業休んでもいいですか?あまりにも人間として許せない科白なんで、読むのが耐えられないのです」といってくるまでになっていたのに…。
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