夜明けの曳航

銀行総合職一期生、外交官配偶者等を経て大学の法学教員(ニューヨーク州弁護士でもある)に。古都の暮らしをエンジョイ中。

入院の顛末

2004年09月02日 | Weblog
HPを作っていろいろな経験をたくさんの人と共有したいなと思っていましたが、私には無理と諦めていました。
しかし、昨日たまたま目にした占い(私は結構占い好きです)に「9月3日からの2週間が今年最大の転機、HPを作成したりするとラッキー」とあり、これを9月1日に読んだのは(雑誌は3月に出たもの)何かの導きと思い、「勢いでできるところまでやってみよう」と考えました。
初心者でもできるブロクなのにまだまだ荒削りですが、だんだんと改良していこうと思います。辛抱強くお付き合い願えれば幸いです。

たくさんの方に心配していただいた入院の顛末からご報告します。
大学に赴任したのは昨年の6月ですから、昨年度の後期、今年度の前期を終えて、やっと一通り。
初めての教師生活で無我夢中の1年でした。
前期に担当したのは新入生ゼミナールと契約法(週2コマ)で、後者では、毎回小テストを実施しました。答案は少しずつ返していたのですが、半分くらい残ってしまい、最終講義(7月27日)までに返却しなければ、と採点のため徹夜続きの毎日でした。試験は、たとえば百貨店の通信販売のHPのコピーを配布し、その特定商取引法上の問題を記述させるといった文章問題ばかりだったので、140名分の採点は時間がかかります。
前日の26日、採点しながら、右足の膝下がだんだん痛くなってきて、夜中の2時に全ての答案を採点し、名前別に綴じ終わった際、気づくと足は腫れ上がり、歩くたびに激痛が走るようになっていました。「明日の講義ができなくなっては大変」と慌てて大学病院の救急に駆け込み、診てもらったところ、熱も7度7分あり、とりあえず薬をもらい、明後日また受診することになりました。
27日は朝から体がだるく、講義の直前まで研究室のソファで横になったりしたものの、何とか最終講義を終えましたが、「これは変だ」と思い、大学の健康安全センターにいったら熱が9度近くあり、所長からすぐ病院に行くようにいわれ、病院では「即入院」と言い渡されてしまいました。

2時間だけ猶予をもらい、急いで大学に戻って、翌日の期末試験の手当て、その他のいろいろな調整を行い、宿舎にも行って大急ぎで身の回りのものを準備し、一人で入院しました。

病名は「蜂窩幟炎」。足の虫刺されか草かぶれかでできた傷口から細菌が入って、徹夜で免疫力が低下していたために血液の炎症になったということで、入院して抗生物質の点滴を受けなければならないとのことでした。

期末試験の代行をしてくださっただけでなく入院中足りないものを取ってきてくださったA先生、自主的に期末試験の応援に来てくださった椎名先生、おいしい葡萄をもってお見舞いに来てくださった青木先生、手作りパン等をもって2回も来て下さった閻先生、ありがとうございました。

夫は金土日と来てくれ、土曜日には夫に車椅子を押してもらい、再び研究室に行って、次の週、期末試験の解説講義や新入生ゼミの15回目の講義を控えていたので、退院が長引いた場合の手配をしました。

おかげさまで入院は丸7日間ですみ、8月2日には無事退院できました。

翌3日には、予定通り新ゼミの最終回を、4日には契約法の期末試験の解説講義、同夕方には点字講習会を行いました。夏休み合宿をしよう、という話がまとまりました。
4日にはハワイ大学ロースクールのフォスター教授が、集中講義と特別講演のためにいらっしゃいました。
フォスター先生はこの春、長野県弁護士会のハワイ視察旅行に私が通訳として同行した時に大変お世話になった方です。(視察報告は国際商事法務2004年7月号に掲載しました)
5日夜は、フォスター先生の特別講演「司法の独立」で通訳を務めました。ただでさえ身長差があるのに、先生用の椅子が高すぎて私も座ると遠すぎるので、痛い足をかばっての立ち通しがちょっとつらかったです。普通に日本語訳するだけでなく、法律の専門用語については解説を加えたりし、聴衆にわかりやすいよう工夫しました。小宮山学長もいらして医学者らしく生殖倫理と裁判のことを質問してくださり(質疑応答も通訳しました)、本当はスケジュールの都合で1日目しか来られない予定だったのに、翌日もスケジュールを変えて来てくださいました。
お世辞だと思いますが、2日目の挨拶の際、「本当は今日別の予定があったのですが、昨日通訳が非常にわかりやすく門外漢でも楽しかったので、わざわざ予定を変更して今日も来ました」と言ってくださったのがうれしかったです。その2日目の講演のテーマは「Corporate Governance」で、日本の制度についても通訳の際、説明を加えたりしました。

6日の講演の後、フォスター先生のために長野県弁護士会の方々がハワイ視察旅行の際のお礼の宴を設け、それにも同席しました。参加者一人一人がハワイの感想とお礼を述べ、ハードでありながら楽しかったハワイ旅行がその場に蘇ったかのように愉快な一夜でした。
働く女性として尊敬してやまない田下弁護士と久しぶりに会えたのもとても嬉しかったです。
夢見ていた職業とはいえ、現実の大学という職場にはがっかりすることも多々ありますが、激務の中でも地域法曹のあるべき姿を真摯に考え行動する長野の弁護士の方々に接するたびに勇気づけられます。

7,8日の土日は夫が来ました。単身赴任が始まってから、私が帰京できない週末は夫が来てくれます。今は観光シーズンで道が混んでいるので大変なのですが。どちらかが出張でもない限り、週末は必ず一緒にいます。
7日の昼は、5月に私の官舎で女性教員ばかりでbaby shower partyを開いたお礼ということで、A先生がお宅に招待してくれました。料理もおいしかったし赤ちゃんもとてもかわいく、抱かせてもらった夫の姿があまりにさまになっているので、なかなか子供ができないことが改めて淋しくなりました。

翌11日は、私も聴講させてもらっていたフォスター先生のアメリカ証券取引法の集中講座が終了。
優秀な法学者でありながら気さくで謙虚なフォスター先生の人柄にはみんな感動します。
私が法学論集3号に発表した国際金融に関する英文の論文の抜刷を差し上げたら、翌日に「私の知らない国際金融会議の情報が載っていて、非常に役立ちました、さっそくネットで詳細を調べました」とおっしゃる勉強家ぶりにも脱帽です。

その日は新ゼミ、契約法の成績提出の仕上げで徹夜となりました。

1回目の日記、長すぎてすみません。
明日は点字サークルの学生が東京の我が家に合宿に来ます。






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