人生をひらく東洋思想からの伝言

東洋思想の言葉やその精神を通じて、ともに学びながら人生や経営をひらいていけたら嬉しいです。

第121回『不易流行(ふえきりゅうこう)』(松尾芭蕉)

2024年01月15日 | 日記

【人生を開く東洋思想からの伝言】

第121回

『不易流行(ふえきりゅうこう)』(松尾芭蕉)


松尾芭蕉は、江戸時代の俳諧師として、かなりの俳句を生み出したことで有名ですが、

そのほとんどが、現代においても通用し、多くの人たちを楽しませているものばかりです。

以前、ブログでもご紹介致しましたが、そこに至る道筋は

一筋縄ではいかないものばかりだったようです。

第57回「旅を栖(すみか)とす」(松尾芭蕉) 参照。


では、それだけヒットセラー、ロングセラーのものを生み出した原動力や発想は

いかがなものだったのでしょうか?


そこには、芭蕉独自の創造論があったようにうかがえます。

その芭蕉の創造論の核となっているのが、「不易流行」というものになります。


不易とは、「原理原則」になります。新しいとか古いとかを乗り越えた真理、

時代を越えた美しさ、素晴らしさのことになります。

一方、流行とは、「変化」であり、時代の流れや感覚になります。

現代なりの感覚でなければ、その時の人の事を捉えることはできません。

この陰と陽、不易性と流行性の二つが和して、

「風雅の誠」という根本を成すものとなっているのでしょう。


芭蕉は、次のようにも言っています。

「風雅におけるもの、造化にしたがひて四時を友とす」


風雅の誠とは、この世の道理、真理です。

芭蕉の言う、詩心、歌心の真髄でもあり、本質になります。

そして、同時に、四時とは、四季の変化になります。

常に変わり続けている、その変化、一瞬一瞬の四季の移ろい、

その新鮮な感覚のことです。

それらを同時に感じる心を、芭蕉は大切にしていたのでしょう。


私が、この東洋思想を探究しながらも、

常に現代の事象、現象、新たな技術やサービス、経営、人の心理などにも興味があるのは、

まさにこの「不易流行」という感覚で、

宇宙の真理である「不易」と、現代起きている「流行」を

常に同時に感じて生きていくなかで、本質がみえるのではと感じるからです。


これからも、「不易流行」の感覚を自分の得意な領域で、

研ぎ澄ましていきたい思っております。



参考資料
『東洋からの経営発想』田口佳史著 悠雲舎




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