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おろちのB気持ち(盛夏編)

気がつけば、季節は夏・・・。で、記事は?

十月桜秋の結実ミステリー

2005-12-06 23:32:00 | 植物

さて、先日の宿題事項「なぜ不思議なのか?」について一言。

まず、桜には一般に下記の2つの特徴があります。

1.自家不稔性
2.風では受粉せず、蝶や蜂など虫による受粉が一般。

特に1が桜にとっては、その大きな特徴であり、魅力であり、欠点なのです。
つまりおしべ、めしべを一つの花に持ちながら、受粉しにくいのです。
自家とは自分の木と言う意味で、隣の花や違う枝の花でも同じです。

で、染井吉野もそうですが、この大学にある今咲いている花、
(20本位あるのかな?)すべてが、”十月桜”という、いわゆるクローンなのです。

クローンは当然、同じものなので何本あっても、受粉しません。だから、何百本
染井吉野の木があるところでも、違う種類の桜がないかぎり、実をつけることは滅多に
ありません(逆に染井でもそばに違う桜が咲いているという環境があれば、実を
つけます・・・しかもあの花数ですからねぇ~。時には大量に・・・)。

では、虫のいない時期に誰が他の木(クローンでないもの、つまり、冬桜とか
ヒマラヤ桜とか、子福桜とか・・・)から花粉を運んできたのでしょう?

ちなみに、虫たちが花粉を運べるのは目視できる範囲、1、2km位が限界だと
言われています。万が一10月頃、この花が咲いていた頃に、虫達がいたとして、
見渡す限り秋に花をつける桜は、十月桜以外にないこの大学で他の種類の桜から
花粉を運んでくることは不可能のような気がします。

仮説1)
で、仮説を立てました。それは、桜が(たとえば、岡の上の一本木・・・
なんだかこのブログのタイトルの写真みたいですが・・・である場合など)危機に
瀕すると、自家受粉することがまれにある・・・という話を訊いたことがあります。

実はこれがそれなのかな・・・と。20本のうち、この一本だけに10個近い実が
ついているというのもなんとも不自然ではないのかな・・・と。しかも一箇所集中
ではなく、散らばっているし・・・。もし、虫だったら行動範囲が非常にせまいので、
固まって実が着いているのではないか・・・と予想しました。

仮説2)
でもでも、落ち着いて考えてみて。花粉を運んだのは、虫ではなく、鳥ではないか?。
実はこれで多くが証明できてしまいます(残念・・・)。

たとえば、鳥なら行動範囲は何キロ、何十キロにも及ぶでしょう。その範囲内に、
秋にも咲く桜の木があったとしても不思議ではありません。でもかなり珍しい
でしょうが・・・。
それに、メジロやウソなど寒い時期、食物に瀕した鳥たちが、早咲きの桜をついばむ
のはよくある風景です。

ということは、この固体の木だけにそんな花粉をつけた鳥が
(おそらく一羽だけでしょう)
きたということなのでしょうか?。鳥であれば、行動範囲が広いので、あちこちの
枝に飛び回った・・・であろうという仮説は成り立ちます・・・。

でもでも、ではなぜこの木だけなのでしょう?数キロ、十数キロ離れた別の種類の
桜が咲いているのを見つけられるのに、1mと離れていない、隣の木に手をだして
いない・・・というのは、やはり不自然な気もします・・・。

「自家不稔打破説」・・・。だったら、ちょっとロマンチックだなぁ~とか。今回も
アカデミックに学者気取りしてみました・・・(笑)。