新音楽療法邪説

音楽療法は、音楽の持つ様々な特性を必要とされる人々の課題解決のために応用される音楽臨床技術の総称として用いられています。

音符の時価の比率と演奏時間の計算方法について

2022年02月20日 09時41分46秒 | 音楽の知識(musicology)

ご訪問ありがとうございます。

音楽の理屈について、画像や記号、実際の演奏無しに、どこまで言葉だけで説明できるものなのか、意外と難しく筆も止まってしまいがちですが、今日は標記のお題で解説してみたいと思います。

 

まず、以前に音符の形とそれぞれが持っている暦時について、お話ししました。今日は、この暦時をもう少し詳しくお話ししてから、ある曲が何分の何拍子で、何小節あるか、そしてその曲が♩=M.M.60と言う速度の指定がされていた時、おおよその演奏時間が分かります、という内容になります。

予め、原稿を書いているわけではないので、さて、どうなりますことやら……

まず音符の長さの事ですが、例えば♩(四分音符)と言う音符に5秒と言う持続時間が与えられているわけでは有りません。

音符にはさまざまな形があって、それぞれの間に長さの関係性が決められている訳ですが、これを時価比といい、それぞれの音符間の長さの関係を、時価比率という言葉で表しています。

ぶっちゃけ、誤解を恐れず簡単に言っちゃうと、ある音とある音の関係性の中でその長さが決まっていく、相対的な時間という事です。

ある曲の基準音符(どの音符を1拍にするか)をどれくらいの長さにするかは、テンポの問題になってきますが、このテンポを示すのにメトロノーム記号が使われます。

先ほどの♩=M.M.60という指示があれば、♩は1分間の1/60(六十分の一)、つまり1秒の長さという事になります。そして、四分音符が1/60なら2分音符は4分音符の2倍の暦時(時価比)なので、半分の1/30という事になります。くどい様ですが、♩=M.M.60であれば、♩は1秒。その倍の2分音符は2秒の暦時(時価比)を持つ事になります。

これで、曲の長さ、演奏時間を求める事が可能になりました。今までの説明で何度も出てきた音符記号(♩や♪他に2分音符など)=M.M.60(数字は変わる)、これに拍子、小節数が分かれば、おおよその演奏時間が分かります。

 

音楽製作のアプリケーションが登場してからは、andante、moderatoなどの曖昧な速度表現はPCが受け付けてくれませんから、BPMを使うようです。心拍数を測るのとおんなじ考え方で、速度標記をする様になりました。つまり、1分間に何拍打つかによって曲の演奏速度を決めると言うものです。

 

では、問題です。

①テンポ指示:♩=M.M.120(120BPM)

②拍子:4拍子(基準音符:♩)

③小節数:128

さて、

①のテンポ指示は、4分音符が1分間に120回打つ速さです。

②は基準音符が♩ですから、4分の4拍子。小節内に♩が4個と言う意味です。

③これは言うまでも有りませんが、♩が4個入る小節という単位が128個集まって出来ている曲です。

という事で、

(拍子×小節数)÷120BPM(1分間に120拍の意味になります)

の計算式で演奏時間を求めてみましょう。

4×128÷120=4.26666667 

という答えが出ました。

百分率での答えなので、整数は分単位で得られますが、小数点以下はちょっと分かりづらいですよね。

その時は、×60で単位を秒に直します。

すると、およそ4分16秒の演奏時間となりました。

計算機の小数点以下の処理の仕方によっては、答えに違いが出てくるかもしれません。

ちなみに、同じテンポ、同じ基準音符による拍子、小節数の管理人製作の愚作をPCに演奏させてみた所、2秒ほど早く演奏終了となってしまいました。

目的が、新作の生演奏であっても、おおよその演奏時間が分かるというのは、演奏者のみならずステージのスタッフにとっても有益であると思います。

なに分昔の記憶と下書き無しでやっておりますので、記憶違いや解説が間違っていましたら、優しくご指定きただけますとありがたいです。

本日もお付き合い頂き有難うございました。