【人生をひらく東洋思想からの伝言】
第189回
「遠きを謀(はか)る者は富み、近きを謀る者は貧す」(二宮尊徳)
第189回
「遠きを謀(はか)る者は富み、近きを謀る者は貧す」(二宮尊徳)
日本の偉大な思想家であり農政家、二宮尊徳が残したこの言葉には
深遠な人生の真理が込められています。
この一文は、目先の利益だ
長期的な視野を持って行動する者こそが真の豊かさを手に入れると
続く文章には下記のようなものがあります。
「それ遠きを謀る元は、百年のために松杉の苗を植う、まして春植
秋実のる物においてをや、故に富有なり、
近きを謀る者は、春植えて秋実法(の
ただ眼前の利に迷ふて、蒔かずして取り、植え
故に貧窮す。」
まさに、いのちの循環と宇宙の道理を説いていることかと感じまし
本当にシンプルで深い気づきを与えて下さる文章です。
二宮尊徳は単なる理論家ではありませんでした。
幼くして両親を亡くし、荒廃した田畑を蘇らせるために自らの手で
数々の困難に立ち向かった実践者でした。
彼の言葉には、論語や大
実体験から得た知恵と洞察が滲み出ています
現代社会においても、この教えの重要性は色あせていません。
短期
真に価値あるものを見極め、長い目で物事を捉える姿勢が
一層求め
二宮尊徳が実践した「遠きを謀る」生き方とは、単に将来のことを
自分を超えた社会全体の発展や次世代のことまでも視野に入れる姿
そして何より、その思想を日々の行動で示し続けたことに、私は深
私たちも日常の小さな選択の中で、「遠きを謀る」意識を持ち続け
それこそが、真の豊かさへの道なのかもしれません。
参考文献『二宮尊徳一日一言』 致知出版社
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