UENOUTAのお絵描きとかブログ

 お絵描きや小説、YouTubeとかの報告とかしていきます。

ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第十話Part2

2024-08-25 18:59:19 | 日記
「へえー、二人は東京から来たんだ」
 
 水着の少女「幾代」はそんな風にいった。取り返した自身のパンツを人差し指に通してクルクルと回してる。自分のパンツをそんな風にしてるから、流されるんじゃないか? と思ってしまう野々野足軽。けどそこは空気を読んでそんな事はいわない。それに……だ。それに……
 
(本人がパンツを目の前で回してるって……都会ではありえない光景だよな。田舎凄いな。これが開放感って奴か?)
 
 とかなんとか思ってた。しかもただの女の子ではない。可愛い女の子が自分のパンツをまわしてるのだ。この子は野々野足軽を男子と認識してないのか? とさえ思ってしまう。普通異性がいたら恥じらいとか――まあそもそも外でパンツをクルクルするなよ――であるが、もうそこは田舎だからと足軽は納得してる。目の前のパンツとそして幾代……それを結び付けたとき、自然と足軽の視線は下の方へと向いてしまう。
 
(あのパンツがあの部分に……てか履いて帰るのか?)
 
 ワザとではなかったとしても、足軽はあのパンツを顔にもっていって拭いたり使ったりしてしまった。もちろん足軽もまだピチピチの男子高校生だ。別に顔を一度拭いたからってパンツが脂ぎってしまう……なんてことはない。むしろ汚れてるかどうかさえわかんないだろう。けど……だ。けど、一度は顔に触れたあのパンツを目の前の女の子が履く――その可能性になんとも言えないいたたまれなさ? みたいなのを感じてた。
 
「ここなんにもないでしょ? いいなぁー東京はいっぱい遊ぶところとかありそうだよね」
 
 そんな風にいって腰かけてる岩から脚をつかって川の水をピチャピチャとやってる幾代。実際東京とここではいろんなことが全く違うと野々野足軽も感じてる。まず全然人の多さが違う。野々野足軽の家は都心ではないが、都市圏ではあるだろう。だから外に出ると人をみる。当たり前に。駅に行けばそれこそ沢山の人が行きかってる。でもここではどうだ? ここに来る前にすれ違った人はいない。遠くで田んぼで何やらやってる人はみた。それに細い田舎道で軽トラと一回だけすれ違った。
 
 それが全て……だ。正味片手で足りる人数である。
 
「退屈なんですか?」
 
 幾代に向かって小頭がそんな風に聞き返す。それに対して幾代は「あはっ」とまぶしい笑顔を見せてこういった。
 
「憧れだよ。あこがれ。だからって私はここが嫌いな訳じゃないからさ。そうだ! 二人には私の好きなここを案内してあげよう!」
 
 なんかそんな事が勝手に決まってしまった。でも断る理由もないから、足軽と小頭は二人して了承した。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 53

2024-08-25 18:54:06 | 日記
 どうやら次元の断層を意図的に起こして、空間を隔絶してるのが行けない原因のようだ。そしてより詳しくスキャンすることでわかったのはその次元の隔たりというのは実は一ミクロンくらいしか無い……ということだ。つまりは普通は観測なんてできない。
 
 こんな細い次元断層なんてのはありえない。自然的には発生し得ない事象ということだ。つまりはこれはメタリファーがやったものだろう。てかこれって……
 
「高度すぎる次元の操作だね。これは流石に……」
 
 普通、次元が断裂するなんてのは大災害ものである。それによって滅びた世界……滅びた文明……そういうのがそれなりにある……という記録がG-01の中にはある。
 それかある時次元断層によって別の世界とつながって、そこから異界の怪物たち……まあつながった先の生命体だけど……それがやってきて侵略戦争が始まる……なんてのもあったみたいだ。
 次元断層は起こったらもう絶望を覚悟した方がいいような、そんな超自然的災害と言ってもいいものなんだ。これは地震や津波、火山の噴火なんて世界の大地が起こすような……そんな原因がわかってる災害じゃない。
 
 それこそ突如、何の前触れもなく引き起こるそれによって、世界が崩壊するという理不尽極まりない災害。けど……だ。けど、今観測してる次元断層はとても安定してた。
 こんな次元断層はG-01の記録を引っ張っても類がないほどに……これはなにかに使えるかもしれないと、色々とG-01に記録させないとね。てか一ミクロンの断層でこの巨体のG-01さえも拒絶できるんだから、やっぱり次元とか時間とかそういう感じの仕組みに関わってるような力は強い。
 
 一ミクロンなんてのはもう手先でも表せないくらいの小ささだ。それが発生してるだけで、永遠に近づけない結界ができてるようなものである。
 
「けど攻略できないわけじゃない」
 
 私はそういって周囲にたくさんの少モニターを展開する。メインのモニターは全周囲にでかでかとあるG-01から見えてる全周を映すモニターだが、ここでなら私はいくらでも仮想のモニターを自身の周囲に展開できる。
 なにせ全周囲のモニターそこそこ距離あるからね。細かい文字を読むのには向いてない。
 
「G-01にはこれまでの次元断層の記録と観察データ。それにいろいろな仮説だってある」
 
 それならの沢山のデータを頼りに、そしてここに最後のピースがあるじゃないか。それがこの一ミクロンの次元断層だ。この次元断層は完成されてるといっていい。
 これまでの観測された次元断層はきっと全てが不安定だった。だからこそ、いろいろな災害を生んできた。正しく作り出せば、これだけ次元断層というのは安定してるともいえる。
 そして今、それが目の前にある。これはまたとないチャンスだ。G-01に新たな機能を、それこそ用意されてない全く別の能力を得られるかもしれない。