遺体屋の仕事

日常生活では見ることも聞くこともない「遺体屋の仕事」とは・・・

財産をめぐって・・・

2006-06-03 08:25:22 | エンゼルケア
故人様は、63歳男性です。ご自宅での湯灌で、いつもどおり準備をしていました。
湯灌の準備は、機材の搬入、お身体の処置で大体、30分くらいかかります。

リビングとなりの和室を使わせていただき、準備をしているとリビングのほうで揉めている様子。故人様の処置に集中しなければならないのに、どうしても会話が気になってしまうダメな私。
しかし、耳を塞いでも聞こえるくらいの声で中年女性と男性が怒鳴りあっています。
どうやらお金のことでトラブルになっているようです。
話を聞いていると「現金預金が○○千万円・生命保険が○○千万円」とか「自宅や別荘が・・・」とか・・・・・。

湯灌がはじまってからも二人ともムスッとしたままです。周りの親族もこの二人の空気にのまれてしまい、なんとも言えない重たい雰囲気。
故人様がその光景をみたらきっと悲しまれると思います。
私たちは、自分たちの勤めに集中し、故人様をきれいに送り出すことだけを考えて湯灌をしました。

残された家族や親族が財産をめぐってトラブルになるなら財産なんか残さないほうがいいのかもしれません。もしくは生前から遺言書を残されれば、大きなトラブルにはならないのかもしれません。
どちらにしても私には理解のできない事情があるのかもしれませんが、相続や金銭の揉め事は、せめて葬儀が終わってからにしてもらいたかったです。






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ヒューマンケア株式会社

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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2006-06-03 09:48:55
五年前に祖母を亡くしました。

葬式のあと、叔父同士(長男と次男)が相続のことや墓のことで大喧嘩を始めてしまいました。

もともと仲が悪く、酒が入ったということもあるんだろうけど、見ていて辛く切なくなりました。

しかし、その叔父(次男)も二年前に他界…

葬式のとき、叔父(長男)が人前はばからず泣いている姿を見て、何故か安心しました。



茜さん、頑張って下さい、なんて陳腐なコトバしか言えません。このようなブログを作って頂き有難うございます。

上手く言えないですが、人間の生の尊厳について考えさせられます。

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