origenesの日記

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高橋正男『死海文書 蘇る古代ユダヤ教』(講談社選書メチエ)

2008-06-06 22:57:59 | Weblog
死海文書はアラブ系のベドウィンが発見したものであり、イエスが生まれる前の古代ユダヤ教のエッセネ派の文書だと言われている。元々、自由意志を否定するサドカイ派、中道のパリサイ派に批判を加えたイエスは、実は自由意志を重んじたユダヤ教エッセネ派の信者だったという説があったようで、死海文書は当時のイエスを生きた姿を暗示したものとして一つのブームを巻き起こした。著者はそれらを歴史学的に根拠のないことだと批判し、死海文書をキリスト教と切り離す。死海文書はあくまでもユダヤ教を研究するための資料であり、ここには当時のクムラン宗団の生活が描かれているという。

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