UENOUTAのお絵描きとかブログ

 お絵描きや小説、YouTubeとかの報告とかしていきます。

ある日、超能力に目覚めた件 325P

2023-11-23 14:18:05 | 日記
「ごめんなさい」
「うん? 何が?」
 
 なるべく早くあの店から出て、別の場所に向かってる途中でそんな風に平賀式部は野々野足軽に謝ってきた。何が? とか言ったが、野々野足軽はちゃんとわかってる。なにせさっきの事はかなり衝撃的だったからだ。
 それにああなってしまったのも普段はそんな事絶対にしそうもないような平賀式部が妙な積極性を出してしまったからだ。それをきっといっぱい彼女は後悔してるんだろう。
 
「さっき、私があんなことをしなければ野々野君は二回もぶたれることなかったのに……」
「いや、あれは俺もデート中に他の女性を見たのが悪いし……それに平賀さんがぶたれるよりは俺がぶたれた方がよかったしね。あの人きっと平賀さんでも普通にぶってたと思うし」
「それは……そうだね」
 
 お互いそれには納得してしまう。きっとあの女には男性や女性とかいうくくりはなかった。ただあの彼女が心酔してた男に対しての思いだけで、彼にとっての必要かどうかだけが彼女の指針のようだった。
 この時代に信じられないような考え方だが、実際その目で目撃した二人はその考えを共有してる。
 
(それにしてもあの考え方……洗脳されてないとおかしいくらいだが?)
 
 そう思う野々野足軽だ。なにせどうあっても現代で普通に成長してきたら、あんな考え方になるわけがない……と野々野足軽は思ってる。けど洗脳とかはされてなかったことも野々野足軽は力で確認してる。だからこそ謎……最近はこの町に変な人たちが増えてるといってもあれはまた別のベクトルで新鮮……というか別種の怖さがあった。なにせ力がある野々野足軽さえ、あの女性には恐怖というのを覚えたくらいだ。
 本気で彼女のいってたことを理解できなかった。そして会話にならなかった。それの恐ろしさ……目の前にいるのは人の形をしてるはずなのに、人じゃないように感じる恐怖ってやつを野々野足軽はあの女性に感じたんだ。
 だからちょっと心配する。
 
「あの男大丈夫だろうか?」
「まあそれは……自業自得じゃないかしら?」
 
 それはまあそうなんだが……と思いつつもあの女に目をつけられたのもあの仮面のせいとなると、野々野足軽のせいとも言い切れない……とちょっとは責任を感じる野々野足軽だった。

ある日、超能力に目覚めた件 324P

2023-11-23 14:13:27 | 日記
「すみませんけど、僕は彼女を渡すことは出来ません。だって彼女は俺の大切な人だから」
 
 キュン――そんな胸の高鳴りを平賀式部は感じてた。なにせ普段はそんなに男らしいところを見せない野々野足軽である。そんな彼が今はっきりと平賀式部の事を『大切な人』と表現した。それも第三者……というか公衆の面前でである。
 これには誰だってキュンってするだろう。けどどうやら目の前の女性には全然違うらしい。
 
「はぁ。いいですか? そんな事を聞いてる訳じゃないんです。あなたの感情なんてどうでもいいの。そこのそこそこの女を献上しなさい」
 
 そこそこの女……という単語にもちょっとだけ反応しそうになる平賀式部である。だって彼女は自身の容姿の良さは自覚してる方である。そもそもがこれまでの人生で不細工なんて言われたことがない人種だ。だからムウ……となってるわけだが、それでも我慢出来てるのは抱きとめてくれてる野々野足軽の手に力が籠ったのが分かったからだ。
 
(怒ってくれてる)
 
 それが伝わるだけで、平賀式部は愛されてる……と実感できてた。てかこの人の言い分を聞いてしまうと、この女が慕ってるあの男はどこぞの王族かVIPなのかと思ってしまう。実際はそんなことはないんだが……でも彼女はまるであの男をそんな風に扱ってるだろう。どうしてそこまでするのかは謎だ。
 けど勿論だけどそんなことは許されない。だから理屈なんて通用しないだろうこの女ではなく野々野足軽は仮面の男をみる。
 
