【人生をひらく東洋思想からの伝言】
第39回
「感恩報謝(かんおんほうしゃ)」(安岡正篤)
人間は、生きる上で様々な恩に支えられて生きています。
それを、日本語では「おかげさまで」という言葉で表現されます。
「おかげ」でできた自分ですので、いろいろと報いることが大切になってきます。
日本の東洋思想研究と、後進の育成に努められ、
昭和の時代に、政財界のリーダー啓蒙や、教化に努め、
その精神的な支柱となっていた安岡正篤先生は、
それを、「感恩報謝」と表現されています。
『「口」は環境、「大」は人の手足を伸ばした相、「心」とより成るものが「恩」の字です。
その意味は、何のお陰でこのように大きく存在しておるか、
と思う心が、「恩を知る」ことになります。
我々は、天地の恩、人間の恩、道の恩、教の恩などあらゆる「恩」の中で、生かされています。
これに報いてゆくのが生活であります。』『運命を開く』 安岡正篤著 プレジデント社より引用
感恩報謝という心を失って、いくら経営や事業、そして政治などやってみたところで、
世の中は、決して良くならないように感じます。
良くなるようにみえても、必ず反作用があり、結果的には実を結ばないのかもしれません。
今の社会や国、そして様々なものも、我々の先人、先達の努力の結晶によって出来たものですので、
それをより良いものにしていくためにも、このような気持ちを皆さんと一緒に持ち合わせて、
ともに力をあわせて、今できることをしていきたいと思っています。
参考 (『運命を開く』 安岡正篤著 プレジデント社)