UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力に目覚めた件 320P

2023-11-15 23:54:47 | 日記
「なんですか? 私と彼の邪魔をする気?」
 
 軽い感じの仮面の男とは違って、とても鋭い目を美女は平賀式部に向けて来てる。それは明らかに相手を敵としてみてる……そんな目だ。でもそれも仕方ないだろう。だって彼らもデートをしてたように見える。そんなとき、どこの誰とも知らないような女がデートを邪魔してきたら? いやな気持になっても何らおかしくない。
 
「えっと……その……」
 
 平賀式部も普段は強気というか、冷たそうな印象が強い。美人の宿命なのか、なんとなく冷たそうというか、近寄りがたいとか……そんな領域を常に展開してるように見られる。
 けどそれは別に冷たいとか、誰にも入ってきてほしくない……とかそんなことじゃない。ただ、いつだって特別な扱いを受けて来た美少女たちは遠巻きにされることが多かったし、ちかよってくるのもそもそもが積極的な子たちが多かった。
 そのせいで受動的になってしまったのだ。もしも平凡から下くらいの容姿だったら、誰も興味なんて持たないからそれである意味で静かに生活ができるのかもしれない。
 でも……彼女たちのような美人はそうはいかない。沢山の人達に興味を持たれるのは自然の事だ。だから受動的になっても美人は周囲が放っておかない。
 つまりは平賀式部もそうやって受動的なってたのだ。こうやって自分から話しかける必要性なんて……ほぼなかった。野々野足軽に話しかけてたのは、そもそもが気になってたから勇気を出してただけだ。今もそれに近いのはあるが……どっちかという野々野足軽に話しかけてた時は前向きな気持ちだったが、今はそう……後ろ向きな気持ちだ。
 
 そうなると、気持ちを保ってられないから、にらまれたら二の句がつげないでいる。そんなに気が弱い……ってわけでも平賀式部はないはずだが……
 
「まあまあ、きっと彼女も俺が気になったんだよね? それはほら、仕方ないからさ。俺に免じて許してあげてよ」
 
 そういってる仮面の男。周囲の人たちは「そんなわけあるか!?」と思ってるが、目の前の美女だけは「そんなにいうのなら……」とかいう感じである。
 
(別に、精神混濁とか……しないよな?)
 
 野々野足軽は気になって彼女の頭をちょっと力で調べる。だってそうでないとこの美人の反応はおかしい。でも、野々野足軽が力で調べた限りでは、精神が普通の状態ではない――みたいな状態ではなさそうだった。変な影響とかも受けてない。ならなおさら不思議で仕方ない野々野足軽だ。
 
 そんなことを思ってると、仮面の男はとんでもないことをやった。
 
「ほら、いつまでも立ってないで、座っていいよ」
 
 そういって平賀式部の腕を引っ張る……すると平賀式部はバランスを崩して、ポスッと仮面の男の太ももの上に納まった。これには流石に野々野足軽も黙ってなんてられない。

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)運命という世界線を壊せ 956

2023-11-15 07:55:15 | 日記
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
 
 皆で一斉に花の様な砂獣へと攻撃を仕掛ける。その間にも花の砂獣はその花から種を飛ばしてる。矢が断続的に飛んできて、あらぬ方向を向いてるが、それでも一つ一つが独立した花弁を持ってる。だからその一つ一つが可能な限り敵――つまりはこちらを向いてその種を飛ばしてくる。
 
 皆が可能な限りそれを防ぎつつ前に出てる。単純にその武器を振り回して種を切り裂こうとするもの。武器を旋回させて防ごうとするするもの……砂を思いっきり叩いて、それを盾にしようとするもの……色々な方法で種を回避して前を目指す。けど何人かはやっぱりだけどその種の餌食になる。
 けどなんとか致命傷は避けてるようだ。これが連続して体に穴をあけられたら、流石に死ぬしかないが、一発くらいなら、当たり所が良ければこの世界の人間の強度ならどうとでもなる。
 それができるのも矢が花の砂獣を射貫いてくれてるからだ。流石にあの矢で倒せるなんてことはない。けど、前線の兵士たちの命をつなげることは出来てる。それだけでもかなりありがたいことだ。
 なにせこちらが側はそもそもが数が限られてる。それは当たり前のことだろう。なにせこの過酷な世界では生きるだけで大変なのだ。そんな過酷な世界ではむやみやたらに増える……なんてこともできない。それなのに、砂獣はどこからともなく湧いてくる。そもそもの数の絶対数が違う。
 単純に教会対地上側なら彼我の戦力差は教会<地上である。なにせ教会が動員できる戦力は中央と、地方にいる教会関係者となる。けどこの町の外に危険しかないとなると、戦争地域に地上の街の教会関係者がいくのは難しい。
 まあそれはこちらも同じだが、でも今回は全ての残ってる町の人たちはアズバインバカラとジャルバジャルに集まってる。実際そうなったら地方にいた教会関係者もここに集まってる。
 でも地方にいる教会関係者とその街の住民では数はそれこそ雲泥の差だ。それにそれは対策したから地方の教会関係者はこっち側についたか、そうじゃないのは事前に処理してる。
 
 だからそれを踏まえたら地上側の方が本当なら戦力は多い。でもそれを補うために教会側は砂獣を使ってる。それのせいで戦力差は向こうが圧倒的になってる。そうなるとやっぱり一人一人の戦力が重要だ。
 だから死ななければなんとかなる。死ななければ、まだまだ戦える……ということだ。ひどい? けどそれを皆は納得してる。なにせ……なにせ戦わなければこの世界は終わるからだ。そうなると大切な全てが終わってしまう。
 だからこそ、今戦ってる人たちは、その全ての命を使う覚悟を決めている。