「こんな事を言ってますけど?」
「はははは……うん、ごめん。ほら、やりすぎだよ。別にそこまでは望んてないから」
「でも貴方の寵愛を受けれるというのに拒むなんて罪ですよ? じゃあ死罪にしますか?」
「資材?」
「極刑……つまりは死刑です」
「そんな事出来るわけだろ!?」
「できますよ。バレなければいいのです」
「…………」
 
 やばい……とこの店内にいる誰もが思っただろう。普通ならね。でもそれを聞いても、仮面の男は大きくわらった。
 
「それだけ俺は魅力的ってことか」
「当然です」
「でも俺はいいといってるんだ。この意味、わかるか?」
「……うっ。ご、ごめんなさい」
 
 あほな事を言ってると思ってた仮面の男だが、言う時にはいうらしい。そのちょっと強引なところもいいのか、美女は何故かトロトロな顔してる。
 
(絶対にあの女はやばい)
 
 とか野々野足軽は思ってるんだが、美女に全肯定されるのは気持ちいいんだろう。男なら憧れたりするのも野々野足軽はわかる。けど明らかにヤバいだろう女に入れ込まれてるのはやばいだろうと野々野足軽は思ってた。関わったら逃げられないような……女郎蜘蛛の様な女。
 
「貴方は……なんで……いや、もういいです。とりあえず今回の暴力は見逃します。なのでこっちが不用意にそっちにかかわったのも水に流してください。これ以上はお互い関わらないってことで」
「あ、ああ、うん、それがいいな」
 
 仮面の男は簡単に野々野足軽の提案を受け入れた。きっとこれ以上一緒にいて秘密をばらされるのを恐れたからだろう。そういう事で、お互いに納得したうえで、ここでは分かれることにした二組であった。

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)運命という世界線を壊せ 962

2023-11-23 14:07:37 | 日記
「ぐわあああ!!?」
「ぎゃああ!?」
 
 そんな悲鳴が戦場に響く。別に戦場に悲鳴が響くことなんてのは別に珍しいものじゃない。寧ろ当たり前だろう。なにせここは戦場で、戦場なら痛い事は当たり前にある。だから悲鳴なんて当然だ。けど……
 
「痛い……痛いよお……」
「ああ……なんで私がぁぁぁぁぁ!?」
「うわあああああん! ああああああああん!」
 
 とかいう情けない悲鳴はこちら側の……地上側の兵士たちから漏れる声じゃないとは絶対にいえる。だって普通は戦場に立つ以上、ある程度の覚悟はしてるからだ。
 けど彼らにだって当然恐怖はある。覚悟を上回る恐怖が襲ってくることだってあるだろう。そんなことがあったら、泣き叫ぶかもしれない。けどそれでも、向こうのそれは見るに堪えない代物だった。
 実際あんな悲鳴ならこれまででも聞こえてたのでは? となるだろう。だって接近戦になった時点で、教会側の奴らには沢山の被害が出てたのだ。その過程で沢山のそんな情けない悲鳴なんて飛び交ってるはずだ。
 けど実際はそうじゃなかった。だってだ。だっていま地上側の皆が装備してる武器は一級品である。今までの彼らの装備はそれこそ三級……いやいうなればギリギリ切れるか? という感じの武器を騙し騙し使ってた状態だった。
 なにせこの世界には物資がない。刃こぼれしたって直す材料さえ不足してる有様である。質のいい装備……なんてのはそれこそ夢のまた夢。
 でもそれも解消された。彼らが使ってるのはまさしく一流の……いやいうなればこの世界の技術から一段飛び越えたかもしれない武器だ。まあ参考にしたのは教会が作ってた魔法の武器だからギリギリの世界の技術レベルから逸脱してないと思うけど、いうなれば私たち……というかG-01の技術で再現したらオリジナルを超えたという事である。
 
