origenesの日記

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青柳まちこ『「遊び」の文化人類学』(講談社現代新書)

2008-03-30 15:27:06 | Weblog
著者は文化人類学者で、インドネシアやアメリカ大陸でフィールドワークを行っていた研究者である。
「遊び」といえばホイジンガやカイヨワが著名な先行研究となる。人間をホモ・ルーデンスと定義し、遊びを人間の本質的な営みとしたホイジンガのことを著者は高く評価しつつも、あまりにも遊びを包括的なものとして考えすぎなのではないかと苦言を呈している。
社会学者ロジェ・カイヨワの「遊び」の種類わけとして、以下のようなものが挙げられる。
アゴーン(競争)
ミミクリー(表現・模倣) ~ごっこなど
アレア(偶然) ジャンケンなど
イリンクス(めまい) ブランコなど
本書を読むと「遊び」が宗教や文化的な営みと深く結びついているのがよく理解できる。「遊び」は決して「余った暇」ではないのだ。

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