【人生をひらく東洋思想からの伝言】
第199回
「徳に順い、小を積みてもって高大なり」(易経)
これは易経に記された言葉です。宇宙の原理原則が込められた易経には、
私たち人間がこの世で学び、身につけるべきことが記されています。
この言葉が伝えているのは、人として成長し、社会の中で生きていくためには、
徳を養い、どんなに小さな些細なことでも日々積み重ねていくことの大切さです。
そうすることで、自然と成長し、調和した社会の中心的な存在になれるのだと教えています。
日本人として徳を治めたリーダーの象徴的存在といえば、二宮尊徳さんが挙げられます。
彼の残した言葉や生き方は、まさにこの易経の教えと通じるものがあります。
小さな積み重ねが大きな結果を生み出すこと。日々の努力を怠らないこと。
これらの教えは、現代を生きる私たちにとっても変わらない真理です。
参考:第106回『積小為大』(二宮尊徳)
少しでも徳を備えた人間になれるよう、日々小さなことを積み重ねて
社会のお役に立てるように努めていきたいと思います。
大きな成果を求めるのではなく、今日できる小さな一歩を大切に。
そんな心がけで歩んでいきたいと思います。
参考文献:『易経一日一言』(竹村亞希子著 致知出版社)
鎌倉 鶴岡八幡宮