【ワシントン=柿内公輔】米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は20日、ニューヨークで講演し、来年から減税停止と歳出削減が重なる「財政の崖」を回避できなければ、「景気回復に深刻な脅威となる」と強く警告して、議会とオバマ政権に迅速な対応を促した。
議長は、米景気の現状について、「回復のペースは失望させられるほど遅い」とし、財政の崖は再び景気後退を招くほどの悪影響があると強調。
昨年の連邦債務上限引き上げ問題をめぐる債務不履行(デフォルト)騒動を例に引き、「それ以上に甚大な経済的・財政的コストを招く恐れがある」と懸念を表明した。
ただ、議会や政府が協力し、財政の崖を回避することができれば、「来年は米経済にとっていい年になるだろう」として、現在続けられている与野党協議の進展に期待を示した。
一方、9月に導入した量的緩和第3弾(QE3)については、「評価はまだ早いが、社債や住宅ローンの利回りは低下しており」として、景気回復を下支えているとの認識を示した。
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