人生をひらく東洋思想からの伝言

東洋思想の言葉やその精神を通じて、ともに学びながら人生や経営をひらいていけたら嬉しいです。

第122回『天下の難事は必ず易きより作(おこ)り、天下の大事は必ず細より作る』(老子)

2024年01月22日 | 日記

【人生を開く東洋思想からの伝言】

第122回

『天下の難事は必ず易きより作(おこ)り、天下の大事は必ず細より作る』(老子)


これは、老子の名言のひとつとも言われています。

その前文をご紹介しますと、

第86回『無為を為し、無事を事とし、無味を味はう。

小を大とし少を多とし、怨に報ゆるに徳を以てす。』

老子特有の言い回しで、

「小さな物事を大きなことだと思え」、「少ないものほど多いと心得よ」

と言っています。


簡単にご説明しますと、

「いきなり大きな問題が起こる」とか、「いきなりたくさんの問題が起こる」

といったことはあまりないかもしれませんね。

どんな大きな問題もはじめは小さく、いかに多くの問題も最初は少なかったはずです。

だからこそ、問題が小さく、少ないうちに対処するのが大切だと言っているのです。

それが、「無為」「無事」「無味」を実践する生き方だと老子は言っています。


なお、怨みを向けられたら、通常は怨みで反論してしまいがちです

そうるすと、より際限のない報復合戦になってしまう可能性もあるので、

老子は、そういうときこそ、「徳」で相手を受け入れて、

ゆるしなさいと言っています。

そして、今回の言葉は「何といっても、この世の難事は、ちょっとしたことからおこり、

大事は、かなり最初は小さなことからおこる事を忘れてはならない」と言っています。
 
日々、そのような心掛けをしっかりすることで、大難を小難にすることができるという教訓なので

意識して過ごしていきたいと思います。



参考資料
『老子の無言』 田口佳史著 光文社
 
 
 
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