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ある日、超能力に目覚めた件 451P

2024-05-19 19:18:33 | 日記
「くっまさかこんなことになるなんて……流石に弾数が心もとなくなってきたぞ」
 
 アンゴラ氏が自身の力を込めた石を投げて向かってくるおかしくなった人たちを気絶させつつ、そんな事を言う。そこらの石ころでよかったからぽっけがいっぱいになってジャラジャラなるほどに用意してたアンゴラ氏。
 けどその石もどうやらこれまでの対応でかなり数を減らしてしまったらしい。実際そこらの小石を使ってるといってもその石の表面にはアンゴラ氏か変な模様なのか文字なのか……それを書いてる。
 だからもしかしたらそこらの小石をそのまま使う……という事は出来ないのかもしれない。そうなるとこの多くなりすぎたおかしくなった人たち……しかも現在進行形で増え続けてるその被害者達を安全に止める術がなくなってしまう。なにせ彼等には近づくだけで危ない。彼らをおかしくしてるその力……それは見えず匂わず、けど近づくだけで全ての者に影響を与える。
 だからこそ、近づかれる前に無力化する必要がある。けどそれが出来る存在は草陰草案達の中ではアンゴラ氏しかいなかった。草陰草案の力でならその見えない侵略者の力を押し返すことはできるが、浄化していくとなると流石に一人ずつやっていくなんてできない。だからこそ、今は草陰草案はその力を温存してる。
 
 下手に建物に入ったらそこで追い詰められるかもしれないし、今入れる所はしまってるか、既に入り口が壊されてしまって今や阿鼻叫喚の所しかない。外に出ててまだ元気に動いてるのはどうやらもう草陰草案達しかいないのか、そこに集まってきてる感じだ。
 
 大きな通りの道路とかは既に封鎖……というか、フラフラとしてたおかしくなった人が道路に出て、それに驚いた誰かが車を止めて「こらー!」なんかしてるとその人が襲われるってことが起きて、それが何度か連なると道路の真ん中で止まってる車が増えてどうしようもなくなるってことが起こってしまってる。
 
「逃げても事態は好転しないぞ。チャド氏、まだか?」
 
 その言葉を受けるチャド氏はその手にダウジングの棒を持ってる。そしてそれはクルクルと360度回ってた。それでは全然使い物にならないが、チャド氏は目を閉じて集中してる。
 
 何やらぶつぶつとつぶやいてるチャド氏は次第に足元がおぼつかなくなってくる。別に変な力に冒されてるわけじゃない。チャド氏がそうなら既に近くにいる全員がおかしくなってしまう。だからきっとそれは自身の力を使ってる影響なんだろう。
 
 次第にゆっくりとなっていくダウジングの回転。そしてよろよろと同じ方向を示した。
 
「あっちだ」
「よし!」
 
 その言葉を聞いたアンゴラ氏は進行方向で邪魔な人たちに向けて石を投げる。そっちにみんなで走った。可笑しくならないように草陰草案がキラキラとした力を展開して皆を守る。
 
「えっと、どこに向かってるんですか?」
 
 そういったのは大川左之助だ。彼は自分の疑問とこの番組を視聴してる視聴者の代弁をおこなったらしい。そんな彼の言葉に酷く汗をかくチャド氏はこう答える。
 
「元凶だ。そこを指示してくれている」
「それって……本当……ですか?」
 
 そもそも今の所何が原因かも彼らはわかってない。でも元凶の所に案内できるという。コメントでは懐疑的な言葉が連なってる。けどチャド氏を知ってる皆は何も言わない。それはきっとチャド氏の力を信じてるから……だと大川左之助たちは思った。


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