夜明けの曳航

銀行総合職一期生、外交官配偶者等を経て大学の法学教員(ニューヨーク州弁護士でもある)に。古都の暮らしをエンジョイ中。

被災した方々にお見舞い申し上げます。

2011年03月12日 | Weblog
大きな地震が起きて、死者が1000人を超えた。

いわきと仙台に恩師がいらっしゃるが、伝言ダイアルにも登録されていないしもちろん電話も通じないので心配である。
(どなたかご存じなら教えてください)Facebookでも呼びかけたのだけれど。いわきの先生は携帯もパソコンもお持ちでなくTVは天気予報しか見ないという方なのだが。

東京でも憂国忌の会場となっている九段会館で天井が崩落して死者が出たと聞いて驚いた。

京都でもその時間、かなり長時間揺れ続け、机の下に退避した。(授業期間でなくてよかった)

また、携帯電話がずっと「圏外」になっており、一般電話からかけても夫の携帯にも通じなかった。

東京の知人は帰宅できず会社に泊まったそうだ。

2月に見に行ったNODA MAPの『南へ』の公演中止のメールが来た。

今夜TVで上映が予定されていた『ゴールデン・スランバー』は別の映画に差し替えられた。
仙台を舞台にしているからだろう(原作者の伊坂幸太郎は千葉出身だが東北大法学部を卒業した後も仙台に住み、仙台を舞台にした小説を多く発表している。)

京都は今のところ日常生活に影響はなく、今日予定している後期日程入試も予定通り行われる(地震のため受験できなかった人は追試で対応するとのこと)。



海外から安否を気遣う友人のメールがいくつも来たのに加え、卒業したオックスフォード大学のSomerville College とHarvard大学から学長、総長名でお見舞いメッセージが夜中の内に来ていたのに驚いた。

以下に貼り付けるが、オックスフォードとケンブリッジは英国の中で今でも古いカレッジ制をとっている。
全ての学生は、どこかの学部とカレッジに在籍するのだ。学部が縦糸、カレッジが横糸で、後者はHRみたいなものと考えればよい。私は法学部の大学院生であると同時に、Somerville College(写真)の学生だったのだ。

Somervilleは、現在は共学だが、伝統ある女子カレッジで、サッチャー元首相、ノーベル化学賞受賞者のドロシー・ホジキン氏、インディラ・ガンジーなどを輩出している。

カレッジごとの結束は堅く、カレッジごとに紋章やマフラーのカラーが決まっていて、毎年カレッジ対抗ボートレースをやるし(私の在学中優勝)、卒業時にFirst Class(上位10%の成績表彰)の人数を競ったりする。私がFirst Classの表彰を受けると決まったとき、Tutorの先生が「うちのカレッジは今年は少なかったから本当にありがたいわ」と褒めてくださったのが忘れられない。

毎年、卒業生の近況を聞くアンケートを実施して、それが毎年送付される同窓会誌に反映されるので、私も結婚したり、転職したり、著書を出す度に掲載してもらった。

今回のメッセージも、「日本に16人いる卒業生」とか、「ニュージーランドにお見舞いのメッセージを出したときの返事に日本の援助協力に感謝するというメッセージがありました」とか、本当に通り一遍でない、心のこもったメッセージで、思わず涙が出た。
Dear Somervillians,
The terrible news and pictures this morning have brought the 16 Somervillians living in Japan powerfully into our thoughts here in Somerville. The magnitude of the quake and the tsunami is truly shocking and the scale of a natural disaster of this kind is quite difficult to grasp in peaceful Oxford. We hope that you and your families are safe and that any friends and loved ones that you may have near the epicentre of the quake are unharmed. It is very sad to think that only a matter of days ago we were sending a message of this sort to Somervillians in New Zealand, and one of the very touching replies we received referred to the New Zealander's gratitude for the efforts of a special Japanese earthquake disaster crew with their dogs, sent in to help New Zealand. We hope that the whole world will be ready to help Japan now.
we will keep you in our thoughts during the dark and difficult days ahead.

With sincerest good wishes.
Dr Alice Prochaska, Principal
Liz Cooke, Secretary to the Somerville Association


Harvard大学からも、Faust総長の名でメッセージが来た。

Dear ○○ ○○,

We are following the unfolding events in the aftermath of the earthquake and tsunami in Japan with alarm and concern and want you to know that the Harvard community is thinking of you in this time of unexpected hardship. Harvard's strong and long-standing ties to Japan are deeply valued here at the University, and I was grateful for the generous hospitality of our vibrant alumni community during my visit last year. Please know that you are in our thoughts.

Drew Faust

President
Harvard University

オックスフォード大学に比べると、短いメッセージだけど、冒頭にちゃんと私の名前がフルネームで書いてあるのにびっくりした。日本に卒業生は無数にいるだろうのに。

Harvardからも、一ヶ月に一度は手紙が来るが、たいてい寄付のお願いだ。

年に一度アンケートで個人情報を登録するときに、年収欄の最低レンジが10万ドル以下になっているので、私なんかが寄付する必要はないと考えるが。


改めて疑問に思ったのは、やはり世界中から留学生を受け入れている母校・東京大学では、海外の被災地の卒業生宛に同じように迅速にメッセージを送れているのか、ということ。

2004年に法人化してから、初めて、同窓会関係のきれいな広報誌(相当金がかかっているように見える)がしょっちゅう届くようになったが、(寄付のお願いも来る)、こういう部分でこそ海外の大学を見習ってほしいものだとつくづく思う。

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