 そもそもが教会が寄越してた武器でも砂獣を一刀に伏せる鋭さがあった。それよりも良い装備を人間に向けるとどうなるか? まあ即死以外ない。なのできっとこれまであの武器で切り伏せられた教会の奴らは自分が切られたと認識する前に絶命してただろう。
 それこそ手足を意図的に斬られたりしてない限りは。でもそもそもが今、教会の奴らを蹂躙してるのはこっちの兵力ではない。奴らが出した奴らの兵力だった筈の砂獣である。
 そして砂獣は普段なら絶対人間殺すマシーンだが、今はただ餌に群がる虫である。その進路上にいる邪魔な虫けらの事なんて気に留めてない。
 だから止めをされてない教会の奴らがその痛みにのたうち回ってるのである。いい気味ではある。なにせ教会の奴らは全員、もっとちゃんと『痛み』って奴を知った方が良い。まあもう手遅れかもしれないけどね。
 
 そして当然だけどこっちの兵士たちもそんな教会の奴らなんて気にしないで目標に迫るのみ。そいつらを足蹴にしたり踏んづけたりしたりしても気になんてしない。
 無様に命乞いをする教会の奴らに目を向けずに、ただ前の砂獣を皆みつめてる。

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)運命という世界線を壊せ 961

2023-11-23 14:00:00 | 日記
「貪ってる……」
 
 空から落ちて来た人の手足の様なそれに群がる砂獣たちを見て、戦場の誰かがそうつぶやいた。そう、砂獣はその手足に集まって何をしてるのか? といえば、どうやらその落ちて来た手足に群がって我先にと貪ってるみたいだ。
 そもそもが砂獣という存在は食事を必要としない。それは長年の付き合いでわかってることである。奴らはこの世界の生命の輪に入ってる存在じゃない。あれは生物――ではないのだ。あれはただの存在だ。そう……人間を殺すための存在でしかない。だからこそ、人を襲うし、人以外に興味はない。実際その目的は都市核ではあるが、でも散発的に発生するだけの砂獣は街の中枢にある都市核を目指したりはしない。
 ただ人を襲うためだけに現れる。だからどっちが優先なのかは判明はしてない。都市核の方が優先順位が高いのか、人の方が優先順位が高いのかは不明だ。
 
 でも基本、その二つにしか砂獣は反応しない。その砂獣が変な物体に群がってる。それは砂獣の意思か? それとも教会の指示なのか? でもそれも教会側の反応をうかがえばわかる。ドローンを通してみてみると、彼らも混乱してることがわかる。それに……だ。それに教会の奴らの関心は目の前の敵やら、それこそ自分たちが頑張って召喚しようとしてた空のアレ――をぶった切った勇者の方へと向いてる。
 
 つまりは砂獣には関心がない。それだけきっとあの空を割って出てこようとしてた存在は強力な何か……だったんだろう。それはわかる。でもそれも所詮はこの世界での話だ。この世界一つだけしか知らない奴らの基準。
 でも私たちは違う。世界を渡ってきた私たちはその範疇に納まってはない。だからこそ、勇者の攻撃で教会の期待の星だったであろう存在は倒された。
 
「砂獣が手足を求めて拡散してる! 全員注意しろ! 反撃は奴らが手足にかみついてるときにやれ!」
 
 そんな指示が飛んでる。ただ前だけを目指してた砂獣が手足が落ちて来たことで、その行動を180度変えてる。それぞれが近くの手足、そうじゃなかったら遠くに落ちた手足を求めて走ってる。だから先に砂獣を無視して後方に行った兵士たちの方にも砂獣がやってきてた。けどそれは攻撃の為じゃない。劣勢の教会の奴らを助けるためでもない。
 ただ落ちた手足を求めてってだけだ。でも……それでも意識の外から砂獣の巨体にぶつかられると人間なんてプチっとされる。この世界の人たちは頑丈だから一撃で死ぬなんて事はないが、それでもダメージは入る。だから注意喚起をしてる。
 焦らずしっかりと状況を確認して、それで奴らが餌に群がってるときに攻撃をする。それだけで一網打尽にできるのだから、ある意味でこちら側にとってはいい状況といえるかもしれないからだ。