UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力に目覚めた件 326P

2023-11-25 20:54:26 | 日記
「ありがとう。今日はすごく楽しかった」
「うん、俺も充実してた」
 
 日も沈んで、そしてお腹も膨れた二人は駅前でそんな会話をしてた。今日はもう終わり……そんな雰囲気だ。本当はこれからどちらかの家へといってしっぽり……とかいう思いがないわけでもないが、この日はお互いに家には呼べない事情があった。
 それならば外でしっぽり出来る場所……それこそホテルへ……とかいう選択肢もあるかもしれない。でも彼らは学生である。高校生である彼らにはその選択肢はなかった。なにせ二人は互いに初めての彼氏彼女でプラトニックな関係だったのだ。
 もちろん色々と知識はある。なにせこの現代、何だってネットにはあふれてる。でもだからって、二人ともいきなり「ホテルにでも」とか言えるようなタイプではない。
 
「えっとそれじゃあ……」
「送らないで大丈夫?」
「ええ、迎えが来てるんで」
 
 なんとそこには迎えの車があった。どうやら電車で帰るわけではないらしい。でも平賀式部はとても美しい。美少女だから公共交通機関といっても心配な野々野足軽だ。
 なにせ痴漢物は電車が多い。平賀式部は絶対に痴漢から狙われる容姿してる。だから心配だったけど、家の車なら安心だろう。車にのってまで手を振ってくる平賀式部はかわいかった。野々野足軽も見えなくなるまで手を振るった。
 
「さて、返るか」
 
 車が見えなくなったら野々野足軽も駅の内部に向かった。するとその時、視界の端になにやら目立つ存在がちらっと映った。別に力とか使って監視してた訳じゃないし、視界が特別広いみたいな特殊能力があるわけでもない。
 でも見えてしまったのは、相手がとても目立ったからだ。それは勿論、仮面の男。まさかこんな偶然があるなんて……
 
「あれ?」
 
 そうつぶやく野々野足軽。何が「あれ?」だったのかというと、それは仮面の男が連れてる女性である。それは昼とかに見た女性じゃない。あの時のやばい女性じゃない、別の女性を仮面の男はつれていた。
 
「なんであの仮面で女を侍らせられるんだ?」
 
 思わずそんな風に呟いてしまう野々野足軽。やはり自信か? 自信が大事なのか? と思ってしまう。
 
「げっ……」
 
 ぎょっとする野々野足軽。なぜなら野々野足軽は見てしまったからだ。彼らの数歩後ろからあの女がついていってることに……悲惨な事件が起きないか一気に心配になる野々野足軽だ。

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)運命という世界線を壊せ 963

2023-11-25 20:49:43 | 日記
「「「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」」」
「「「ヤレヤレヤレヤレヤレヤレえええええええええええええええ!!」」」
 
 変な手足に群がってる砂獣たちに向かって、皆が一斉にその武器を振るった。いや今も振るいつづけてる。本当なら一刀両断出来るはず。それなのに、皆の動きは止まらない。
 まあそれだけ群がってる奴らが多いってことなんだが……それだけじゃない。
 
「回復……してるぞ!!」
 
 そうなのだ。どうやら砂獣たちは切られた傍からその傷を回復させてる。なので攻撃が意味がない。それならば……とその体を登って頭を狙ったりとかしてたりもする。でも反応はない。今までなら、体を切ったりしたらそれこそ不快な悲鳴を砂獣は上げてた。
 でもそれもない。ただ手足をひたすらに貪り食う……それが今の奴ら。そしてそいつらにはどこを攻撃してもどこ吹く風だ。頭を勝ち割ってもそれが止まることはない。頭から胴体を真っ二つにしたとしても、死ぬことはなく、すぐにくっついてた。
 
「なっ……なんだよこれ……」
「どうしたら……」
 
そんな感じでこっちの兵士たちがどうしたらいいのか分かってない状態でいると、教会の奴らが変な事をやりだした。生き残ってる教会の奴らがダメージを追った奴らの元へと駆けつけてる。
 
 まさか治療を? とか観察してた私は思った。だって教会だよ? 奴らが治療なんて人間的な行動をとるだろうか? と疑問に思うのは何もおかしなことではない。だって教会だし。奴らには人権なんて概念はない。
 
 彼らは複数人で苦しんでる同胞を囲む。そして魔法をかけてる。本当に治療をしてるのかもしれないと思った。実際、さっきまで苦しんでたやつが立ち上がった。けどその姿は治療したというにはあまりにも異常だった。
 
 まず、肌が人間の肌色じゃない。なんか紫色になってる。一応傷はふさがってるが、なんか傷ついてる所はブクブクとした水風船がくっついてるだけ……みたいな? 感じだし、目は充血して真っ赤……さらにさらに……決定的なのは、なんか頭には杭が刺さってた。
 
 そしてその紫色になった教会の奴は走り出した。どこへか? それは群がってる砂獣の所へと走ってる。
 
「うわ!?」
「なんだ?」
 
 そして紫色になってる教会の奴はこちら側の兵士へも無関心だった。そいつは砂獣の中に入っていき……そして大きく口を開く。あとはもう、皆が思った通り。
 そいつは砂獣と共に、空から落ちて来た手足を貪り始めた。それと同時だったのはたまたまなのか……一つ……また一つと砂獣がそこから離れる。
 するとその砂獣の外郭にヒビがはいっていく。そして色が褪せていく中、その中から、新たな何かが、生み出ようとしてるようだった。