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ある日、超能力に目覚めた件 474P

2024-06-20 07:32:19 | 日記
(お願いだ……早く)
 
 そんな風にアンゴラ氏は思ってた。もう片目はほぼ見えない。真っ暗というよりも、腫れあがった瞼の上のこぶの性で視界不良に陥ってた。それに左手はプランプランと不自然に揺れてる。
 
 息は荒く、服もボロボロで破れた服の隙間から見えるアンゴラ氏の肌は赤黒くなってた。そして今も……見えなくなった悪魔のような女性に合わせて周囲にガムやチョコレートをバラまく。
 もちろんそれには力を込めてる。
 
 だってもう見えてない。そして見えたとしても、アンゴラ氏ではその動きを追うだけの動体視力がなかった。だから何回も攻撃を受けた。そして今も……
 
「がああああああ!?」
 
 お腹がはじけるかのような衝撃。お腹から下が爆散したかのような……それだけの痛みで、意識が飛びかけるアンゴラ氏。けどそれを彼自身が許さない。彼は自分が許せないようだ。
 
 だからこそ、踏ん張ってる。本当ならアンゴラ氏だってもう意識を手放しててもおかしくない。いや手放すほどのダメージはとっくに追ってる。でも……それでも彼はそれを自分にさせないようにしてた。
 
 胴体がちぎれるほどの衝撃で吹っ飛ばされても、それでも彼は立ち上がる。絶対に悪魔のような女性が他を見ないように、彼は血反吐を吐きながらも絶対に倒れなかった。
 
「はぁはぁ……」
 
 彼はその力を自身にも使って気絶しないようにしてた。とんだ意識を無理矢理復活させるために、意識が飛んだ時にアンゴラ氏はあらかじめ仕込んでるお菓子を体の近くで炸裂させてるらしい。
 
 倒れないアンゴラ氏に業を煮やしたのか、アンゴラ氏の攻撃をあえて受けて悪魔のような女性は彼の首を掴んだ。ちまちまとしてるのが面倒になってしまったんだろう。
 
 ギリギリと首を絞められるアンゴラ氏。細いがあれでも成人男性であるアンゴラ氏だ。それに対して悪魔のような女性は悪魔のようであってもその体はあくまで女性。その腕は細い。けど、彼女は片手でアンゴラ氏の首をがっしりとつかんで持ち上げてた。
 
「あっ……がっ……」
 
 アンゴラ氏はなんとか解放されようとあがいてる。拳で彼女の手を叩いたり、その体に足を蹴りつけるとかしてる。でも……それは効果を発揮してない。どんどんとアンゴラ氏の首が上を向いていく。それがさらに過剰になっていくと……草陰草案達は折れるんじゃないかと思えて来た。
 
 普通なら首を絞めるってのは絞殺目的だろう。でもどうやら彼女は違う。その腕力でアンゴラ氏の首の骨を折ろうとしてるようにみえる。
 
「させない!! 彼を放せえええええ!!」
 
 そういって復活した桶狭間忠国がラグビーのタックルよろしく、勢いよく突っ込んだ。けど……それをわずかに微動するだけで悪魔のような女性は翼でとめる。
 桶狭間忠国はまだ諦めてないようだけど、このままじゃ……」
 
「や、やめてえええええええ!!」
 
 草陰草案の力が溢れる。そしてそれは周囲の者たちに活力を与えていく。明確な力の方向性を草陰草案は示してなかった。けど、広がった力は疲れてる者たちへと染み渡っている。


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