TONALITY OF LIFE

作曲家デビュー間近のR. I. が出会った
お気に入りの時間、空間、モノ・・・
その余韻を楽しむためのブログ

別世界的名店 Vol. 1 ~ 横浜・ワンダーデコール イングリッシュコテージ

2009-02-21 10:50:25 | ガーデニング
一歩足を踏み入れると別世界、訪ねることが幸せ…
すっかりファンになってしまったそんなお店を書き連ねてみたい。
Vol. 1は横浜市青葉区鉄町(くろがねちょう)のワンダーデコール。
イギリス直輸入の石材オーナメント、ガーデニンググッズ、アンティーク等を販売しているお店。
小さな川べりに佇む石造り風の店舗と一本の大きな柳の木は、
周囲の自然をイギリスの田園風景に昇華させてしまうほどのセンスを湛えている。

246下り、市ヶ尾先の立体交差を右折、上麻生線を川崎の柿生方面へ。
道幅も空も広い快適な道路でこのまま運転していたい気分にさせられるが、
ほどなく「鉄町」の信号の先、左手に姿を現す。
このあたりはよい意味で田舎、車を降り立つと風の匂いが違う。
白モッコウバラがまるでシャワーのように枝垂れる初夏、
バードバス(小鳥の水飲み場)に氷が張っているのを子供とそっと手に取った冬の午後、
小さな窓から灯りが漏れて、フェンスやオベリスクがシルエットに変わる夕暮れ時、
雨の日の濡れたグリーンと石の表情…
どの季節、どの時間帯、どんな天気の日に訪ねてもすてきな時間が流れているが、
R. I. の印象にひときわ強く残っているのはある晩秋の日のこと。
植物が色を変えながら朽ち果てていく様、建物の壁を這ったツタの跡など、
その造形美にはっとさせられた。
アンティークの陶器に置かれた木の実がまるで宝石のようなオーラを纏っているのにも目を奪われた。
どのディスプレイも “イングリッシュコテージ” という額縁のなかで一廉の絵になっている。
鉢植えや庭のアイディアを拝借したり、たまにガーデニンググッズやアンティークを買ってみたりと、
日常から開放されてイマジネーションの翼を自由に広げられる場所。

2011年11月追記:
首都圏を横断した2011年9月21日の台風15号の影響により、柳が倒木した。
少し残念である。

http://www.wonderdecor.co.jp/

続 オレゴンの極上宿

2009-02-01 13:20:53 | 旅行
何よりもミンモに笑顔が戻ったのがよかった。
昨日は過酷な移動になってしまった。
今日は連泊、この場所で一日ゆっくりと過ごすことにしよう。
食堂からウッドデッキに出ると、2匹の黒い大型犬がしっぽを振りながらやって来た。
建物の周囲ではバラやハーブが昨夜の雨の雫をまとって輝いていた。
山や森、農場を見渡しながらぐるっと歩いてみる。
鳥のさえずりや風の音に耳を澄ましてみる。
それだけで心からリラックスできた。

お昼過ぎには広大な敷地を散策した。
ブドウ畑はいいものだ。
まずは何といっても葉っぱのかたちがすばらしい。
よく手入れされた木々が傾斜地に垣根のように連なっているのもとても絵になる。
以前山梨にある個人のワイナリーを訪ねたときのことが思い出された。
今の時期は深い紫色の房がいたるところに見え隠れし、
これがやがてワインに変わるのかと思うとわくわくした気持ちにならずにはいられない。
「実を食べてもいいよ」と宿の主人に言われていたので遠慮なく口に入れてみた。
とても甘い。
品種は確かピノと言っていた。
いくつも口へと運んでいるミンモ、食欲もすっかり戻ったようだ。

オレゴンの雲は見ていて飽きない。
太陽が顔を出したかと思うとにわか雨が降る。
まるで油絵の具を塗りこめたかのような立体的な雲が、青空を何度も横切って行った。
ふと浮かんできたマイケル・フランクスの曲の一節、
“Deep in July, Counting clouds floating by, Keeps us busy...” (♪「Dragonfly Summer」)
季節は違うがまさにこんな感じ。
ミンモは初めてこだまにも出会った。
山から帰ってくる「ヤッホー」の響きをママと楽しそうに繰り返している。
太陽の光をたっぷり浴びて部屋に戻ると三人で午睡を楽しんだ。
やはりここは天国かもしれない。

この付近にはキノコ料理のフルコースを楽しめるレストランがあって
全米からグルメの上級者が集まってくるそうだ。
さらに足を延ばすと太平洋がある。
実はオレゴンコーストにもぜひ泊まってみたいと思える宿があったのだが、あいにく子連れはNGであった。
オレゴンに留学していたママにとってここは心の故郷。
またいつかきっと訪ねることになるだろう。

夜一人で階下に降りたとき、エントランス近くの扉の上に木のボードを見つけた。
そこに書かれていたのはこんな言葉だった。
“WE CREATE OUR TOMORROWS BY WHAT WE DREAM TODAY”
その瞬間稲妻のような衝撃に貫かれ、見上げたまま立ち尽くした。
シンプルな単語をつないだだけの実に英語らしい表現。
使い古されたはずの “トゥモロ” や “ドリーム” という語感がなぜかとても新鮮で
無限の輝きを放っているかのように感じられた。
最初にこの地に夢を描いたのはどんな人だったのだろう。
天国を感じた宿の根底にあったスピリット。
前へ進む勇気を受け取って、心にしっかりと刻んだ。
(2007年10月の思い出)

http://www.youngberghill.com/